【ROOKIES】ダッシュ自慢の田中大我

■Pickup Rookie

 11月富山FIIで田中大我(写真)が待望の初優勝を無傷で飾った。決勝は、近畿別線の谷和也らそろった同期勢との力比べ。最終ホームでは後方に置かれた田中だったが、先にまくった土田栄二を追ってからバック手前でスパート。谷を2センターで鮮やかに捕らえた。そこまで連勝での勝ち上がりが4回ありながらなかなか優勝が獲れず“問題は決勝”と話していただけに弾みになりそうだ。
 「最初はなかなか思った通りに走れてない事が多かったけど、練習はいい練習ができていると思います。ホームは奈良ですが、練習は街道がメインだし、33走路は得意じゃなかったんですよね」
 学生時代は柔道に打ち込み、自転車経験は浅いが、競輪学校在校時の登坂トーナメントで優勝しているようにダッシュ力は115期勢の中でもピカ一。強烈なカマシ、まくりで暴れ回る。


 

 

 中学生時代から自転車に乗り始め、選手になるまでは中距離種目で活躍した原井博斗(写真)。全日本大学対抗自転車競技大会、第72回国民体育大会チームパシュートで優勝などの華々しい実績を残している。だが、デビュー後はここまで波の激しい成績。9月地元の久留米FIIナイターで初優勝を果たしている一方、決勝を外す場所もあり苦労している印象だ。
 「自分は地脚型だし、どちらかといえば押さえて駆けた方が良いですね。競輪は難しい。しっかり自力を出す競走を心掛けていますが、まだ走り方が全然、分かってないし、力不足、勉強不足です」
 瞬発力、切れ味が求められる競輪とは違う種目からの転向だけに軌道に乗るまでに時間がかかるのは仕方ない。持っている能力の高さは疑う余地はなく、若手も多い久留米の練習環境の下で素質が開花する日を待つ。


 

 

 デビュー後は苦戦が続く磯村蓮太(写真)。先行主体の積極策で臨んでいるが、ここまで11場所走って予選突破もままならない状況だ。デビュー戦の7月取手FIIで2連対した時はまずまずのスタートを切ったように思われたが…。
 「デビュー戦は結果オーライの部分もあったけど、緊張もなく走れました。出切れば自信があるんですが、まだ上位の選手には通用しないし力不足です。組み立てもダメですね。でも、練習でやってきた事が最近少しずつレースで出せてきていると思います」
 スピード、加速力には課題が残るが、持久力には自信を持ち、直近の11月小田原FIIでは負け戦ながら逃げ切り連勝している。師匠の佐藤亙や、練習で教わることもあるという吉田敏洋ら錚々たる面々から指導を受ける機会があるのも大きい。次走は17日からの名古屋FIIミッドナイト。ホーム戦は8月に走った時は未勝利に終わったが、その後の競走でつかんだものを披露しよう。