2020UCIトラック世界選手権レポート(4日目編)

トラック種目の世界選手権第4日は29日、ベルリンで行われ、男子スプリントで新田祐大(福島・90期)、深谷知広(愛知・96期)はいずれも準々決勝で敗退した。東京五輪出場枠は1つ獲得。代表選考は今後行われる。男子オムニアムの橋本英也(岐阜・113期)は11位。東京五輪出場枠1を獲得し、橋本の代表入りが確実となった。準決勝、女子マディソンの古山稀絵(日体大)、中村妃智(日本写真判定)組は15位で、五輪出場枠を確保した。

【男子スプリント】
新田は予選で9秒562の日本新記録をマークし、8位で突破。1回戦、2回戦も勝ち上がった。準々決勝では、昨年の世界選手権スプリント王者で、今年のケイリンも制したラブレイセン(オランダ)と対戦。2連敗で屈し「圧倒的に強いと感じた。できる精いっぱいの力で踏み込んだが、負けてしまった」と完敗を認めた。今大会を振り返り「初日の(チームスプリントの)つまずきがずっと響いた。自分をアピールできなくては意味が無くなるという気持ちで走っており、ずっと苦しかった」と心境を吐露。代表選考に関しては「自分は結果を待つ立場なので」と話した。深谷は予選13位で勝ち上がり、1回戦も快勝。2回戦ではドミトリエフ(ロシア)を下したが、準々決勝でアワン(マレーシア)に連敗を喫した。準決勝、決勝は3月1日に行われる。


予選200FDで日本新記録をマークするも準々決勝で敗退 新田祐大

 


予選200FDを13位で勝ちあがるも準々決勝で敗退 深谷知広



【男子オムニアム】
1日で4種目を走り、合計点で競う同種目。橋本は、スクラッチは9着で滑り出した。先頭集団に入ったが、ゴール間際の混戦で前に出ることができなかった。続くテンポレースは10着、続くエリミネーションでは積極的に先頭を引いて7着となった。総合8位で迎えたポイントレースでは得点できず、順位を落とした。ワールドカップ以上の高速レースに疲労がたまり「(前に)行かないといけない時に脚がフレッシュじゃなかった」と苦しい展開を振り返った。「金と銀の2人は別格でした」とする一方で、それ以外の上位選手とはある程度戦える手応えも得た様子で「五輪までに体力を付ければ全然走れるんじゃないか」と自信をのぞかせた。

1位 ベンジャミン(フランス)
2位 ファンシップ(オランダ)
3位 ウォールス(英国)
11位 橋本英也


男子オムニアムで力走する橋本英也


【女子マディソン】
出場予定だった梶原悠未(筑波大)は、前日のオムニアムで落車した影響で欠場。リザーブの古山が中村と組んだ。五輪代表枠争いが残るシビアな戦いとなったが、完走して枠の確保には成功。古山は「みんなでここまでためてきた(五輪ランキングの)ポイントは無駄にはできない。つなぐことができて良かった」と安堵の表情。中村は交代でのミスを反省点に挙げ「ミスが自分たちの体力や走りに影響してしまった。悔しい」と話した。

1位 オランダ
2位 フランス
3位 イタリア
15位 日本