『高知競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 2日目編

高知競輪場開設70周年記念「よさこい賞争覇戦」は4月3日にシリーズ2日目が行われた。
二次予選7個レースをメインに争われ、Aでは小川真太郎、三谷竜生、浅井康太、佐藤慎太郎の4人が勝ち星を挙げた。3日目の4日は準決勝3個レースをメインに熱戦が繰り広げられる。

 なお、今シリーズも新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、無観客での開催になっています。どうぞご了承ください。

<6R>

朝倉佳弘選手
朝倉佳弘選手
 後ろ攻めからゆっくり上昇した栗山俊介が打鐘の3コーナーで先行態勢を取る。最終ホームから徐々にペースを上げた栗山の後位はもつれる。好位を確保していた藤田竜矢がバック過ぎからまくると、そのスピードをもらった朝倉佳弘(写真)が外を鋭く伸び切った。
 「(最終ホームで)もつれて(藤田に)付いていけなかったけど、迂回してしっかり追い上げようと。冷静に対処できました。2着権利で3番手を佐藤(真一)さんが固めてくれたし、藤田もすごくいい仕掛けをしてくれた。本当にラインのおかげです。前回(川崎FI最終日)の1着が気持ち的にすごくプラスになってます。脚の感じも良かったので、いけるかなって思ってました」
 番手絶好態勢から追い込んだ原田隆は2着で準決勝に進出した。
 「S級自体も10年ぶりくらいだし、4日制の記念の準決勝は初めてです。僕よりも栗ちゃん(栗山)が落ち着いてましたね。藤田君がすごいスピードで飛んで来そうだったので、どう対処するかだと思ってました。必死でした。セッティングを換えて、前回の久留米よりいいですね。高知は相性がいいです。爪あとを残すことができました」


<7R>

石毛克幸選手
石毛克幸選手
 後ろ攻めの伊藤裕貴が打鐘過ぎに押さえて、徐々にペースを上げる。前受けから後方7番手まで下げた宗崎世連は最終ホーム前から巻き返しに出る。両者がもがき合う形でバックを通過。2センターで吉松直人を退かした鈴木幸紀が追い込みにかかるが、地元コンビの後位を回っていた石毛克幸(写真)がその外を鮮やかに突き抜けた。
 「地元の後ろにして正解でした。宗崎君が早めに行ってくれました。脚はたまっていたので、最後はどっちのコースを踏もうかなと。余裕はありましたよ。体は軽かったし、伸びていると思います。なんとか決勝に乗れるように準決勝も頑張りたいですね」
 逃げた伊藤をフルに利した鈴木幸紀が2着に入った。
 「伊藤君が気を使って走ってくれた。なるべく(宗崎を)引き付けて駆けたらって感じでした。500バンクで直線が短いのも昨日(初日)一走したことで感覚つかめたし、コースも見えていた。伊藤君サマサマですよ」


<8R>

山田諒選手
山田諒選手
 後ろ攻めの片折亮太は中団の山田諒(写真)にフタをして打鐘過ぎに先頭に立つが、前受けしていた市橋司優人が番手に飛び付く。これで山田にとっては絶好のまくり頃に。前団のもつれを2コーナーから豪快にまくり切った。
 「(最終ホーム前で)紺野(哲也)さんにからまれたところで慌てず落ち着いて立て直すことができました。パッと頭を切り替えることができましたね。ゴチャついて展開が向いてくれました。初日よりローラーに乗っているときから間違いなくいい感じがありました。レースも緊張せず、落ち着き過ぎているぐらいでしたね。2日間、レース内容はしっくりきていないけど、手応えはありますね」
 地元の佐々木則幸は即席連係となった山田にピタリと続いて準決勝に駒を進めた。
 「(山田君は)強い。抜きたかったけど抜ける感じが全然せんかった。丸山(啓一)さんの1車が大きかったですね。付いてくれなかったら、山田君もまくり切るのに時間がかかったと思うので。ホッとしました。今回は流れのみですね。去年決勝に乗っているので、今回は準決勝には乗りたいと思っていました。初日は2着に続かないといけないのに3着になってしまいファンに迷惑をかけたので、しっかり決まって良かったです」


<9R>

小川真太郎選手
小川真太郎選手
 後ろ攻めの小森貴大が打鐘の3コーナーで飛び出して主導権を取る。前受けの佐々木豪がすんなり3番手に収まり、6番手で警戒されていた朝倉智仁は最終ホーム前から強引に踏み上げる。これをけん制しながらまくった佐々木に続いた小川真太郎(写真)が直線で鋭く差し切った。
 「前も後ろも頼りがいのある選手だし、しっかりとしたラインなので安心して走れました。一番いい展開になりましたね。あとは(朝倉の)カマシを警戒して。落ち着いて、いい感じでしたけど、ちょっと重かったですね。脚なのかバンクなのか分からない。でも、重いわりに最後までしっかり踏めたと思います」
 3番手から好回転でまくった佐々木豪は2着。中四国ラインを上位独占に導いた。
 「後ろですごい仕事をしてくれていたんで、落ち着いて、いいタイミングで仕掛けられたと思います。3番手でも(朝倉をけん制して)脚は削られるんで、キツいですよ。ラインで決まって良かったです。準決勝が一番、重要なんでしっかり頑張ります」


<10R>

三谷竜生選手
三谷竜生選手
 堀内俊介、菅田壱道の順で出たところを間髪入れず中西大が踏み込んで最終ホーム前からハイピッチで駆ける。前受けから7番手まで下げた取鳥雄吾は2コーナーから好回転でまくり上げるが、車間を空けて構えていた三谷竜生(写真)が3コーナーで強烈にブロック。返す刀で鋭く追い込んだ。
 「中西君は先行選手だし、自分もしっかり仕事をしたかった。やるべきことはやりましたけど、ライン2車は難しい。前があれだけ頑張ってくれたから一緒に勝ち上がりたかったけど。調子自体は問題ないし、明日(3日目)も与えられた場所でしっかり自分のやることをやって頑張るだけ」
 三谷のブロックでスピードが鈍った取鳥雄吾だが、諦めずに踏んで2着に食い込んだ。
 「まくり切ったと思ったんですけど。三谷さんにブロックをもらったあとにもう1回踏めたので、苦しい中でも自転車は進んでいるし、伸びている。前回から換えたセッティングがすごくいいです」


<11R>

浅井康太選手
浅井康太選手
 後ろ攻めの鈴木謙太郎が中団の今岡徹二にフタをして打鐘の2センターで先頭に立つ。すかさず巻き返してきた今岡を合わせ切ったが、冷静に戦況を見極めていた浅井康太(写真)が2コーナーから一気にまくり上げる。軽々と前団を飲み込んだ浅井がきっちり人気に応えた。
 「僕らは恵まれた展開になりましたね。(鈴木)謙太郎の先行はないかなと思っていたので、押さえて駆けるとは思わなかった。後ろが千切れることを期待していたんですかね。仕掛けた時は綺麗に回せていたかな。高知はコーナーの感覚がないので、真っ直ぐ走った結果、かなり上を走ってしまった。(ラインの)みんなで勝ち上がれて良かった。ラインを労わりながら走った。修正点を見つけながら考えながら走れているし、もう少し感触は良くなるはず」
 浅井にピタリと続いた近藤龍徳は2着の結果に満足げ。
 「久しぶりに本物の緊張をしましたね。ミスもなくピッタリと付いていけた。状態が上がってきて調子がいいからしっかりと付いていけたと思う。最後は差し込んだけど、あと1周、いや、あと2周あっても抜けないと思う」
 勝瀬卓也は2センターで木村直隆を振ってから追い込んで確定板入りを果たした。
 「今岡君が中途半端にきたから鈴木君は踏み上げたんだと思う。余裕はあるし、初日より今日(2日目)のほうがいい。セッティングを換えて良かったので、そのままいきます」


<12R>

佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
 打鐘過ぎに切った中本匠栄を佐伯亮輔が押さえるが、そのうえを渡邉雄太が踏み込んで最終ホーム前から主導権を握る。中本が俊敏に4番手に追い上げ、前受けから後方まで下げた今野大輔もすかさず巻き返しに出る。これを2コーナーでしっかりブロックして止めた佐藤慎太郎(写真)が直線で鋭く追い込んだ。
 「(渡邉)雄太がしっかり頑張ってくれました。こういう展開になればね。でも、いっぱいいっぱいでしたよ。疲れが少し残ってますね」
 中団キープから最終2センターで外に持ち出した中本匠栄は直線勝負で佐藤に詰め寄った。
 「これがベストの組み立てだったと思います。あとは佐伯君がどうするか。(渡邉)雄太のほうがやる気だったし、あとは追い上げて。4(番車の今野)、8(番車の小川祐司)が前で邪魔になっていたので、待つだけ待ってから最後に踏みました。グランプリチャンピオンはさすがですね。前まで遠かったです」
 先行勝負で長い距離を踏んだ渡邉雄太が3着に粘り込んだ。
 「行くしかないと思って仕掛けました。後ろも(佐藤)慎太郎さんなんで。いっぱいいっぱいでした。逃げて残れているんで悪くないですね」