『宇都宮競輪開設71周年記念(GIII)レポート』 前検日編

5月21日から宇都宮競輪場で開設71周年記念「宇都宮ワンダーランドカップ争奪戦」が開幕する。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、開催中止が相次ぐなか、
4月武雄記念以来となる1カ月ぶりのグレードレース。

前検日の20日は参加選手が3密を避けながら、自転車、身体検査を無事に終了した。

今回も無観客での開催となりますが、平原康多、松浦悠士に浅井康太ら好メンバーがそろっています。「宇都宮ワンダーランドカップ争奪戦」をTV、インターネット観戦でお楽しみください。

<1R>

堀内俊介選手
堀内俊介選手
 堀内俊介(写真)は予想外のオープニングレース抜てきに驚きを隠せない。
 「オープニングだとは思ってなかった。レースも久しぶりだし、緊張しますね。(走り慣れない)500バンクっていうのもあるし。バンクは使えるし、街道にも行ったり。実戦とはまた違う部分はあるけど、試しながら色々できた。まずは、しっかり出し切るレースがしたい」
 小原太樹は「バンクが使えるのはいいけど、ジムが使えないのがね。ウエイトとかできないので。(昨年11月四日市記念の落車から1月平記念で復帰して)やっとレース勘が戻ってきたなと思ったところで、開催中止が続いてしまった」と不安を口にするが、このレースでは点数最上位の存在。しっかりと人気に応えたいところだ。


<2R>

 椎木尾拓哉は5月名古屋を走ったばかり。準決勝は売り出し中の寺崎浩平の仕掛けに8分の1輪まで迫っていた。
 「決勝はちょっとアレだけど、そんなに悪くなかった。レース勘も特に問題ないですね。それまで開催中止が続いたけど、4月1日に鎖骨と足首のボルトを抜いたりできたし、逆に良かったかな。練習の感じはだいぶ良くなってます」
 雨谷一樹、江連和洋が地元勢のトップバッターとなる。
 「一度、競走に参加すると2週間ぐらいは空けないといけないので、ナショナルチームには戻ってない。でもメニューは送られてきてるので、やる場所が変わっただけでやることは同じ。ここまでも調整なしです。地元も4、5年走ってないので、頑張るだけですね」


<3R>

 昨年の夏場からワットバイクを使った練習をメインにしている鈴木裕は地元のバンクが使えなくなっている影響はないようだ。
 「そこに左右されないのは良かったです。練習は普通にできてるので、あとはレースの感覚。ずっと練習メニューは変わらないし、数値も上がってきてるので。あとはレースで何でもできるようにしたい」
 今年は年頭の平から3カ月連続で落車していた嵯峨昇喜郎にとって、開催中止によって空いた2カ月近い時間は大きかった。
 「今年は落車が続いてたし、リセットというか切り替えができた。(レースを)走ってないので自分の感じがどうかはわからないけど、練習の感じは落車前、去年とかと変わらないくらいはあると思う。500バンクはチャレンジでしか走ってないので、そういうところもありますね」


<4R>

 ここは山田諒という好目標を得た志智俊夫が人気を集める。
 「山田君とは初めてです。でも練習とかは一緒にしたりするので。ここまでは練習しかしてない感じ。時間があったので練習はできました。前回(3月ウィナーズカップ)の落車でフレームが壊れたし、フレームを換えたりとか試す時間はあった。自転車は全然大丈夫です。今回はそれを試したくて来ました」
 山田諒は4月高知記念から1カ月半の時間があったが、春先に崩れたバランスを取り戻すまでには至らなかったという。
 「ここまでしっかりやって来たつもりです。でもジムとかに行けなくなって、ウエイトができなくなった。練習は自転車ばかりになってるんで、練習も微妙ですね。戻っては来てるけど、う~んって感じ。立て直した感じではない。維持って感じですかね。ここで強くなれればと思ってたけど、そこまでの変化はなかった」


<5R>

長島大介選手
長島大介選手
 ダービーは中止になってしまったが、長島大介(写真)には地元記念がある。4月武雄記念から中23日、空いた時間でやれることはやってきた。
 「制限はかかってるけど、武雄を走ったあとは練習しかなかったので。今はバンクを使えるのも2日に1回。偶数期、奇数期で1日おきに人数を半分にしてやるようになった。まだ入れないよりはいいですけどね。ダービーが中止になったし、宇都宮までなくなったら悲しかったので。ここは開催してくれればって思いはあった。練習の感じは良かったし、(毎年)5月はだいたい調子良くなってくるので」
 今野大輔は紺野哲也が3番手を回ることでライン3車になった。
 「(開催中止が続いたが)その分、マイペースに練習はできた。レースに出てないので、どれだけ出るかは分からないけど。新車も来たので自転車を換えたり、ここまでに変わったとこも多かったです。(乗った感じ)わりかし調子悪くない自転車ではあると思う。ただ今回は500バンクなんで、そこが心配です」


<6R>

 稲川翔は3月ウィナーズカップ以来となる51日ぶりの実戦だ。
 「(あっせん停止などで、配分が空くことが)たまにあるんで僕は。出る人ならダービーに向けてやったでしょうし、なくなったことで1回空気を抜いた。そこから練習自体はいい練習ができたと思う。みんなできてると思うし、今回は自分のやりたいことをやる時間があった。その点ではいい期間だったと思う。レース自体は久々なんで、しっかりいい緊張感で走りたい」
 稲毛健太も約1カ月ぶりの実戦だが、前回は小松島で優勝しているなら期待できそう。
 「ここまでは練習しかしてないです。直前の感触も悪くない。宇都宮に関しても悪いイメージはないです。ただ500バンクなんで踏む距離は長くなると思う。仕掛けどころを意識していきたい」


<7R>

根田空史選手
根田空史選手
 根田空史(写真)は3月が3本、4月にも競走が2本。開催中止の影響を受けずに、コンスタントにレースに参加できている。
 「ただ松戸競輪場が使えなくなって、なかなか思うような練習ができてないんですよ。室内でやるか、街道にいくか。密になるわけにもいかないんでね。悪くはないと思うけど、感じはわからない。いいかどうかはバンクで試さないと」
 地元ダービーが中止となった岡村潤だが、ここまでの時間でしっかりと立て直してきた。
 「しっかり準備してたけどね。ダービーの中止で気持ちがぶっつり切れたけど、持ち直すには十分な時間が取れた。直前の練習は自分でもスピードが出ていたし、いいほうだと思う。まずは根田に離れないように」


<8R>

 当所記念は過去9度の優勝実績がある神山雄一郎(写真)は8Rに登場する。
 「練習はしっかりしてたけど、成果を出せる場所がなかったし、そこが(気持ちの面で)難しかったです。これだけ時間があったので戦える状態にはしてきた。いいレースができればいいですね。(坂本)貴史とは連係もあるし、好きなタイプ。しっかり決まるようにですね」
 地元のレジェンドに任された坂本貴史は責任重大だ。
 「しっかり練習はできた。(バンクは使えないが)もともと街道がメインなんで、影響はないです。弟(紘規・117期)もデビューして、今一緒にやってる。練習はものすごく強いし、若手が多いので活気づいてきました。ずっと練習もしてるし、感触はいい。あとはレースでしっかり走りたい。(後ろが神山ということは)あまり意識せず頑張りたい」


<9R>

 誘導員早期追い抜きによる欠場から復帰後はピリッとしない山崎賢人(写真)だが、そろそろ浮上のきっかけをつかみたいところだ。
 「(配分が空いたが)色んな意味で大丈夫です。宇都宮は初めてだと思うけど、500は嫌いじゃないので。最近、不甲斐ないので、ここでなにかきっかけをつかめるといいですね。練習の感じは悪くないので」
 松岡貴久はFI戦で4連続優出するなど、落車続きで調子を落とした年頭から立て直している。
 「(ここまで中40日)長かったですね。仕事がないから、ずっとのんびりしてました。練習はみんなとやってないし、たまにバンクには入るけど、基本は道路(街道)に行ってました。それまでがバンクでやってたので、久々に道路を走ると怖かった。だいぶコケてないし、競走にも行ってないから崩れることもない。体はだいぶ良くなってます」


<10R>

 渡部哲男は惜しくも10番手で特選スタートを逃してしまった。
 「みんな一緒だけど、感覚はわからない。でも僕は(4月玉野を)一本走れてマシなほうですね。ここまではウエイトとか、けっこうやってきた。本来は2週間とか配分が空かないとやらないんだけど、今回はけっこう追い込んでやった。いいか悪いか試してみようと思って。自転車やセッティングは一緒。乗った感じは悪くなかったです」
 小川真太郎は、その玉野でも初日、2日目に渡部と連係し、初日特選ではワンツーも決めている。
 「(小松島)競輪場は使えていたので、ずっと練習してました。ここがなくならない前提で、ここを目標にしてた。今年は(1月大宮、4月高知と)500バンクの記念は全部決勝に乗れてるし、イメージはいい。哲男さんは信頼している先輩なので、バックを取れるようにレースをしたい」


<11R>

坂井洋選手
坂井洋選手
 記念初参戦が地元戦となる坂井洋(写真)だが、直前の玉野でも上がり11秒1のまくりで優勝しているのなら期待できそうだ。
 「前回の優勝はS級で3回目。初日、2日目はバンクが重かったけど、体のコンディションは問題なく走れた。(4月)平塚が中止になったから記念自体が初めてなので、まずは雰囲気に慣れたい。全力を出し切ることも将来につながると思うし、地元でモチベーションは高いです。体の状態も万全なので、タイミングを逃さず仕掛けるべきところで仕掛けたい」
 坂井とは過去に2度連係している山拓だが、ここまでは一度も決まっていない。地元のここで何としても決めたい。
 「千切られてるし、今回は頑張りますよ。(開催中止が)けっこう長引いたけど、ここまでは色々やってきた。最近は弱ってきてるんで、その辺を考えながらやってきました。地元記念が開催できるのは良かったと思う」


<12R>

 平原康多(写真)は3月ウィナーズカップ以来となる実戦。ウィナーズカップでは初日に落車しているだけに、状態も気になるところだ。
 「痛みはやっぱりありましたけどね。左の中指がちょっと(傷んだが)、力は入るようになってきたので大丈夫です。どうしなければいけないかとかにはブレはないので、やることはやってきてるんだけど、(開催中止が続いて)気持ちが入りきらないところがあった。そんななかで最低限のことはできてるので、しっかりと成果をだしていければ」
 松浦悠士は開催中止をはさみながらも3月ウィナーズカップ、4月武雄記念を連覇するなど乗れている。
 「(広島の)開催が多くて、バンクにはそんなに入れなかった。練習では競輪(競走)みたいなことはやってるし、走ることに関しては問題ないと思います。脚力が落ちてる感じもないですね」