『広島競輪開設67周年記念(GIII)レポート』 3日目編

広島競輪開設67周年記念「ひろしまピースカップ」は、後半戦となる3日目に突入。12月14日に争われた準決勝は、守澤太志、原田研太朗、橋本強の3人が1着。地元の池田良も、原田に続いて決勝への切符をつかみとった。いよいよシリーズも大詰め。15日の最終日には、熾烈なバトルを勝ち抜いた9選手よる決勝の号砲が鳴らされる。また、9レースではS級への特進をかけて「レインボーカップA級ファイナル」が一発勝負で行われる。
 本場では、様々なイベントやファンサービスでお客様をお待ちしています。15日の最終日は、清水航平選手らが登場する「サンフレッチェ広島トークショー」や、今シリーズ出場選手のサイン入りタオルなどが出品される「チャリティーオークション」を実施。パンプトラックやフットサルなどを体験できる「アクティビティーコーナー」や、自転車整備士のお仕事を体験できる「キッズメカニック」など、お子様が楽しめるイベントも盛りだくさんです。宮島水族館からは、かわいいペンギンもやってきます。ぜひ、本場でお楽しみください。

<10R>

守澤太志選手
守澤太志選手

坂口晃輔選手
坂口晃輔選手
 けん制されて7番手で動けなかった根田空史だが、ホームガマシで反撃開始。最終2コーナー手前で藤田竜矢をとらえて先頭に立つ。根田の番手で競っていた守澤太志(写真)と諸橋愛は両者とも離れてしまい、単騎の坂口晃輔が内をすくって根田を懸命に追いかける。徐々に車間を詰めて4コーナーを回ると、最終1センター過ぎで坂口の後ろに切り替えていた守澤が、直線で鋭く伸びて1着で優出を果たした。
 「(諸橋に)完敗ですね。もうあれ以上は上がれないし、ああいう展開になると自分は離れちゃうので。坂口が内に行ったので、そこは上手く追走できた。根田まで遠かったので、坂口まで交わせればと思ったんですけど。余裕はあったし脚は悪くないですね」
 豪快なまくりを決めた根田空史は、守澤に差されるも2着でゴールした。
 「末が甘かったですね。出るのに脚を使って、それも最後に脚に来てしまった。フレームを戻して踏み出しは良かったんですけど、最後の伸びが足りない。まあ決勝もこのフレームで戦います」
 坂口晃輔(写真)は、俊敏な立ち回りで3着に入り激戦を突破した。
 「今日(準決勝)は単騎だったので、道中は中団辺りにいて流れに乗って行こうと。みんな根田待ちのところがあったし、(根田を)後方に置いて組み立てられました。外を行くのは厳しかったし、最短距離で内に行きました。自分で活路を見いだせたし、自分らしい忍者走りができた」

<11R>

原田研太朗選手
原田研太朗選手

池田良選手
池田良選手
 後ろ攻めから動いた川村晃司は、中団の原田研太朗(写真)にフタをしてから、菊地圭尚を叩いて先制。7番手で打鐘を聞いた原田は、最終ホームから巻き返す。村上義弘の強烈なけん制を乗り越えてバックで先頭に立つと、そのまま力強く押し切った。
 「ホームの向かい風がキツかったので、川村さんもそこで失速する感じでした。自分は(池田)良さんが付いていたし、早めに仕掛けようと。昨日(2日目)、長い距離を踏んでいたので気持ち的にも楽でしたね。村上さんのブロックはすごかったですけど、イエローの外を走れば大丈夫だと思いました。余裕はありました。最後まで踏み切れたし、(池田と)決まって良かった」
 原田にピタリと続いた池田良(写真)が2着。地元記念で決勝進出を果たした。
 「川村さんもすごかったし、今日(準決勝)はまくりかなって思ったけど、(原田)研太朗が強引に仕掛けてくれたお陰ですね。昨日(2日目)より加速がすごかったし、村上さんを乗り越えれば大丈夫と思って。最後抜きに行ったけど、踏み直されましたね。でも、まずは決勝に乗れたんで」
 京都コンビの後ろに付いた福田知也は、直線で鋭く伸びて3着に入った。
 「京都の先輩2人がすごかったです。村上さんの後ろを回れることなんてなかなかないですし、連係できて勉強になりました。村上さんが踏んだ時にちぎれそうになってキツかったし、最後はガムシャラでした。結果伸びたので良かったです」

<12R>

橋本強選手
橋本強選手

菅田壱道選手
菅田壱道選手
 菅田壱道を押さえてハナに立った中本匠栄を、三谷竜生が最終ホームで叩いて先行勝負に出る。中本は3番手に飛び付いて、河野通孝と併走に。そこへ、菅田が一気にスパート。4コーナーで三谷をとらえて先頭に立ったが、2センターからタテに踏み込んだ橋本強(写真)が、直線で菅田と岡村潤の外を鋭く伸びて突き抜けた。
 「(中本)匠栄がレースを上手く作ってくれました。(初手で)まさか、中団を取れるとは思わなかったですね。しかも、南さんが仕事をしてくれていたんで、僕は隊列が短くなった時に行けました。調子は良いですね」
 まくった菅田の後ろから踏んだ岡村潤が2着に入った。
 「橋本君の気配は全く感じなかったですね。あとは自分のアタマで、菅田君が残るかどうかだと思いました。(菅田は3着に)実力で残ってくれました」
 三谷をまくり切った菅田壱道(写真)が3着に粘り、復帰戦で記念決勝にコマを進めた。
 「(三谷)竜生は見ないところで仕掛けたって言ってたから、中本も踏み遅れたんでしょうね。そこで自分は、考える前に反応して行けました。見る間もなく体を外に持ち出せたんで、状態は上がっていますね。デビュー戦(復帰戦)でこれなら、上出来です(笑)」

<最終日・9R レインボーカップ

今岡徹二選手
今岡徹二選手

 バック数がメンバー中トップの今岡徹二(写真)は、今年に入って急成長を遂げた。地元で特進を決められるか。
 「荷が重い車番ですね…。ここまではケアを中心にやってきました。練習して、調整して、動ける状態だと思います。勝てば100勝なんで、頑張りたいですね」
 谷口遼平は、前回の京王閣FIIで今期9回目の優勝を飾った。来期のS級は既に決まっているが、勝って勢いをつけたい。
 「前回からは、ちょっと(中10日)空いたんで練習できました。広島は久しぶり(14年8月以来)ですね。1着の賞金が100万以上あるから、獲ればダービー(出場)の可能性もあります」
 今回が復帰戦の小川丈太は、9月防府FII以来72日ぶりの実戦となる。
 「いろいろあって一カ月丸々、自転車に乗れませんでした。それを一カ月で戻すのは、むちゃくちゃかなって思ったけど、8割くらいは戻ったかなって思います。やることはやってきました」