『取手競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 2日目編

取手競輪場で開催されている開設70周年記念「水戸黄門賞」は、6月28日に2日目が行われた。AとBに分かれて争われた二次予選では、S班の郡司浩平、佐藤慎太郎平原康多が白星をゲット。

地元勢からは吉澤純平武田豊樹ら5人が準決勝へコマを進めた。
3日目はメインの準決勝3個レースで、決勝への切符をかけた熱いバトルが繰り広げられる。


なお、今シリーズも無観客開催となります。インターネットや電話投票でお楽しみください。

<6R>

佐藤友和選手
佐藤友和選手
 見合ったスタートから、坂井洋が誘導員を追いかけて前受け。後ろ攻めの坂本周輝は赤板手前から動いて先行態勢に入る。菊池竣太朗が中団、中団を回り、7番手になった坂井は最終ホームから一気に反撃開始。好回転で前団をとらえて先頭に立ったが、2コーナーから坂井を張るように踏んで追いかけてきた佐藤友和(写真)が、直線で鋭く伸びて二次予選Bを1着で突破した。
 「(初手は坂本)周輝が後ろから攻めたいってことだったので、そこはこだわりました。坂井が来たタイミングがちょうどコーナーの出口だったので止められなかったですね。でも、追う形で最後は抜けたので良かったです。周輝の気持ちも踏まえて1着を取りにいきました」
 援軍が離れた坂井洋だったが、なんとか2着に粘った。
 「誘導を追いかけるのに脚を使いましたね。(赤板で)菊池君だけ突っ張ろうかとも思ったけど、誘導員の早期追い抜きも頭にあって、結局後ろまで引いてしまいました。(打鐘の)4コーナーで行こうとした時に菊地君が膨れて仕掛けられなくて、でも行くしかなかったんで、その直後に行きました。後ろが誰なのかは確認できなかったので、内も空けられないし不安はありました。昨日(初日)、一昨日(前検日)より、疲れは抜けてきていると思います」


<7R>

佐々木雄一選手
佐々木雄一選手
 赤板の2コーナー手前で朝倉智仁が近藤夏樹を叩いて先制。最終バック4番手から近藤夏樹が反撃に出ると、その外を豪快に佐藤博紀がまくる。最後はピタリと続いた佐々木雄一(写真)が鋭く差し切った。
 「朝倉君と内山(雅貴)君の先行争いを誘い込んで、(佐藤)博紀の行ける距離から仕掛けてもらうって感じの作戦でした。もっと内山君は早めに来ると思ったら、思いのほか仕掛けて来なかったですね。博紀が踏んだ時にまくり切れるなと思ったので、安心していました。(自分の)車の出は変わらず、ずっと良いですね」
 まくった佐藤博紀が2着で北日本ワンツーが決まった。
 「先行タイプが2人(朝倉と内山)がいたので、その2人に脚を使わせたいなと思っていました。後は行けるところから仕掛けるって感じでしたね。内山君が仕掛けて来なかったので、タイミングは取りやすかったです。踏み出しは思ったより踏めましたね。前へ車が出てくれました。初日もタイムが結構出ていたので脚は良い感じです」


<8R>

菅田壱道選手
菅田壱道選手
 赤板の2コーナーで主導権を握った川越勇星に対し、7番手の菅田壱道(写真)は最終1コーナーからスパート。中団から合わせてまくった山賀雅仁を力でねじ伏せて、そのまま力強く押し切った。
 「二次予選Bは初めてで緊張しました。昨日(初日)が消化不良だったので、今日(2日目)は納得したレースをしたかった。自分のタイミングで踏めたのは良かったですね。欲をいえば、山賀さんの横を一瞬で通過したかった。今日(2日目)みたいなレースをすれば、結果は付いてくると思います」
 菅田に先着を許した山賀雅仁だったが、鹿内翔との直線勝負を制して2着でゴールした。
 「あんなにすんなり中団取れるとは思ってなかったですね。展開が向きました。踏み出しはまくり切れるなと思ったんですけど、菅田君に外を行かれて自力の差を感じました。キツめの練習をやってきているし、明日(準決勝)はもうちょっと良くなると思います」


<9R>

 5番手で前と大きく車間を空けた根田空史が、打鐘手前から一気に仕掛けて主導権を握る。南関ラインを追って中団に入った新山響平は、最終2コーナー手前から反撃。岡村潤のけん制を乗り越えて、そのまま後続を振り切った。
 「(初手の)位置取りはどこでも良かったけど、カマしたかったのにカマせなかったです。根田さんのあとにカマす自信がなかったので、はまった形になってしまいました。そこは反省点ですね。脚の状態は悪くないので、あとはもう少し内容をしっかりしていきたいです」
 前受けから踏んで5番手になった地元の吉澤純平(写真)は、最終4コーナーで山崎芳仁と岡村の間のコースを踏んで2着に入った。
 「作戦があまり思い浮かばなかったので、前を取ったら柔軟に行けるかなと思ったんですけどね…。誘導が切れた時に、後ろを見ずに踏み上げるべきでした。スピードもすごい上がっていたし、外を踏んで行くのは厳しかったんで見ながらって感じになりましたね。最後は昨日(初日特選)はコースが空かなかったんですけど、今日(2日目)は空いてくれたのでラッキーでした」


<10R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手
 長島大介が打鐘の3コーナーで鈴木竜士を叩いて先制。鈴木が内で被って隊列が短くなると、後方の郡司浩平(写真)は最終ホームから仕掛ける。バックから番手まくりに出た杉森輝大の上をスピード良く乗り越えて白星を挙げた。
 「余裕はなかったですね。(杉森の)タイヤにハウスして勢いが少し止まってしまったけど、休んでから2コーナーの下りを使って踏めました。踏み出しは良かったけど、バンク的に1コーナーで止まる感覚がありますね。明日(準決勝)はそこを考えて走りたい。体は問題ないです。レースの組み立て、仕掛けるタイミング、バンクコンディションを見極めて走らないといけない。後ろがからんでしまう形になったけど、(ラインの)3人で勝ち上がれたので最低限のことはできたかなと思います。関東と北日本に負けないように(南関の)結束力を示したいですね」
 長島の番手からまくった杉森輝大が2着。地元記念で準決勝にコマを進めた。
 「連日、長島君に先行してもらって勝ち上がれていますね。結構、長島君が踏んでいたので、すかさずは来ないと思っていたんですけど、郡司君の巻き返しが想定より早かったです。(郡司に)合わせて出て、押し切れたら良かったんですけど…。対応が甘かったですね。踏んだ感じとか、レースの感じは悪くないし、日に日に良くなっていると思います。人の後ろで走るのをもっと勉強しないといけないですね」


<11R>

 打鐘でハナに立った佐藤龍二を、2センターで渡邉一成が叩いて主導権。中団が佐藤龍と田中晴基でもつれると、最終2コーナー手前から吉田拓矢が一気にまくる。しかし、2センターで武田豊樹をさばいた佐藤慎太郎(写真)が、直線で鋭く吉田を追い込んで1着で準決勝進出を果たした。
 「3番手に佐藤龍二がいたのがわかったので、吉田を持っていけなかったです。(佐藤龍は)内を踏める選手ですからね。バックで吉田を止めておきたかったんですけど。今日(二次予選)は(渡邉)一成が頑張ってくれたお陰。(状態は)初日よりはマシ」
 まくった地元の吉田拓矢が2着でゴールした。
 「武田さんが付いているし、先行で勝負したかった。(最終2コーナーで)コースが空いたので、あそこは行かないとと思って行きました。(佐藤)慎太郎さんに差されているし、内容が良くないですね。脚の状態は良いけど、組み立てが良くない。準決は持ち味を出して頑張りたいです」


<12R>

 庄子信弘が赤板の2コーナーで堀内俊介を押さえたところを、森田優弥が打鐘で一気に叩いて先制。2センターからすかさず堀内が巻き返すが、平原康多(写真)が森田と車間を空けてけん制する。合わされた堀内は力尽きて後退し、最後は森田をかばいながら踏み込んだ平原がきっちり抜け出した。
 「(森田が)力勝負をしてくれました。最後まで踏めていたので、すごい強かったと思います。(森田を)なんとかしたいっていう気持ちがあったし、自分の気持ちにも余裕はありました。(番手戦の時でも)立場的に自力で行かないといけない時もあるんで難しいですけど、今回は(森田が3着に粘って)最低限のことはできました」
 内藤秀久は目標の堀内が不発と見るや、最終2センターから踏み出して2着に突っ込んだ。
 「(初手で)一番後ろからになってしまったんで、その辺は僕も(堀内)俊介も甘かったですね。俊介は詰まったらゴーっていうのが持ち味なんでね…。でも、(相手が)平原じゃなかったら行けてたと思います。その後は俊介があそこまで行ってくれたんで、自分も前々の位置から踏んで行けました。俊介は自分の前の時に結果を出せてないんで、決めたかったんですけどね」