2020UCIトラック世界選手権レポート(開幕前日編)

自転車トラック種目の世界選手権は2月26日、ドイツ・ベルリンで開幕する。25日は大会会場で公式練習が行われ、日本代表の選手がバンクの感触を確かめながら汗を流した。

【男子】
新田祐大(福島・90期)はチームスプリント、ケイリン、スプリントに出場する。チームスプリントでは今季W杯で16年ぶりを含む金メダル2つを獲得。東京五輪の出場枠確保も見えてきた。チームスプリントでは「自己ベストを狙っていきたい。メダルを獲得できたら」と目標を語る。昨年大会で銀メダルを獲得したケイリンでは「金メダルを取るために、積極的にレースを作ることを意識して走りたい」と意気込んだ。

 



深谷知広(愛知・96期)はスプリントとチームスプリントにエントリー。ケイリンを出場種目から外した今季、W杯ではスプリントで銀1つ、銅2つを獲得。チームスプリントでもアンカーとして活躍し、日本男子の躍進を支えている。「レベルの上がり方を実感するための大会。戦う準備を今シーズン通してしっかりできた。その成果を出す」と力強かった。


チームスプリントで第1走を務めるのが雨谷一樹(栃木・96期)だ。12月のW杯第4戦ケンブリッジ大会での金メダル獲得に貢献した。「日本はまだ伸びしろがあるチーム。1走次第でチーム全体のタイムが上がると思う」と自覚を込めつつ「悔いの無いように、良いタイムを出してメダルを取りたい」と話した。



河端朋之(岡山・95期)はスプリントとケイリンに出場。一昨年の世界選手権ケイリンで銀メダルを獲得しているチーム最年長は「プレッシャーはもちろんあるが、今回に限ったことではない。しっかり金メダルを目指す」と虎視眈々と頂点を狙う。


脇本雄太(福井・94期)はケイリンのみに出場する。W杯やアジア選手権では金メダルを獲得してきたが、世界選手権では表彰台に立てていない。年明けはニューカレドニアなどで合宿を積み、「精神的にも肉体的にもしっかり追い込むことはできた」と充実の表情。「今年こそしっかり決勝に勝ち上がって、金メダルを取りたい」と東京五輪前の最後の大一番に向けて力を込めた。



オムニアムに出場する橋本英也(岐阜・113期)にもメダル獲得の期待が懸かる。「去年より強くなっている。世界選でメダル取れる位置だとは思っている」と自信をみなぎらせた。

【女子】
スプリントとケイリンは今大会の成績に五輪出場枠の確保が懸かっている。この種目に出場するのは小林優香(福岡・106期)と太田りゆ(埼玉・112期)の2人。小林はメダル獲得が期待されるケイリンについて「チャンピオンになるためにここに来た。徐々にピークをもって行きながら集中して頑張りたい」。太田は「1本1本レースを勝ち進むことを考えながら、覚悟を決めて走りたい」と表情を引き締めた。

 



中距離のオムニアムでは梶原悠未(筑波大)が金メダルを狙う。昨年は惜しくも4位となり、表彰台を逃した。W杯通算4勝のエースは「昨年以上に2倍3倍とレベルアップしてこられた。世界の選手も成長していると思うが、自分の方が成長速度が勝っていることを証明したい」と語った。


【日本人選手の出場スケジュール】
▽初日:2月26日
男子団体追い抜き(予選~1回戦) 近谷涼・今村駿介・窪木一茂・沢田桂太郎
男子チームスプリント 雨谷一樹・新田祐大深谷知広
女子スクラッチ 古山稀絵

▽2日目:2月27日
男子団体追い抜き(決勝まで) 近谷涼・今村駿介・窪木一茂・沢田桂太郎
男子ケイリン 河端朋之、新田祐大脇本雄太
女子スプリント(予選~準々決勝) 小林優香、太田りゆ

▽3日目:2月28日
女子オムニアム 梶原悠未
女子スプリント(決勝まで) 小林優香、太田りゆ

▽4日目:2月29日
男子スプリント(予選~準々決勝まで) 新田祐大深谷知広
男子オムニアム 橋本英也
女子マディソン 梶原悠未・中村妃智

▽最終日:3月1日
男子スプリント(決勝まで) 新田祐大深谷知広
女子ケイリン 小林優香、太田りゆ