勝谷勝治が地元で初優勝

 

■Pickup Rookie
 競輪学校では生徒会長を務めていた勝谷勝治(写真)が待望の初優勝を決めた。就職して一度は離れたものの、大学時代には自転車競技で活躍した実績があり、持久力は115期生屈指。在校成績こそ62位と低迷したものの、能力評価ではAを獲得した実績もある。デビュー後はほとんど3着以内を外さない安定感を見せる一方、準決を突破できないもどかしい開催が続いていた。しかし、8月地元の松阪で初めて決勝に乗ると、勢いを駆って、在校成績トップテンに入っていた佐々木悠葵、村上竜馬の2人を破って優勝する下剋上を果たしてみせた。
 「思うような成績が出ていなくて、同期に置いていかれている感じがあったので、地元で優勝できて良かったです。身体が小さいので、後ろからドンとカマすようなレースが向いているのかなと思います。優勝できたけど、反省点は多い。すっきり勝てるように積極的に走って力を出し切るだけです」
 きっかけをつかんでさらに上昇機運に乗る。


 佐々木悠葵(写真)は、115期の適性ナンバーワン。大学までバスケットボールに打ち込んできて身体能力の高さは折り紙付きだ。4場所走った時点で意外にも優勝はないが、180cmの雄大な体格と合わせて将来が嘱望される。
 「ダッシュには自信があるし、前受けから引いてのカマシが得意です。練習はドームで歳が近い(小林)泰正さんや木暮(安由)さん、恩田(淳平)さんらのグループでやらせてもらっています。卒業後はもっとスピードを付けたいと思い、強化するために自転車に乗るだけでなく、ウエイトトレーニングもしています」
 練習環境はバッチリ。適性出身だけに、レースに関しては「色々学ぶことが多いです」と振り返るが、8月松阪は連勝で優参を果たすなど徐々に実戦にも慣れてきた。持ち前の切れ味を生かしたスケールの大きい走りには期待が持てる。



■Pickup Race
 116期ナンバーワンらしさが出てきた山口伊吹(写真)が初優勝に挑む。前走の9月高知FIIは準V。梅川風子の後位を初手から確保して流れ込んだもので、ガールズトップとはまだ力の差も感じるが、自力基本の自在な立ち回りが形になってきている。強烈ダッシュで繰り出す自力攻撃が売りの高木真備、タテ脚に威力を増して8月向日町FIでは山口に完勝している中川諒子、先行意欲が高い太田美穂、石井貴子(東京)とライバルはそろっているが、全く歯が立たない相手ではない。“ダッシュが課題”で勝負所で立ち遅れると厳しくなるが、長所である持久力を生かしてのロングスパートを決めての一発に期待したい。
 もう一人の116期生の三森彩桜も9月立川の最終日一般戦で3着の内容は上々。自力で前々に攻める姿勢が実を結べば初勝利も夢ではない。


情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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