『伊東競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 3日目編

伊東温泉競輪開設69周年記念「椿賞争奪戦」は後半戦に突入。3日目は準決勝3個レースで決勝進出をかけた最後のサバイバルレースが繰り広げられた。準決勝は原田研太朗、村上義弘に三谷竜生が快勝。地元勢からは渡邉雄太がただ一人決勝に勝ち上がり、最終日の決勝戦で大会連覇を狙う。なお最終日6RにはS級ブロックセブンも開催される。こちらは前回、12月武雄で優勝と復調著しい山中秀将が人気を集めそうだ。
 最終日の24日はクリスマスイブ。場内の西口・東口案内所に設置の応募箱やLINEの伊東温泉けいりん公式アカウント(LINEの募集期間は23日の23時59分まで)から応募された方から抽選で1名様に軽自動車をプレゼント。トークショーは緒方浩一氏、山口幸二氏、予想会は午前が緒方浩一氏、午後は伊藤勝也氏、柳家太夫さんをゲストに行われます。今年最後の記念決勝をぜひ本場でお楽しみください。

<10R>

原田研太朗選手
原田研太朗選手

伊藤裕貴選手
伊藤裕貴選手
 青板の2センターで伊藤裕貴が切ったところをすかさず堀内俊介が叩いて主導権を握る。打鐘前2コーナーから黒沢征治も仕掛けたが、伊藤のけん制を受けて失速。松坂洋平が波を作りながら2コーナーから番手まくりに出たが、関東コンビの仕掛けを追うように1センターから仕掛けていた原田研太朗(写真)がその上を豪快に飲み込んだ。
 「黒沢君が行くと思っていたけど、違いましたね。武田さんに締め込まれながらだったけど、踏んで付いていけば乗り越えられると。そしたら松坂さんが番手まくりをしたので、ギアを上げていけました。初日が良かったのでいい感じで踏めている。今年のラストなので悔いなく走りたい。(伊東記念は)決勝には乗れているけど、勝てていない。池田さんを連れて行けたのは大きい。1車と2車では全然違うので」
 池田憲昭が原田にぴったりと続いて四国ワンツーを決めた。
 「バックで隊列が短くなったけど、それがなくても(原田は)行けたでしょうね。連日、前のおかげですよ。千切れていないので状態はいいんじゃないですか」
 3着は番手まくりの松坂と4コーナーから松坂の内を突いた伊藤裕貴(写真)で同着に。二次予選の着で上回った伊藤がうれしい記念初優出を決めた。
 「松坂さんが出ていくと思ったので、待って、待ってと思って内しかないと思って踏んだ。3コーナーで行くべきだったが余裕はなかった。自分で動かしてのレースだったのは良かったです。記念の決勝は初めて」


<11R>

村上義弘選手
村上義弘選手

中村浩士選手
中村浩士選手
 赤板前から柴崎淳が切ると、そこを岩本俊介が打鐘前2コーナーから叩いて主導権を握る。その動きに乗った野原雅也は打鐘過ぎ4コーナーから仕掛けるが中村浩士のけん制で不発に。これで中村が絶好かと思われたが、4番手外併走からバックで自力に転じた村上義弘(写真)が意地で前団を飲み込んだ。
 「連日、野原のおかげ。苦しかったけど、乗り越えられた。野原は結構いいダッシュでしたね。東(龍之介)と接触したので、それを避けてからの踏み出しで苦しかった。最後は無我夢中でした」
 岩本の番手を回った中村浩士(写真)は惜しくも2着に。
 「何とか残そうと思ったけど残せなかった。自分がからまれて(青板4コーナーで)連結を外したけど、意地で付け直して気持ち一本で走りました。今日(3日目)は岩本とお互いに努力の結晶を出し切ろうと話していた。自分の状態は悪くないです。尻上がりに良くなるように伊東に入ってきましたから」
 前を任せた柴崎淳がバックから内に切り込むと、まくった村上を目がけて2センターから外に持ち出した吉村和之が3着で決勝進出を決めた。
 「僕が(柴崎に)どこまで付いて行けるか。自分との戦いだった。あっちゃん(柴崎)が内に行ったから、付いて行ってもアレ(詰まる)だし、村上さんに切り替えた。ダメ元で自分なりに踏みました」


<12R>

三谷竜生選手
三谷竜生選手

渡邉雄太選手
渡邉雄太選手
 青板3コーナーで先頭に立った渡邉雄太を赤板ホームで三谷竜生(写真)が叩くと、そこから一気にスローペースに落とす。渡邉はなかなか3番手に下げ切れず、後方からのカマシもないと見るや三谷は打鐘過ぎ4コーナーからペースアップ。渡邉は2センターから持ち出すが2着まで。逃げた三谷が力強く押し切った。
 「とりあえず1回前に出てからと考えてた。渡邉君が引けてなかったので、そこを確認してペースを落として。出られても2車だし、来なければ駆けるし、その辺はしっかりやれました。バンクコンディションは少し重かったけど、しっかり走れたと思う。(決勝戦は)S班最後のレース。いい形で締められたら」
 2着に入った渡邉雄太(写真)だが、自分だけ届く形になってしまい表情は硬い。
 「(三谷の)あの動きは想定してなかった。赤板でけっこう踏んでるとこで来たのでラッキーと思ったけど、すごいテク(ニック)でした。(簗田一輝と)2人で決まれば良かったけど、タイミングもなくて何もできなかった。申し訳なかったです」
 三谷マークの渡辺十夢が3着で決勝戦最後の切符をゲットした。
 「持ち味のハコ3(着)でしたね(苦笑)。叩いてからレースを組み立てる竜生は強いし、うまい。自分は内を締めっきりでした。ラスト1周はスプリント勝負だったので、あそこまで迫る雄太は強いですね」

<最終日・6R S級ブロックセブン>

山中秀将選手
山中秀将選手
 最終日6Rに行われるS級ブロックセブンは山中秀将(写真)が圧倒的な人気を集める。前回、12月武雄で優勝するなど復調一途なうえに、後ろは競り、さらに別線は全員が単騎と勝てる条件はそろっている。
 「前回は良かったです。2年ぐらい優勝してなかったから。初日に早めから仕掛けた結果が最終日につながったと思うし、リズムが好転してきた。体の状態も良くなってきてますね。みんな一人で後ろは競りみたいだし、変則的で想定してたのと違うけど、しっかり頑張りたい」
 瓜生崇智に競られることになった岡田征陽だが、しっかりと番手を死守して山中に続きたい。
 「少しずつ頑張ってますね。(来期からのA級落ちは)しょうがない。それも競輪人生なんで。(最近の好成績は)怪我がないのが一番かな。落車すると積み上げたものが全部崩れるから。鎖骨に入れてた針金をこないだ(前回、12月松戸のあとに)抜いた。最近寒くなってダッシュでピキピキいってたけど、それがなくなったので。競りはしょうがない。早めに決着つけて、抜く抜かないの勝負ができるようにしたい」
 森川大輔はS級点確保へ勝負駆け。ボーダーが96.5点付近と言われているだけに、この1走であと0.3点は上げておきたい。
 「腰を痛めて良くなかったけど、練習の感じは良くなってきてるので、前と比べたらいいと思う。自分でやります。悩んだし、(同期の西本直大に)付いても良かったけど、自分でやろうかなと。点数を上げられるように頑張ります」