2020UCIトラック世界選手権レポート(2日目編)

トラック種目の世界選手権第2日は27日、ベルリンで行われ、男子ケイリン脇本雄太(福井・94期)が銀メダルに輝いた。日本は男子ケイリン東京五輪の出場枠1を獲得。代表選手は今後、日本自転車競技連盟が選考し、発表する。女子スプリントは出場枠獲得を逃した。

【男子ケイリン
脇本は1回戦5組1位、準々決勝を2組2位で突破。準決勝1組では、残り2周から独走で1位に滑り込む盤石の展開で安定感を見せつけた。決勝では、準決勝で上回った昨年の世界選手権スプリント王者、ラブレイセン(オランダ)に仕掛けを合わせられ、2番手のままゴールした。日本勢の表彰台は昨年大会の新田祐大(福島・90期)の2位、一昨年大会の河端朋之(岡山・95期)の2位に続いて3年連続。脇本は「ほっとしているのと、金メダルを何で取れなかったんだろうという悔しい気持ち。この達成に満足せず、五輪で金メダルを取る目標に変えていきたい」と力強く語った。ブノワ・ベトゥ短距離ヘッドコーチは「完璧なレース」とたたえ、「あとはラブレイセンを倒す方法を探すだけだ」と次の戦いを見据えた。

 

新田は1回戦2組4位で敗れたが、敗者復活戦は3組1位で突破。準々決勝3組も最終周回からのスパートで1位通過した。準決勝2組は5位に終わり、7~12位決定戦では、レース中盤にブフリ(オランダ)と接触、降格により12位となった。新田は「強い気持ちで臨んだが、気持ちと体がかみ合わなかった」と話し、残るスプリントへ向けて「勝負は終わっていないので一戦一戦上を目指す」と気持ちを切り替えた。


河端は1回戦4組6位となったが、敗者復活戦2組を1位で突破。準々決勝1組では、ゴール間際の混戦となるも、一歩及ばず5位で敗退した。五輪代表の座は厳しい情勢になり、35歳のチーム最年長は「場所取りが裏目に出た。落車するかもしれないし、(スペースが)空くかも分からないけど必死に行った。力不足です」と涙を流した。その上で「(競技は)若い選手に頑張ってもらいたい。職業の競輪としては、まだまだ自分を磨くべき所がある」と語り、競輪への復帰に意欲を示した。

1位 ラブレイセン(オランダ)
2位 脇本雄太
3位 アワン(マレーシア)
12位 新田祐大
準々決勝敗退 河端朋之


【女子スプリント】
小林優香(福岡・106期)は予選で10秒712の日本新記録をマークし、33人中18位で突破。1回戦も持ち前の持久力を発揮して英国選手に快勝した。2回戦では相手の落車があり、やり直しとなったレースで一瞬の隙を突かれて逆転負け。それでも「冷静に戦えた」と充実した表情で「この失敗をケイリンに生かしたい」と大会最終日に待つ大一番を見据えた。


太田りゆ(埼玉・112期)は予選を26位で突破したが、1回戦で敗退。スプリントでの五輪枠獲得に強い思いを持ってきただけに、レース後は涙。今後の競技への取り組みについて「軽く4年頑張りますとは言えない」と明言を避けた一方で、「競輪選手としての姿を見せられていない。同期が強くて悔しい部分もある」と、ガールズケイリンへの意欲を口にした。

2回戦敗退 小林優香
1回戦敗退 太田りゆ