『宇都宮競輪開設71周年記念(GIII)レポート』 2日目編

宇都宮競輪開設71周年記念「宇都宮ワンダーランドカップ争奪戦」は22日が2日目。

二次予選A、Bで準決勝への勝ち上がりが争われた。二次予選Aは地元の長島大介に中川誠一郎、稲川翔、平原康多が快勝。3日目は準決勝3個レースで決勝進出をかけた最後のサバイバルレースが繰り広げられる。

<6R>

江連和洋選手
江連和洋選手
 中田雄喜の仕掛けに乗った蕗澤鴻太郎が1センターから中田を叩いて主導権。別線の巻き返しを引きつけた江連和洋(写真)がゴール寸前で蕗澤をわずかにとらえた。
 「(差した感覚は)ありましたけど、どうかなって感じでした。ビジョンで確かめようとしたら、真っ暗だったので。自分は余裕ありました。(出切ってから)あとは自分のできる仕事をしてと。正規(配分)で初めて宇都宮記念を走れた。去年は坂井(洋)と(ファンサービスの)かき氷を作ってましたから。地元で準決勝に乗れたのはデカい。今年1着がなかったので、何とか差し(の決まり手)が付いたかなって感じ」
 逃げた蕗澤鴻太郎は2着で3月玉野に続いての記念準決勝に勝ち上がった。
 「今日(2日目)は前中団にいて先行でした。2番(山本直)が押さえに来たときに離れて6番(中田)に入られた。でも、落ち着いて行けたんで。あんまり軽い感じはしなかったし、がむしゃらに踏んだ。踏み直しはできたと思うけど、最後はいっぱいでした」


<7R>

小森貴大選手
小森貴大選手
 打鐘で上野真吾が切ったうえを叩いて小森貴大(写真)が前に出る。後続の反撃がないのを確認すると、小森は徐々にペースアップ。最後も力強く踏み直して逃げ切り勝ちを決めた。
 「初日が本当に内容のないレースだったのでしっかり力を出し切れて良かった。逃げ切れたのはたまたまです。少し駆けるタイミングが早いかなとも思ったけど、落ち着いて自分のペースで駆けることができた。記念の決勝に乗ったことがないので準決は頑張りたい」
 小森マークの北野武が2着に流れ込んだ。
 「小森君がいいペースで駆けてくれたし、最後はしっかり踏み直された。あんなもん抜けん(笑)。調整も難しかったし、今回はやっぱりこれぐらいのデキかな。準決以降もしっかり頑張るけど、これぐらい走れているならいいほうでしょう」


<8R>

小川真太郎選手
小川真太郎選手
 打鐘過ぎ4コーナーから先行態勢に入った今野大輔に嵯峨昇喜郎がカマシで襲いかかるが、番手の工藤政志が離れてしまう。徐々に嵯峨との車間を詰めた今野が2センターから嵯峨をとらえにかかるが、嵯峨が懸命に踏み直して抵抗。今野のスピードが鈍ると、番手の小川真太郎(写真)が直線外を突き抜けた。
 「作戦会議のときから今野は頼もしかった。初日は風を浴びてキツかったけど、今日(2日目)はめっちゃ楽でした。アップのときのほうが疲れたかも(笑)。二次予選Aより緊張感はなかったです。今野の頑張りに付いていっただけ。長い休みの前よりも踏めているし、手応えは悪くない。準決も戦えそうです」
 力強いカマシを打った嵯峨昇喜郎が2着に粘り込んだ。
 「緩んでいたので、前に出ないとって。出切るのに脚を使わなかったのが大きかった。ペースに入れて、脚にもあまりこなかった。最後は踏ん張りました。練習していたのが報われた。準決にいくのが目標だったので、勝ち上がれて良かったです」


<9R>

長島大介選手
長島大介選手
 稲毛健太が最終ホームで渡邉雄太を叩いたうえを、すかさず坂井洋が仕掛けて2コーナーで先頭に。番手の長島大介(写真)は車間を切って後続をけん制すると、直線鋭く抜け出した。
 「前が頑張ってくれました。(坂井は)スピードがすごくあるんで、あそこから稲毛を叩いてどれだけ持つかだった。2車になることも覚悟してたし、出切ったら車間を切ってブロックしようと思ってた。でも浅井(康太)さんが入ってきたので。バック踏めずに踏んじゃったけど、(坂井が)5着に残ってくれた。とりあえず準決に2人で行けたので良かった」
 後ろ攻めから押さえて6番手になってしまった渡邉雄太だったが、バックからまくり返すと長島のブロックをたえて2着に食い込んだ。
 「車番が悪いので1回切って展開を見ながら先行でもまくりでもって感じでした。けっこう踏んで稲毛さんを出させたので、来ないだろうと思ったら来てた。(まくりは)1回止まったんですけど、4コーナー回ってからもへばりついて行けたから悪くないと思う」


<10R>

 打鐘過ぎに先頭に立った坂本貴史は、押さえに来た中川誠一郎を突っ張って主導権を譲らない。一旦流してなかなかペースを上げない坂本に、しびれを切らした堀内俊介が最終1センターからまくり上げる。バックから仕掛けた吉澤純平のまくりを鈴木裕がけん制すると、吉澤を目がけてバックから仕掛けていた中川誠一郎(写真)が鮮やかに前団を飲み込んだ。
 「(坂本)貴史が出させてくれないと思わなかった。すんなり出させてくれるなら先行でも良かったんですけど。立て直してからは神山(雄一郎)さんが離れていたので、それを目掛けて仕掛けていった。感触はあまり良くないかな。フォームも決まっていない感じだった。もう少し修正します」
 堀内を番手で援護した鈴木裕が2着でゴールした。
 「堀内君を残したかったけど、あれ以上残すとズブズブ行かれてしまう。もっと大きく張ったら内を行かれてしまうし、難しかったですね。もっと吉澤をビシッと止められれば良かった。でも止めても中川さんに行かれてしまっているのは変わらないかな」


<11R>

稲川翔選手
稲川翔選手
 打鐘の3コーナーで先頭に立った隅田洋介は一度ペースをスローに落とす。1センターから再度踏み上げようとするが、そこを3番手から野原雅也がすかさず仕掛けてバックで隅田をまくり切る。松浦悠士は3コーナーから外を踏み込むも、野原の番手から追い込んだ稲川翔(写真)が松浦との伸び比べを制した。
 「(野原)雅也がどんな展開でもしっかり自分の力を出し切ってくれる選手になってくれてきた。今までの失敗をつなげて向上している。5着権利だが、格上を相手にも力を出し切ると言っていた。松浦の雰囲気はずっと感じていたし、どこからでも来ると思っていた。自分の感じは自分で決めることはしないので、特に気にしていない。日に日に緊張感を持って走れている」
 2着には外を伸びた松浦悠士が食い込んだ。
 「カマしたほうが良かった。(宇都宮の)バンクが難しい。昨日(初日)より状態は良くて、万全かなって思ったけど、踏み込んでからの感じがしっかり伝わっていないというか…。自分の体と走っている感じのズレがありますね。もうちょっとハイペースで流れてくれれば良かった」


<12R>

 山田諒の上昇に合わせて動き、しっかりと中団を確保した平原康多(写真)は2コーナーまくり。番手の神山拓弥が離れるほどの、強烈な加速でそのまま後続をぶっ千切った。
 「スタートで前を取りたくなかった。(スタートけん制になったが)あのぐらい意地にならないと勝てる相手ではないので。根田(空史)に早めに行かれると厳しいかなと思ったので、(2コーナーは)意地で行った感じです。初日は久しぶりの実戦で感覚のズレがあったけど、2日目はしっかり自力で走れたので問題なくなってきたかな」
 離れた神山だったが、意地で逃げる中部コンビを乗り越えると、続いた芦澤辰弘がうまく後続をけん制しながら神山を交わした。
 「何とか5着までっていうアタマもあるし、カミタク(神山)さんは離れ気味でも(逃げる)3人を乗り越えたんで。あとはどれだけ3人で決まるかの4コーナーだった。後ろは根田なんでそこを考えながら。冷静でしたね。僕は久々にじっくり練習できたっていう感触が出てる。いいですね」