『いわき平競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 最終日編

いわき平競輪開設69周年記念「いわき金杯争奪戦」が1月23~26日の日程で開催された。

勝戦に5名が勝ち上がった北日本勢は高橋晋也を先頭に結束。

前受けから高橋が主導権を握ると、小原太樹との併走をしのいで番手を死守した山崎芳仁が鈴木竜士の巻き返しに合わせて番手まくり。

2015年9月岐阜以来、通算では17回目、地元では4度目となる記念優勝を飾った。

勝戦 レース経過

 佐藤慎太郎が勢い良く飛び出して、5車結束の北日本ラインが前団に。高橋晋也-山崎芳仁-佐藤慎-佐藤和也-中村敏之輔、小原太樹-山賀雅仁-武井大介、鈴木竜士の並び。2周回目の2センターから小原が早くも上昇。山崎に並びかけて高橋の番手勝負に出る。単騎の鈴木は最後方のまま。この状態で周回は進み、高橋は後ろをしきりに確認する。高橋は赤板から一気にペースを上げる。これで山崎が小原を難なくさばいて番手を確保。小原が後退して、北日本ライン5車がしっかり並んで打鐘、ホームを通過する。単騎の鈴木が6番手で、山賀はこの後位に切り替える。ハイピッチで駆ける高橋に対し、鈴木は2コーナーからまくり上げる。これに合わせるように山崎が3コーナーから番手まくりを敢行。後続の追撃を力強く振り切った。好追走から迫った佐藤慎は交わせず2着。佐藤和が3着に流れ込み、北日本勢が確定板を独占した。


 5車で結束した北日本勢が前受けした時点で大勢は決していた。青板前から小原太樹が追い上げて来たが、「来るのはわかっていたし、簡単には負けられないので」。山崎芳仁(写真)は5車の軸としての強い責任感で番手を死守。赤板の1センターで単独の番手回りになると、鈴木竜士の最終2コーナーからのまくりに合わせて番手から出て佐藤慎太郎の追撃を振り切った。
 「負けられないラインができてしまって、より一層緊張した。慎太郎さんに差されなかったのは良かったけど、まずは自分のできることをやって。(別線に)まくられたら元も子もないので」
 記念優勝は15年9月の岐阜以来。その間、何度となく決勝には乗っていたが、優勝には手が届かなかった。しかし、「地元だけは集中してできている感じがする」の言葉どおり、落車からの復帰戦でも、チャンスを生かしてしっかりと結果を出してみせた。
 次節は来月8日から豊橋競輪場で開催される読売新聞社全日本選抜競輪。「チャンスがある時に勝てる脚は作っておきたい」。4年4カ月ぶりの記念優勝を手土産に、次はGI戦線でも大暴れする。

 佐藤慎太郎は勝てば地元記念初優勝。番手まくりの山崎にゴール前、懸命に詰め寄ったが逆転はならなかった。
 「今年ぐらいはねえ…。しょうがない。(作戦は)全ツッパ。小原はああしといて切る作戦だったのかもしれないけど。山崎もしっかり粘ってましたね。抜こうと思ったけど、抜けなかった。ラインでワンツースリーフォーまで。それはいいけど、やっぱり悔しいですね。次、頑張ります」

 佐藤和也もしっかりと併走をしのいで3着に。年明け早々に競輪祭の出場権を獲得すると、同県の選手たちに冷やかされた。
 「みんな喜んでくれましたね(笑)。(小原は)そうきたかと思いました。想定外だったんで、ずっと入られないように。そこだけでしたね。こんなに早く競輪祭を決められたし、誰にも入られず、前に離れずなので良かったです」

 北日本勢で上位独占の展開をお膳立てしたのは高橋晋也だ。「青板で来たので焦ったっす」と小原の動きを振り返るが、そこからは落ち着いていた。
 「とりあえず1回(ペースを)上げて、そこから流さず行こうと思った。今回はすごくいい舞台で戦わせてもらった。後ろについてくれる人も超イチの方なので、ほんとにいい経験になりました」

 初手は6番手の小原太樹は青板前から動いて山崎と併走した。
 「あれしかなかった。油断してくれれば切ることも考えたけど、厳しかったですね。今のルールじゃ早めに切ることもできないし、難しいですね」

 2コーナーから仕掛けた鈴木竜士は「もっと何かできることがあったんじゃないかな。まあ、しょうがないです。結果がこれなんで」と5着に終わったレースを言葉少なに振り返った。


 
 
次回のグレードレースは1月30日~2月2日まで高松競輪場で開設69周年記念「玉藻杯争覇戦」が開催されます。S級S班から松浦悠士、中川誠一郎村上博幸が参戦。連覇を目指す太田竜馬、三谷竜生、岩本俊介、新山響平、吉澤純平ら全国各地から強豪が終結。ヤンググランプリの覇者松本貴治、地元から香川雄介、池田憲昭が参戦。また、最終日第6レースにてS級ブロックセブンが一発勝負で行われる。1月20日時点の出場予定選手データを分析した「玉藻杯争覇戦」の主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。

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