【ROOKIES】ゼロ勝だった幸田望夢が初優勝達成

■Pickup Rookie 幸田望夢(栃木)  デビュー3戦目の8月函館ミッドナイトで嬉しい初Vをゲット。決勝は同期の板垣昴と、113期の尾崎悠生が主導権を争う展開だったが、単騎で終始最後方に構えた幸田はバックからまくり発進。中団から先まくりを打った同期の土田栄二と、板垣でモツれる前団を鮮やかに捕らえた。 関東屈指の追い込み型として27年以上S級で走り、特別競輪決勝にも乗っている現役レジェンドの光博(67期)を父に持つ2世レーサー。競輪学校ではゼロ勝と苦労し、デビュー戦の逃げ切り勝ちをことのほか喜んでいただけに短期間で長足の進歩だ。  スプリンタータイプで、優勝した函館で披露したようなダッシュ力が一番の武器だが、奈良では丸2周以上を逃げ切ったように長い距離を踏むことも苦にしない先行主体の競走で売り出していく構え。「ペース配分が課題」と話すが、“チャレンジャー”として臆せずぶつかっていく。 高尾貴美歌(長崎)  競輪選手を目指して高校時代は自転車競技の中距離種目で活躍。競輪学校には1回目の試験で合格した。在校成績は19位と振るわなかったが、卒業記念レースでは決勝進出と最後の最後で気を吐いていた。  ここまで3戦の成績は7月高松461着、大垣761着、8月玉野663着。ガールズのトップクラスと戦う予選では大きい着が並ぶが、最終日一般戦は2勝をマークし、オール確定板入りとただ者ではなかった。玉野の最終日は“反省のレース”と内に詰まって流れ込みに終わったものの、高松、大垣はまくりに挑戦して見事に勝利とレース内容も将来性を強く感じさせる。勝ち上がり戦では“消極的にならないように”と先行で勝負する姿勢も見せていて、スピードにはキラリと光るものがある。レースでそのスピードを生かす組み立てを覚えてくれば、トップクラス相手でも勝ち負けを演じられそう。 ■Pickup Race 福井FII(8月25日~)  吉堂将規(写真)がデビュー初初Vを目指す。ここまでは7月松戸324着、小倉ミッドナイト113着、8月和歌山223着。勝ち切れないレースが多く、“末の粘りが課題”と話すが、高いレベルで成績はまとまっている。在校12位の実力者らしくパワーは強烈で、小倉の予選、準決はカマシ、まくりで後続を千切っている。4戦目となれば、仕掛けのタイミング、踏み方もつかめたことだろう。在校13位の張野幸聖との近畿ライバル対決を制するか。  張野も負けていられない。7月大垣の準決は車体故障で不覚を取ったが、それ以外のレースでは前評判通りの力を発揮。“メンバーや流れを見ながら仕掛けたい”と柔軟な攻めで吉堂に踏み勝ってもいい。さらに、7月富山、8月佐世保ミッドナイトと同期を倒して準決を連勝中の立部楓真もV候補の一角。8月函館ミッドナイトでの初優参で手応えをつかんだ土田栄二も黙っていない。  先輩期では、田村純一、鈴木達也の福島コンビに警戒したい。