やまない雨はない…競輪熱を冷まさないように頑張る

普段なら、このコラムの書き出しは「競輪、楽しんでいますか?」なのだが、現状ではそう書きづらい。新型コロナの影響で、楽しめていないファンの方が多いのだから…。

開催中止が相次ぎ、選手も予定していたレースを走れないケースが多くなっている。当然、入ってくるものも激減しており、今は、かつてないといっていいほど厳しい状況だ。

それでも選手は負けない。

厳しい状況下でも前向きに練習に励む「真勇会」のメンバー。前列左から中曽直彦、宮倉勇、内藤宣彦(秋田)、後列左から森田達也(福島)、花田将司、119期の秋山君、大関祐也、宮倉の弟子の宝田君、小埜正義
厳しい状況下でも前向きに練習に励む「真勇会」のメンバー。前列左から中曽直彦、宮倉勇、内藤宣彦(秋田)、後列左から森田達也(福島)、花田将司、119期の秋山君、大関祐也、宮倉の弟子の宝田君、小埜正義

つい最近、千葉のファイター宮倉勇(55)を中心とした練習グループ「真勇会」メンバーの写真が送られてきた。晴天の下、皆いい顔をしている。特に宮倉は4月に出走予定だった3開催のすべてが中止になるという不運に見舞われているが、それでもこの笑顔。「今は練習しかしていません」(宮倉)と、前だけを見つめ、日々、体と心を鍛え抜いている。逆境になればなるほど闘志を燃やす。さすが男・宮倉だ。

負けても言い訳はしない、人のせいにはしない。大ベテランの域に入った今もS級復帰を目指して努力を惜しまない。小埜や内藤によると「練習では負けることの方が多い」とのこと。宮倉と同世代の当方にとって、強い絆で結ばれたこの練習グループの「昭和感」は何とも心地いい。

もちろん、全国各地でも選手は同じように地道な練習、努力に明け暮れていることだろう。

やまない雨はない。

コロナが終息し、ファンも選手も再び笑顔で競輪場に足を運べる日まで、我々もできる限りの話題を提供し、競輪熱を冷まさない努力をしていきたい。写真を見て、強くそう思った。【栗田文人