【ROOKIES】6連勝で高松を迎える伊藤颯馬



■Pickup Rookie

 デビュー場所となった武雄FIIでは、勝ち星こそ挙げられなかったが3日間最終バックを奪取する積極策でアピールした。
 「デビュー戦は優勝を狙っていたけど、思うようにいかなかったです。緊張していたんだと。決勝も焦って仕掛けてしまいました」
 伊藤颯馬(写真)にとっては、緊張のデビューシリーズだった。しかしながら、次の小倉FIIではミッドナイトにも大きな戸惑いを見せず初日予選を逃げ切りで初勝利を収めた。初日に弾みをつけると、勢いは加速して完全Vで初優勝を飾った。115回生では1000メートルでただひとり1分6秒台を叩き出して同期トップ。在校は21位もポテンシャルは在校上位とそん色はない。初Vの小倉に続く広島FIIでも3連勝の完全優勝。初日予選、準決を逃げ切り、決勝は追い込みで冷静に抜け出した。特班をかける8月28日からの高松FIIでは、城戸俊潔、下野義城、天野純平、緒方慎太朗の同期4人も参戦予定。V争いを制して、3場所連続の完全優勝でチャレンジを卒業できるのか。まずは初日予選に注目したい。


 

 学校での競走訓練では主導権を取りにいく積極的なスタイルで奮闘したが、在校は69位に甘んじた。しかしながら、兄デシに太田竜馬(109期)がいる練習環境は悪いはずもなく、デビュー後は順調に勝ち星を積み重ねている。
 最終バックをすべて取り切った名古屋FIIのデビュー場所は、初日予選で6着に沈んだものの、2日目、最終日をともに2着。続く高知では初日、2日目を積極策で連勝。決勝は外田心斗のカマシには屈したが、蒋野翔太(写真)ケレン味なく踏み込んで準V。初優勝にめどをつけた。
 その後は8月に入り、玉野FII、福井FIIで決勝進出を逃し、迎えた小松島FIIの地元シリーズを421着。逃げた初日は薄氷を踏む思いでの勝ち上がりも、決勝はまくり追い込みで優勝。展開を味方につけて、同期の田上晃也、古賀勝大、今野有樹の在校上位組を破った。次回は8月31日からの平FII。次も蒋野があっと言わせるシーンをメイクする。


 

 適性での入校ながらも、先行の2勝を含めて競走訓練では14勝をマークした。卒業後は、支部長の戸邉裕将の下でトレーニングに励んだ。バスケットボールで培った高い身体能力は、これからの伸びしろも大きい。
 デビュー3場所を終えて、初勝利にはつながっていないものの見せ場をつくっている。7月の宇都宮FIでは643着。最終日はカマシで思い切った仕掛けを披露した。直線で失速の3着だが、デビュー場所としては内容の濃い走りだった。その後、静岡FIIの456着を経て、高松FIを672着。初日、2日目の予選を大敗したが、最終日は2着で初連対を果たした。同期の高木佑真のまくりを追走して直線勝負で半車身まで迫ったところがゴール。課題も多いが初勝利にまた一歩近づいたといっていいだろう。