『高松競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 最終日編

高松競輪場開設69周年記念「玉藻杯争覇戦」は2月2日、4日間に渡る熱戦に幕を下ろした。

注目の決勝戦は野口裕史の先行を松浦悠士が3番手から鮮やかにまくって完勝。

無傷のシリーズ4連勝で前回の和歌山に続き、記念連覇を果たした。また6レースに行われたS級ブロックセブンは荒井崇博が制した。

決勝戦 レース経過

 号砲で齋藤登志信、松浦悠士が出ていく。菊地圭尚-齋藤、松浦-村上博幸、中川誠一郎、野口裕史-和田健太郎、松本貴治-久米康平で隊列はまとまり、周回を重ねる。
 青板3コーナーから松本が上昇を開始。松本は一旦、野口の外で併走して、野口を8番手に下げさせると、赤板2角で仕掛ける。打鐘3角では松本が先頭に立つが、中国コンビを追って上がってきた野口がホーム手前で叩いて主導権を奪う。この野口の動きに機敏に乗り換えた松浦が3番手を確保。松浦は間髪入れず2コーナー過ぎからまくって出る。村上は反応できず、単騎でまくる形となった松浦は3角であっさり野口を抜き去る。初手から松浦ラインに続いていた中川が5番手から追ってまくるが、見る間に後続を引き離した松浦までは遠い。そのまま松浦が押し切って年頭から記念連覇を達成。2着に中川で、3着は野口を交わした和田。

松浦悠士選手
松浦悠士選手

 今シリーズはひとりだけ次元が違った。周囲の誰もが認める圧倒的な走りで松浦悠士(写真)が完全優勝を達成。番手戦だった勝ち上がりの3日間とは違い、決勝は自力勝負で抜群のスピードを披露した。
 「松本(貴治)君が行って、野口(裕史)さんが行って、そのあとにまくりたいと思っていたので、理想の展開になりました。うまく千葉勢にスイッチできて、脚はたまっていたので、あのタイミングでまくりに行きました。後ろの状況は分からなかったんですが、気配を感じなかったので、村上(博幸)さんはからまれてるのかなって、いろいろ考えながら踏んでました」
 昨年11月の小倉競輪祭でGI初制覇。SS班として迎えた20年は記念連続優勝とさらに進化している。
 「グランプリを除けば、これで(11月松戸FIから)4連続優勝ですね。S班のプレッシャーは全然、感じてないし、今までよりも楽しみながら走れてます。今回は仕上がっていたと思うけど、高松バンクの走りやすさにも助けられました。もっと成長して、ナショナルチームの選手ともいい勝負がしたいですね」
 次走は中4日で今年最初のGI、全日本選抜を迎える。中四国勢の絶対的エースとして、GI連覇に挑む。

 初手から松浦のラインを追走していた単騎の中川誠一郎は村上が離れたことで3コーナーからまくりを打ったが、松浦までは遠すぎた。
 「あの並びになったので、松浦任せになりました。自分で動いても松浦とバッティングすると思ったので。(村上)博幸が離れなければ面白かったんですけど。あれだと2着までですね」

 野口の先行を利した和田健太郎が3着に入った。
 「想定内の展開でした。松浦君が3番手にいたのは分かったけど、野口がめちゃくちゃかかっていたので、簡単にはまくられないだろうと高をくくっていたところもあった。でもそれを上回るスピードで松浦君が行ってしまった。松浦君が強い。まくられてからは野口がまだ頑張っていたので追わせてと思っていたら、中川さんがいいスピードで来てしまいましたね」

 野口裕史は持ち味の先行勝負で出し切ったが、松浦との力の差を痛感した。
 「いい感じで先行できたんですけどね。松本君が7割くらいで踏んでいたので、すんなり飛び付かせないように出る時に思いっきり踏みました。これはもう僕の展開だと思ったんですけどね。この感覚で行かれたのは、過去にグレーツァーくらいしかいない。それくらい衝撃的でした。力が違いました」

 松浦のまくりに離れた村上博幸もその強さに脱帽する。
 「キツい。すごい強い。びっくりした。松浦が千葉勢にスイッチした時点で、ダッシュをだいぶ使った。あそこで力を使った。松浦がまくりにいったときは差せへんとは思ったけど、あんなに出がいいのかと。もう回転が上がらへんかった。タイトルを獲る選手はこういう選手なのかと。いろんな若い子との力の差を感じてくるし、それをどう攻略できるかを考えないと」

 
2月8日(土)~11日(火祝)まで豊橋競輪場において第35回読売新聞社杯全日本選抜競輪が開催されます。
2020年のS級S班が一同に会する初の開催。(脇本雄太・新田祐大は不在)新年の流れを占う意味でも目が離せません。
KEIRINグランプリ2020最初の椅子に座るのは、誰だ。
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