【ROOKIES】ゴールデンキャッパー藤井侑吾らが強敵に挑む

■Pickup Race

 115期生の藤井侑吾(写真)、井坂泰誓、田上晃也、蒋野翔太、宮崎大空の5人がこの名古屋開催から選手生活をスタートさせる。注目は地元ホームの藤井だ。23勝のうち、先行、まくりの自力で15勝を挙げ、在校5位に輝いた逸材。地脚タイプで“ダッシュに課題”はあるが、能力評価でオールAを獲得し、ナンバーワンの坂井洋とともにゴールデンキャップを獲得したポテンシャルの高さは限りない将来性を感じさせる。バレーボール出身の田上も能力評価でAを獲得し、卒業記念で決勝進出を果たした選手だし、競走訓練で先行主体に戦っていた蒋野の走りにも注目。井坂、宮崎もデビュー戦から乗っていきたい。
 しかし、今開催はルーキーの前に立ちはだかる大きな壁がある。自転車中距離ナショナルチームのエースである橋本英也だ。出走本数の関係で未だチャレンジだが、走る度にスケールの大きい走りを披露しており、実力はすでにS級レベル。その橋本をどこまで脅かせるか。


 

 鈴木樹里(写真)、伊藤のぞみがいよいよデビュー戦を迎える。伊藤は函館のホワイトガールズプロジェクト、鈴木はこの豊橋のガールズ育成プロジェクトのT-GUPの出身だ。伊藤は在校順位こそ振るわなかったが、競走訓練では自力主体に戦ってきただけに、レースの流れに乗っていけるようなら好勝負ができそう。ホーム戦でデビューする鈴木はいきなり優勝の期待が懸かる。やや小柄な体格ながら持ち前の切れ味とレースセンスで卒業記念チャンピオン、在校2位に輝いたスター候補だ。この日を迎えるにあたって準備は万端。気後れせずに勝負所でビシッと仕掛けていければ大仕事をやってのけるだけのスケール感がある。
 新人を迎え撃つのは、野本怜菜、加藤恵、太田美穂ら。3選手ともに機動力の高さには定評があり、すんなり駆けさせると抜群の粘りを発揮する難敵だ。大谷杏奈、中西叶美の地元コンビも鈴木にライバル心を燃やす。


 

■Pickup Rookie

 19日初日と、阪本和也(写真)は在校トップテンの中で最も遅いデビューとなるが、ホーム佐世保から選手生活を始動させる栄誉に浴することとなった。選手会長支部支部長を務め、長崎のスターとして未だにS級で活躍する正和を父に持つ2世選手だが、高校までは甲子園出場を果たすほど野球一筋に打ち込んできた。高校を卒業してから自転車に乗り始め一から取り組んできた苦労人でもある。「自転車については素人で、同期に教えてもらいながら」在校3位は限りないポテンシャルの高さを感じさせる。競走訓練では先行はできなかったが、まくりで5勝を挙げている。
 卒業後は「ギアを掛けたりしながらトップスピードを上げる練習」を主にしており、先輩期には強力機動型が少なく、同期がライバルとなるデビュー戦から115期のレベルの高さを示したい。