【ROOKIES】ナンバーワン坂井洋が特別昇班に挑む!!

■Pickup Race

 115期生の今後を占う意味でも見逃せない一戦。在校ナンバーワンの坂井洋(写真)が、デビューから負けなしでの特別昇班に挑戦する。舞台となるのは8月9日からの地元宇都宮FIIシリーズ。前走の7月函館FIIミッドナイトから20日以上レース間隔が空き、まさに満を持しての登場となる。今シリーズ対戦予定の同期は、伊藤奎、原田亮太、浅見隼、宇佐見優介。中でも伊藤は目下連続優勝中。7月静岡FIIでは、ナンバーツーの山本修平を相手に逃げ切って完全優勝している。さらに原田、浅見も直前場所は連勝で決勝に進出と、機動力は非凡。3人とも先行主体にレースを組み立てており、簡単に坂井ペースの競走は許すまい。
 だが、取手FII決勝を、上がり10秒9の破格のタイムでまくって圧勝と衝撃的なデビューを飾った坂井。横内裕人や、浅見と連係有力な緒方剛も加えた、包囲網を突破して、次のステージへと駒を進める。


 

■Pickup Rookie

 全日本選手権、全日本大学対抗1kmTTで優勝するなど輝かしいアマ歴を誇り、競輪学校の卒業記念では3連勝で決勝進出。野上竜太(写真)はハイレベルな115期勢の中でもポテンシャルの高さでは一、二を争う存在だ。ここまで優勝がないのは予想外だったが、レース内容は前評判に違わぬもの。
 2戦目の7月高知ミッドナイト決勝では同期の南蓮、今野有樹のまくりを完璧に合わせ切って逃げ粘り2着。そして、3戦目の8月玉野ミッドナイトは112着。決勝は、単騎戦で規格外の113期生・橋本英也に追い込まれたが、谷和也との同期対決は制した。カマシ、まくりに頼らず、ラインで決める押さえ先行に貫く姿勢は将来を見据えたもの。「失敗は恐れずチャレンジしていきたい」。スピード、末の粘りは一戦ごとに増しており、信じる道を貫きながら一気に加速していく。


 

 7月いわき平FIIでいきなり決勝に乗り、2戦目の同月小倉FIでは最終日に初勝利をゲット。在校11位の村田奈穂(写真)が元気いっぱいの走りで存在感を発揮している。デビュー戦のいわき平の予選1は荒川ひかりが切った上を間髪入れずに叩いて、鈴木奈央には差されたが2着。小倉の最終日は前団の踏み合いを、バックまくりでひと飲みしてみせた。そして、着にからめなかったレースも見せ場はたっぷり。航続距離はまだ短いが、石井寛子や尾崎睦らガールズトップ選手に、あわやというところまで迫ったトップスピード高いタテ脚は、レースに慣れて組み立てをもっと覚えてくれば大化けするかもという期待を抱かせる。
 「先行、まくり、追い込みとすべての戦法で勝ちたい」とオールラウンダー志向を持つが、実戦で手応えをつかみ「自力でグイグイ攻める競走」で当面は押し通そう。浮ついたところはなく、デビュー戦の2着を「悔しい」と振り返る気持ちの強さも持ち合わせる。楽しみな新人が出てきた。