【ROOKIES】在校ナンバーワンの山口伊吹が3連勝で初優勝





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 年末のガールズグランプリの出場権をかけて、小倉で行われるトライアル。今年は選考期間に2度の優勝を飾った吉岡詩織が出場している。トップ選手が不在のなかで同期のビッグレース参戦に刺激を受けて、ガールズのルーキーたちがシリーズを盛り上げた。vol.41の前号でも取りあげた山口伊吹(写真)が、吉岡、久米詩、藤田まりあに次ぐ、116期としては4人目の優勝を遂げた。在校ナンバーワンとしてプレッシャーとも戦いながらデビューから優出が途切れることがなかったが、11月8日からの別府FIIガールズ6レース制で決勝進出を逃していた。それだけに少なからず期するものもあったはずで、次の防府FIIシリーズを3連勝。初日の予選1の逃げ切りで弾みをつけて、完全優勝の実を結んだ。決勝では7番車の大外枠も影響して、最終ホームでは5番手と楽な流れではなかったがまくりを断行。二桁のV実績がある篠崎新純を乗り越えて先頭でゴールを駆け抜けた。デビューから4カ月での初優勝。あくまでも通過点だが、忘れることはないだろう。


 

 山口のように優勝とまではいかなかった鈴木樹里(写真)だが、11月の和歌山FIIシリーズを114着。予選の1、2を連勝で勝ち上がり、卒記クイーンとしての存在感をアピールした。7月の高知FIIから遠ざかっていた通算3勝目となる勝ち星を挙げた初日は先行策。打鐘の4コーナーで先頭に立つと、後続の併走をしり目に落ち着いてマイペースに持ち込んだ。2番手で踏み勝った奈良岡彩子らをギリギリまで引きつけて、最終2コーナーからペースアップ。ゴールでは増茂るるこのまくりを半車輪退けての1着。勝ち上がりで初めての逃げ切りは、大きな自信になったことだろう。2日目は主導権争いを見極めて、鮮やかなまくりを披露。競輪祭のガールズグランプリトライアル出場のため、トップクラスが不在だった点を考慮しても鈴木の走りは光っていた。次回、11月22日からの取手FIIも競輪祭組の出場がないだけに、初優勝のシーンが見られるかもしれない。


 

 2度目の特班に臨んでいた朝倉智仁(写真)が、11月13日からの玉野FIIで3連勝。青森FII、大宮FIIに続く3場所連続の完全優勝でA級2班への特班を決めた。在校55位。競走訓練では先行、まくりでそれぞれ1勝とトータルで2勝に終わったが、高校総体の1キロメートルTTで3位に入っているように高いポテンシャルを秘めていた。8連勝で特班にリーチをかけた9月の平塚FIIでは同期の後藤悠とのまくり合戦に敗れ、後藤に9連勝を許した。結果的にチャレンジを卒業するまでに10場所を要した朝倉だが、予選、準決はすべて負けなし。決勝でもすべて3着以内で通算26勝をマークした。12月には佐世保でのレインボーカップチャレンジファイナルの出場も決まっていたが、その前にA級1、2班戦のステージに舞台を移した。特班を決めた玉野の決勝でも逃げ切っているように、ケレン味のない仕掛けで連対の7割が先行を誇っている。積極的なスタイルはクラスが上がっても変わることはないだろう。