【ROOKIES】朝倉智仁が特班後、いきなり完全優勝

■Pickup Rookie

 9月の平塚FIIでは同期の後藤悠との特班対決に破れた朝倉智仁(写真)だったが、次の青森FIIから腐ることなく気持ちをリセット。1走も無駄にすることなく青森、大宮FII、玉野FIIを3場所連続の完全Vでチャレンジを卒業した。A級1、2班戦の初舞台となったのは、ホームバンクの取手。チャレンジでは地元の経験がなかった朝倉にとっては、“凱旋シリーズ”でさらに気持ちが入っていたことだろう。
 「(特班ができて)ホッとしましたね。1度8連勝で失敗しているし、その時はかなり落ち込んだ。9車立ては初めてだから正直言って不安はある。でも、走り慣れた地元っていうのが本当に救いです。デビュー戦だと思って走ります」
 あいにくの雨となった初日予選は、前受けからの突っ張りから重いバンクを2周先行で押し切った。しかしながら、2日目はカマシで後続を大きくちぎって連勝も、ラインで決めた初日と違い反省の準決だった。
 「初日は突っ張ったけど、相手の脚力も考えて準決は引こうと思っていました。1着だったけど反省しかないです…」
 準決を糧にした決勝は包まれることなく、俊敏でクレバーな立ち回りから赤板2コーナーで主導権。マークした山信田学とのゴール勝負を制して、3日間連続の逃げ切りで優勝を飾った。スケールの大きさを感じさせる走りだっただけに、次回の前橋FII(11月30日から)の短走路が苦になることはない。


 

 デビュー場所の松戸では同県、同期の朝倉智仁の逃げを追い込んで、初優勝を飾った小畑勝広(写真)。その後は3場所連続完全Vでの特班にこそ手が届かないが、順調に優勝を重ねて直近の地元、取手FIIで4度目の優勝を3連勝で遂げた。
 「急な追加だったので受けるか迷ったんですけど、地元だったしレインボーカップの前に走っておきたかった。今はもうレインボーカップに向けてっていう気持ちしかないです。今回は前検日の前日まで取手で1泊2日の合宿をしていました」
 朝倉の特班で追加配分となった地元シリーズ。正規での配分と違い、ルーキーにとっては調整が簡単ではなかったことは想像に難くない。その経験はこれから生きてくるだろう。次回、佐世保でのレインボーカップチャレンジファイナル(12月8日)は、9人全員が115期のルーキー。一発勝負に加えて初の9車立て。初物ずくめだが、条件はほかの8人も一緒。まずは3着以内でA級2班への特進を目論む。


 

 競輪祭シリーズに行われたガールズグランプリトライアルでは、ルーキーでただひとり出場した吉岡詩織が勝負駆けとなった2日目で逃げ切って決勝に進出。さらに競輪祭組不在とはいえ、山口伊吹、鈴木樹里の在校ナンバーワンと卒記クイーンが初優勝。116期の存在がクローズアップされるなかで、久米詩(写真)は10月の大宮FII以来、通算2度目の優勝を11月25日からの松戸FIで遂げた。逃げの決まり手が55パーセントと先行に特化することなく、メンバーと流れに応じた立ち回りができるのが久米のセールスポイントでもある。しかしながら、今シリーズは終わってみればすべて逃げ切りでの3連勝で完全V。決勝では戦歴上位の野口のぞみもいたが、スタートを制してそのまま先行策から堂々の押し切り。このメンバーでは機動力が一枚上だったということだろう。