【ROOKIES】S級になって地元に帰ってきた高橋晋也

■Pickup Rookie

 ナショナルチームとして伊豆に拠点を移して、タイトルホルダーらとトレーニングに励んでいる高橋晋也(写真)にとって地元、平の開催はまた特別な思いだろう。デビュー場所となった7月の平FIIの113着以来、今度はS級のレーサーパンツを身に着けてFIシリーズの舞台に立った。
 初日予選では、後ろが3車併走になるシーンもあった。そのまま平の風を切ったが森川大輔のまくりに2着。内容のあるレースで順当に勝ち上がり、準決は師匠の飯野祐太とタッグを組んだ。押さえ先行だった初日とは違い、持ち前のダッシュを生かした準決は師匠とのゴール勝負に持ち込んだ。飯野に交わされたものの、そろって決勝にコマを進めた。5車のロングラインが形成された決勝では、前受けからの突っ張りで番手の飯野が優勝してラインで上位を独占。3日間すべて先行策を貫いた高橋が、地元を沸かせた。次回、12月10日からの京王閣FIでは、どんな走りを見せてくれるのか。そして坂井洋に次ぐS級Vは。今から楽しみだ。


 

 デビューから9場所を要した11月松山FIIでの初優勝は、単騎で逃げた同期の今野有樹を追い込んでのもの。
 「(松山の)初優勝はうれしかったけど、自力じゃなかったので。父(山口幸二氏・62期引退)には、おめでとう、次は自力で優勝だなって言われました。自分が選手になってみると、(父は)やっぱりすごかったんだなってあらためて思いますね。自分は押さえ先行ができなくて、カマシとか、まくりばっかになってしまっている。だけど、最低でも1周は駆けて勝つレースをしたい」
 2度のグランプリ制覇をはじめ、数々の名勝負を演じた偉大な選手を父にもつ山口聖矢(写真)は、そのプレッシャーと戦いながらも順調に一歩、また一歩と前進している。初V後の立川FIIの124着を挟んで富山FIIを3連勝の完全優勝。決勝はレースセンスを感じさせる俊敏な立ち回りから、まくりで前団を仕留めた。父の望む自力でV奪取は、さぞかし自信になったことだろう。


 

 直近の平FIシリーズでは、7月の末から遠ざかっていた勝ち星こそならなかった高尾貴美歌(写真)だが、デビュー2度目の優出を果たし443着とまとめた。もっと脚力のアップが必要だが、それでも初日の予選1では最終バックからまくりを敢行。前団をのみ込むことはできずも、粘り強いあきらめない走りで4着に踏ん張った。カマした鈴木美教を追い切れなかった2日目も、外に浮かされながらもしぶとく踏んで優出につなげた。決勝ではV奪取した鈴木を終始、追うような形になっての3着。太田美穂に飛び付かれて決して楽な展開ではなかったなかで、3日間連続で見せ場をつくった。まだまだ課題が多いのが現状も、レースの流れに乗る感性は天賦の才。脚力がともなってくれば、自然と競走得点も上がってくるのは間違いない。