『和歌山競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 3日目編

和歌山競輪場で開催されている、開設70周年記念「和歌山グランプリ」は、1月12日に3日目が行われた。激戦の連続だった準決勝3個レースは、渡部哲男、村上博幸、菅田壱道が1着。

地元勢からは唯一、稲毛健太がファイナルへの切符をつかみとった。最終日はいよいよ決勝戦

今シリーズの頂点が決まる。また、6レースでは「S級ブロックセブン」が一発勝負で争われる。


 本場では13日の最終日も、様々なファンサービスとイベントでお客様をお待ちしています。元サッカー日本代表丸山桂里奈さんと、ものまねタレントのイジリー岡田さんによるトークショー(11レース発売中)や、特別観覧席・オレンジルーム抽選会(10レース発売中)を実施。さらに、4日間行われている場内スペシャル予想会では、井上茂徳氏・内林久徳氏・井上薫氏・三橋政弘氏が登場します。また、開門時には地場産ふるまい鍋も提供されますので、ぜひ和歌山競輪場へ足をお運びください。

<10R>

渡部哲男選手
渡部哲男選手

松浦悠士選手
松浦悠士選手
 赤板の1コーナーで加賀山淳が先頭に立つと、3番手は前受けから下げた池野健太と松浦悠士で併走になる。内の池野は2コーナーで中村浩士をすくい、続いた東口善朋が松浦を飛ばして近畿勢が中団を確保。それでも池野はすかさず打鐘の4コーナーから仕掛けて、加賀山から主導権を奪ったが、最終ホームから松浦が一気にスパート。番手まくりの東口の上を豪快にまくり切ると、最後は渡部哲男(写真)が鋭く交わして連勝で優出を決めた。
 「(松浦が)強かった。踏み出しも踏み直しもすごくて。抜く抜かないではなくて、しっかりと付いていくことを一番に考えていました。みんながどう感じているか分からないけど、重かったです。(松浦を)抜けているけど、状態は初日からずっと変わりない。流れに助けられています」
 最終ホームから反撃に出た松浦悠士(写真)が2着で、中四国ワンツーが決まった。
 「最後タレたのは自分の脚のなさですね。弱いだけです。自分の距離っていうよりも、ポイントが来たらしっかり出切ろうと思っていました。もう少し末が欲しいですね。初日は重くてしょうがないと思ったけど、今日(準決勝)は軽かったです。(ラインで)ワンツースリーだけど、あの距離からなら押し切りたかった。体の状態も良くて、自転車ともマッチしているんですけどね…。ペダリングとかアップとかを少し考えます」
 松浦ライン3番手の桑原亮は、松浦の踏み出しで車間が空きながらも、なんとか追い付いて3着に続いた。
 「連日、運が良いですね。こんなラインの3番手に付けることなんてないし、(加倉)正義さんも3番手に行っていいよって言ってくれたお陰です。(松浦の)ホームの加速で口が空いたけど、あおりとかがあって追い付けたんで良かった。記念の準決勝は2回目だったんで、決勝なんて初めてです」

<11R>

村上博幸選手
村上博幸選手

稲毛健太選手
稲毛健太選手
 赤板過ぎで稲毛健太を押さえた九州ラインに、杉森輝大が続いて中団をキープ。7番手まで下げた稲毛健太を警戒すると、打鐘の3コーナー手前から先に仕掛けて野田を叩く。稲毛は杉森の仕掛けに乗るように最終ホームから反撃に出ると、バックで杉森をまくり切って先頭に。最後は絶好の展開となった村上博幸(写真)が直線できっちり差し切った。
 「ちょっと緊張感もあったし、良いプレッシャーの中で走れました。大槻(寛徳)も上手いし、大槻との併走が長引いたので、そこが勝負でした。稲毛は踏んでいって一回休んだし、思った感じの仕掛けではなかったです。でも、僕はそれに合わせて付いていって、我慢して残すつもりで踏んだので、ワンツーが決まって最高ですね。伸びは悪くないけど、セッティングを煮詰めても良いかな。グランプリから使ってるフレームだけど、フワっとした感じがあります」
 稲毛健太(写真)が2着に粘り、地元記念で決勝進出を決めた。
 「いろんなことを考えたけど、先行一車でやりにくかったです。野田さんの先行もあるかなって考えていたし、昨日(2日目)よりは早く仕掛けて行こうと思っていました。長い距離をきれいに脚を回すことを意識して走りました。感じ自体はまあ踏めていると思う。(ライン3番手の吉村和之まで)3人で決まったら良かったんですけどね…」

<12R>

菅田壱道選手
菅田壱道選手

佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
 赤板の2コーナーでハナに立った菅田壱道(写真)を、打鐘の3コーナーで森田優弥が叩いて先制。新田康仁が森田に続いたが、単騎の渡邉晴智も森田の後ろを狙って踏み上げる。結局、内の渡邉が番手を奪取し、新田が3番手で最終回へ。逃げる森田に、7番手になった原田研太朗は最終ホームからまくり出すが、中団から菅田も仕掛ける。合わされた原田は後退し、直線で森田をとらえた菅田がそのまま力強く押し切った。
 「このレースは森田君が駆けて、僕が中団で、ハラケン(原田)が後ろからっていうセオリー通りの展開になりました。森田君もカカっていたけど、無理やりにでも持ち出さないと、ハラケンのまくりに被ったら出ていけなくなるので行きました。1、2、3月は毎年(成績が)良くないけど、今回は決勝に乗れたし、勢いある若手の森田君をまくれたので良かったです。気持ちの面でも攻めれていますね」
 菅田マークの佐藤慎太郎(写真)が2着に続いた。
 「グランプリに向けてやってきたから、ホッとしてしまっているのか、疲れているのか…。もう少し進んで欲しい気持ちはありますね。(菅田は森田が)一番カカってるところから行ったんで、キツかったと思いますよ」
 北日本ライン3番手の内藤宣彦が3着に入り、ラインで上位独占を果たした。
 「恵まれました。付いて行っただけだけど、滅多に記念の決勝は乗れないからうれしいですね。初日と2日目からセッティングを変えて、もう少し伸びるセッティングにしたので付いて行けました」

<最終日・6R S級ブロックセブン>

西岡正一選手
西岡正一選手
 先行主体に戦っている山田諒は、前回の奈良FIで初めてS級決勝にコマを進めた。
 「前回の奈良は初日と2日目は自分の競走ができたけど、決勝は先行態勢にすら入れなかったです。行くべきところで無理やりにでも行かんとダメでした。(今回は)7車立てで別線の機動型はスピードがあるので、踏み直すタイミングとかをミスしないように走ります」
 地元の西岡正一(写真)は、前回の松阪FIで147着。予選では9月函館FI以来の白星を挙げた。
 「セッティングも出てきたし、松阪の時も伸びは悪くなかったですね。調子は点数以上に上がってきていると思います。(連係する)山田君のレースは多く見ているので、どんな感じかは分かっています」
 年末はハードなスケジュールでレースを走っていた久米康平だが、今回は中9日空いて一発勝負を迎えた。
 「中2日で4場所連続走っていたので、やっと練習ができました。かなり練習したので、ちょっと疲れはありますけど。競走を走っている時に、いろいろ練習でやりたいことを思いついていたので、その練習をしました。一発勝負は得意だし、このあとに高松記念もあるので頑張りたいですね」