【ROOKIES】坂井洋がS級初の完全優勝

■Pickup Rookie

 昨年10月に3場所連続の完全VでS級に特進した坂井洋(写真)は、S級2場所目となる11月に早くも優勝を遂げるとその後もコンスタントに優出。決勝ではなかなか勝ち切れなかったが、直近の佐世保FIを3連勝。前々回の平FIでは初日予選で敗退していただけに、S級2度目の優勝を完全Vで遂げて勢いをつけた。
 「(古性優作らGIで走っている選手との決勝は)いい経験をさせてもらいました」と、まくり3連発でのV奪取を振り返っていた。
 決勝は主導権を握った林大悟の番手に、近畿の先頭を務めた畑段嵐士が飛び付いてもつれる展開に。後方でじっくりと脚を溜めた坂井が、最終2コーナーからまくって前団をのみ込んだ。佐世保での3日間を見てもわかる通り、近況はまくりの決まり手が多い。勝つときは鮮やかな反面、リスクも大きい点をどう克服していくかだろう。まだ、記念すら経験もない坂井の次回は3月26日からのビッグ、ウィナーズカップ(GII)。115期在校ナンバーワンのグレードデビューに注目したい。


 

 2月小倉FIIを3連勝。弾みをつけて臨んだ同期との一発勝負、ルーキーチャンピオンは、単騎で前々に攻めて好位には入ったものの仕掛けられなかった。終わってみればS級選手3人が、上位を独占した。
 「ルーキーチャンピオンは、同期のS級組と力の差を感じました。自分ももっと脚をつけないといけないですね。終わってからは冬期移動先の伊豆でしっかり練習してきました」
 脚力差を痛感したルーキーチャンピオンの直後の松戸FIを1、1、4着。結果的にまくりの決まり手が付いたが、初日予選は赤板1センターから仕掛けた。準決は逃げ切りでラインの日当泰之とワンツー。決勝も主導権を握り、ケレン味のなさをアピールした。ルーキーチャンピオンを挟んでの連勝は5で止まったが、「特進は意識していない。まだまだ脚はないと思っているので、しっかり脚をつけてS級に上がりたい」と、言うように、小原丈一郎(写真)は内容重視の走りで先を見据えている。


 

 久留米で行われた第10回「国際自転車トラック競技支援競輪(GIII)」で山口伊吹(写真)は、初日、2日目の予選を3、1着。昨年のグランプリのあとから5連続優勝中の石井寛子に次ぐ17ポイントでファイナルに進んだ。
 「最近は差し、マークが多くなっているので、今回は先行ではないんですけど。自力を出したいなって思ってます。ここに向けては、静岡に2日間ぐらい入らせてもらって練習してきました。来月はフレッシュクイーンに出場できるので、そこに向けて頑張っていきたいです」と、前検日に自力に前向きな姿勢だった山口。初日はカマシ気味のまくり、2日目も逃げる太田りゆをまくりでとらえて、自力を繰り出してのポイント獲得で決勝進出をつかんだ。
 決勝は最終ホームで2番手を確保するも太田、林真奈美にかぶって仕掛けられず悔しい5着。通算2度目の優勝は、次回以降にお預けとなった。