【ROOKIES】村田奈穂がまくりで価値ある優勝

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 吉岡詩織がいきなり優勝を飾った以外、デビュー当初は苦戦が続いていた116期だった。が、ようやくリズムをつかんできたのか、優勝経験者が5人も数え、12月4日からの小倉FIIミッドナイトで村田奈穂(写真)が6人目の優勝を遂げた。
 「展開を見て、まくっていこうと思って構えてました。あとは(最終)4コーナーまで我慢できたので、最後はガムシャラに踏みました」
 決勝、人気はガールズグランプリを2度制した梶田舞に集まっていた。南円佳が大ガマシで後続をちぎって逃げるが、2番手に飛び付いた梶田に余裕があり盤石の態勢。6番手に置かれた村田は、最終2コーナーからまくって前団に迫る。追い込む梶田をきっちりとらえたところがゴールだった。
 「まさか優勝できるとは思ってなかったです。すごいうれしいです」
 まだ先行での決まり手がない村田だが、自力でのV奪取は大きな自信になったことだろう。続く和歌山FIIでも勝ち星を挙げ、次回は12月19日からの取手FIIだ。


 


 デビュー2場所目の西武園FII決勝での3着がもっとも大きい着順で、朝倉智仁(写真)がチャレンジでは確定板を外すことはなかった。
それでも一度は同期の後藤悠に特班対決で敗れ、11月玉野FIIで3場所連続の完全Vでチャレンジを卒業するまでに10場所を要した。A級1、2班戦の初陣は地元の取手FII。走りなれたホームバンクで逃げ切りの3連勝を果たして勢いを加速させると、続く前橋FIIでも完全V。A級1、2班戦を負けなしの6連勝で早くもS級特進へリーチをかけた。迎えた西武園FIIシリーズ。初日予選、準決は先行策で2着以下を大きく引き離し、危なげなくゴール線を駆け抜けた。プレッシャーのかかる決勝も臆することなく、打鐘の3コーナー過ぎから踏み込んでグングンと加速。後続をちぎってひとり旅を演じた。スケールの大きな走りで115期としては、3人目となるS級レーサーが誕生した。



 


 115期トップでS級に駆け上がった高橋晋也(写真)は、ナショナルチームに籍を置き日々のトレーニングは拠点とする伊豆で積んでいる。S級2場所目は、凱旋シリーズとなった地元平FIを227着。準決で師匠の飯野祐太とワンツーを決めると、決勝は先行策で飯野の優勝に貢献した。
 「飯野さんにはすごくお世話になっているので、ワンツーができたのはうれしかった。A級では早くS級に上がりたいと思って勝てるように小さい競走をしてしまっていた。でも、(S級の)これからは先行をしていきたい。まくりの方が得意ですけどね」と、次の京王閣FIでの前検日に振り返っていた。その言葉通り、京王閣では3日間すべて積極策を貫いた。
 「ずっと練習と競走が続いているけど、その生活にも慣れてきているしコンディション的にも問題ない」
 決勝は岩本俊介を相手にダッシュ勝負のカマシ先行。合わせて踏み込む岩本を制して、堂々の逃げ切りで初優勝を飾った。競走と練習のリズムもできてきたようで上昇の一途だろう。