静岡と自転車、歴史紹介 まちづくりへの活用を期待

1/14(火) 8:57配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 地域の自転車の歴史や文化を考える会議「日本自転車史コンファレンス」が11日、静岡市役所で開かれた。茶業との関わりなど同市独自の自転車の歴史について関係者が講演し、まちづくりに向けて意見交換した。

 自転車文化の発信などを続ける「しずおかモビリティ・研究会」の村井裕代表は、市内ではかつて、新茶の時期に生産者からの見本を競って問屋に届ける仲介者「才取り」による自転車レースが風物詩だった歴史を紹介。才取りから生まれた競輪選手の存在も語った。

 トークセッションでは、美濃部雄人副市長が「ハード、ソフト、マインド(精神)の側面から自転車のまちづくりを進めている」と説明。自転車文化センター(東京都)の学芸員谷田貝一男さんは「静岡市の自転車の走行環境はまだまだ。歴史啓発を安全な利用につなげてほしい」と期待した。

 会議はシマノ・サイクル開発センター自転車博物館(大阪府)が2017年から開催し、大阪、東京に続き本県では初開催。徳川慶喜と自転車をテーマにした史実調査など、市が官民で取り組む文化研究が注目されて実現した。

静岡新聞社