12戦10勝の小原佑太が連続完全V

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 デビュー場所の伊東FII、西武園FIIはともに112着で準V。優勝こそ飾れなかった小原佑太(写真)だったが、在校時からの評判通り、素質の一端を見せた。
 「デビューの2場所は、どちらも決勝で同期(鈴木涼介、照井拓成)に差されてしまった。けど、自分が仕掛けた結果なので」
 同地区でラインを組んだ鈴木、照井に差された伊東、西武園は、成績以上にインパクトを残した。
 「今回は同期の中で自分が一番スピードはあると思うし、6連勝を狙っていきます」と、臨んだ立川FIIでは、地元、青森の初優勝に続き、連続の完全Vを遂げた。現在は静岡県の伊豆に練習拠点を置いて、ナショナルチームでハードトレーニングに明け暮れる日々だ。まずは次回9月21日からの和歌山FIIで特班を決めて、ナショナルチームの先輩たちと同じステージに一日でも早く上がりたい。


 

 7月にデビューした115期としては、4人目となるA級1、2班への特班を伊藤颯馬(写真)が遂げた。小倉FII、広島FIIを連続完全V、6連勝でデビュー4場所目となる高松FIIの初日を8月28日に迎えた。主導権を握ってレースを支配した予選、準決は、ともに後続を引き離して危なげなく押し切った。
 8連勝で特班にあと1勝と迫った決勝は、天野純平、城戸俊潔、下野義城の同期3人も勝ち上がって決して楽観はできないメンバー構成。そのなかで積極策に出たのは、赤板2コーナーで先頭に立った下野だった。5番手でじっくりと構えた伊藤は、満を持して最終ホーム過ぎから踏み出す。3番手から合わせて出た城戸とのまくり合戦を制した伊藤は、タッグを組んだ天野とワンツーでゴール。特班を決めた。9連勝の決まり手の内容は、逃げ5、まくり3に追い込みが1。勝ち上がりでは先行策を多用しているだけに、持ち前のスピードを生かせる1、2班のステージでもV争いは必至だ。


 

 デビュー4場所を終えて、まだ3着以内がない。競輪学校の競走訓練では、まくりでも勝ち星を挙げていた神澤瑛菜(写真)が、プロの厳しさを思い知らされている。
 「デビュー2場所目の佐世保では、絶対に先行しようっていう思いがあった。だけど、脚力が足りなさすぎて、突っ張られたりしてしまった。今は情けない成績です。レースの流れも、まだわかっていない。徐々に良くなればと思っています」
 適性での入校だけに自転車経験も浅く、直近の川崎FIIでも勝負どころで後方に置かれるシーンが多かった。しかしながら、川崎の初日予選では前団に好スピードで迫るまくりを見せた。
 「(最終)2コーナーからいい感じで踏めたけど、3コーナーの上りがキツくて、踏み切れずに浮いてしまった。あそこでもうひと踏み、ふた踏み、我慢して(2センターから)下りを使える脚が欲しいし、つけないといけないですね」
 勝負どころで立ち遅れない技術面、脚力ともに課題は多いが、神澤自身もそれを自覚している。これからの成長に期待しよう。