『伊東競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 2日目編

伊東温泉競輪開設69周年記念「椿賞争奪戦」は22日が2日目。二次予選A、B合わせて7個レースで
準決勝進出が争われた。初日とは打って変わって、気温も下がり、雨も降る、
あいにくのコンディションとなったが、バンク内では熱戦が展開。二次予選Aでは
地元の渡邉雄太に黒沢征治、三谷竜生が1着で準決勝進出を決めた。3日目は準決勝。
いよいよシリーズのベストナインが決まる。


 3日目は後閑信一氏のトークショー(5R発売中)や午前中は後閑信一氏、午後は伊藤勝也氏、柳家太夫さんの予想会が行われます。市内ペア宿泊券や開設記念競輪オリジナルグッズが当たる未確定車券抽選会や先着入場1008名様に2車単車券プレゼントなども引き続き予定しています。3日目もぜひ伊東温泉競輪場へご来場ください。

<6R>

堀内俊介選手
堀内俊介選手
 中団から先に切った新山将史を格清洋介が叩いて赤板ホームから主導権。新山は伊藤亮を飛ばして3番手を確保する。最終ホームからまくった坂本健太郎は2コーナーで前団を飲み込んだが、格清マークの堀内俊介(写真)が坂本後位に飛び付くと、島田竜二を飛ばしてゴール前で逆転した。
 「格清があれだけ行ってくれたんで、僕がもうちょいうまくやれれば良かったけど。3番手に新山がいたので持っていきづらくて、坂本さんに乗り越えられたんで。そこからは気持ちで。(島田に)当たられたときはめちゃくちゃ重くて、やっちゃったと思った。格清のおかげですね。明日(準決勝)はその分も」
 堀内に差された坂本健太郎だったが、まくったスピードはさすがだった。
 「新山も位置を取りにいったし、みんなやることをやったかなって感じ。4番(伊藤)が外で我慢してくれれば、そこを目標にできたけどね。昨日(初日)、山田(諒)の先行をいいところまでまくれてるんで、少しでも堀内がちゅうちょしたらまくれるかなと思ってた。(差し返した堀内は)強いっすよ。俺がゴール前、持たなかったとはいえ大したもんですね」

<7R>

簗田一輝選手
簗田一輝選手
 前受けから主導権を握った根本哲吏を赤板ホームから菊池竣太朗が叩きに行くが、竹内智彦のけん制で不発に。4番手で立て直した簗田一輝(写真)は1センターからまくるとイエローライン付近まで追いかけてくる竹内を力強く乗り越えた。
 「峻太朗は出切れなかったけど、行ってくれたし、気持ちがうれしかった。これから何度も連係することになると思うので。勝ち上がりが2着だったので、厳しめになったけど切り替えた。昨日(初日)は直前までの練習の疲労と、緊張があったけど、もう大丈夫」
 簗田を止められなかった竹内智彦だったが、そのまま簗田を追いかけると簗田後位に切り替えていた大瀬戸潤一郎を2センターでさばいて2着に食い込んだ。
 「今日(2日目)は全部止めるつもりでしたよ。根本が頑張ってくれましたからね。前回(12月佐世保記念)は自転車を試したけど、ダメだった。今回から戻してそれが良かったですね。やっぱり僕はタテよりヨコの選手です」

<8R>

岩本俊介選手
岩本俊介選手
 野田源一が切ったうえを小酒大勇が叩いて赤板ホームから先行態勢に入るが、初日の凡走を反省する岩本俊介(写真)は打鐘前からすかさず叩きにいく。岩本は最終ホームで小酒をとらえると、池田憲昭の追撃も8分の1輪しのいで押し切った。
 「初日に(渡邉)晴智さんと、中井(達郎)さんを飛ばしてしまったのは戻ってこない。大切な2人を飛ばしてしまった責任は感じている。それでも応援してくれているファンがいるし、オッズも(人気が)出ていた。その分も期待に応えたいと。今日(2日目)は無理矢理にでも力勝負をしようと思っていました」
 番手絶好の池田憲昭だったが逆転はならず。
 「これは高松記念かって思うぐらいの番組でしたよ(笑)。岩本のレースは普段見ているので、どこから仕掛けるのかなっていうのはなんとなく分かっていました。(自分の状態は)ここ2、3カ月のなかでは一番いい。やっと体の感覚も合ってきた」

<9R>

相川永伍選手
相川永伍選手
 先に青板2センターで切って、赤板ホームで大石剣士を受けた野原雅也だが、1センターで木暮安由に内をすくわれてしまう。それでも野原が4番手外併走から仕掛けると、内に切り込んだ木暮マークから近畿ラインに乗り換えた相川永伍(写真)がバックまくりで後続を千切った。
 「木暮に悪いことをした。内に入ってくように見えたから、ゴメンと思って…。あんな前々踏んでくれたし、木暮すげえなと思った。こんなレース、俺にはできないよって。まずは付いてくことを考えてたけど、最後は悪いことをしました。ラインだから付いてかないといけないけど、バック踏めなくて。今回はA級でやってきたのでどこまで走れるかがテーマだった。準決勝もやれることをやっていきたい」
 野原マークの村上義弘が2着で準決勝進出を決めた。
 「木暮の動きに雅也も翻ろうされたと思う。雅也が頑張ってくれました。(状態は)日に日に良くなってくると思います」

<10R>

渡邉雄太選手
渡邉雄太選手
 後ろ攻めから上昇した岸澤賢太に対して山田諒は誘導員を残して車を下げるが、3番手に入った渡邉雄太(写真)が車間を切ってけん制したため後ろは動けない。腹をくくった岸澤が赤板前から誘導員を下ろして主導権を握るが、山田の巻き返しをけん制しながら2コーナーから仕掛けた渡邉が豪快に前団を飲み込んだ。
 「誘導が早く感じてメチャメチャきつかった。位置も良かった。あの位置で動きがあったら別だけど、何もせずに3番手でしたからね。まさかのあの位置ですよ。あとは自分のタイミングで出て行こうと。脚は問題ない」
 中村浩士が渡邉をぴたりと追走してワンツーを決めた。
 「雨と風がすごくて。みんなが全然かかっていない。岸澤君が行ったときに(渡邉)雄太のポジションを作って、そこからのレース。雄太は底力があるから、あそこから行ける。バンク状況を確認しながらでしたね。人気に応えられて良かった」

<11R>

黒沢征治選手
黒沢征治選手
 青板の3コーナーから桐山敬太郎に菅田壱道、柴崎淳でイン切り合戦に。赤板の1コーナーで桐山が切ったところを、打鐘から黒沢征治(写真)が叩くと、3番手以降は大きく車間が空いてしまう。バック5番手から仕掛けた柴崎のまくりも届かず。黒沢が力強く押し切った。
 「武田さんの作戦どおり。出ちゃえばあとは武田さんがやってくれるって思っていました。出切ってからは脚を回すことだけ意識して、必死でした。ワンツーだったので良かったです。前回(9月共同通信社杯の2日目)連係したときは差されているけど、今回は押し切れたので自信になりました。風も強くて重たく感じたけど、向かい風のなかでうまく走ることを意識して走れました」
 ゴール前詰め寄った武田豊樹だったが、逆転はならず。
 「バンクが重たいですね、誘導も早いし、向かい風でしたし。(連係するのが)ああいう選手だと気合いも入りますね。この年齢で3カ月以上走っていないので感覚は鈍いけど、そうも言っていられない。あとは目標がいなかったときに対応できる脚力を付けたいです」

<12R>

三谷竜生選手
三谷竜生選手
 青板3コーナーで前に出ようとした山岸佳太を前受けの松坂洋平が突っ張って踏み合いになると、そこを中井俊亮が一気に叩いて赤板の1センターから主導権を握る。松坂は松川高大の巻き返しもブロック。立て直した山岸が1コーナーからまくりに行き、合わせて松坂も持ち出すと、バックから三谷竜生(写真)が番手まくりに出て中井の頑張りに応えた。
 「天候も悪くてどうなるかと思ったけど、中井君がしっかり先行してくれた。後ろも来てたし、そのまま行かれるよりは。中井君もしんどそうで退避気味だったので、全員行かれるよりはと思って(番手から出た)。初日はちょっと脚の感覚が良くなかったけど、今日(2日目)は中井君の後ろだけど初日よりはいい感じだったなと思う」
 三谷の加速に徐々に口が空いてしまった鷲田佳史だったが、何とか2着に踏みとどまった。
 「2コーナーで踏み出したときに(三谷が)1回待った。そこからバックで行ったので。ピッチが違いますね。でも、こういうレースを重ねないと、練習では付かない脚がある。これが追い込みの練習なんで。この制度になって記念の準決勝は初めてです」