『別府競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 2日目編

 別府競輪開設69周年記念「オランダ王国友好杯」は12月1日に2日目を迎え、
二次予選A、B合わせて7個レースで準決勝進出が争われた。
渡邉一成、不破将登の落車はあったが、主力は順当に準決勝へと進出。

地元勢からは二次予選Aで2着の大塚健一郎が唯一、準決勝へ勝ち上がった。

3日目は準決勝3個レースで、いよいよシリーズのベストナインが決まる。

開催中は毎日オランダフェアと題してオランダグルメを満喫できるコーナーを設置。

さらに3日目はマジックバーWAZUMAによるマジックショーが行われ、
佐々木昭彦氏、山口幸二氏、吉岡稔真氏による展望会&トークショーや選手トークショーも引き続き予定されています。3日目もぜひ別府競輪場へお越しください。

<6R>

 2周前から別線が切り合いになったところを打鐘前から竹内雄作が仕掛けて主導権を握る。番手の川口公太朗が波を作って懸命に残しにかかったが、4番手を確保していた阿部大樹(写真)が直線で外を突き抜けた。
 「(竹内ラインの後ろを)全員狙ってくるんで、そこは譲っちゃダメだな。残り2周で切っちゃう、ヤバいと思ってバック踏んだけど、市橋(司優人)がそのまま踏んで行ったので僕も。竹内さんのかかりがヤバかった。バックでこれがGI(級)かと思った。もう絶対行かない、後ろも見ないと思って、追い込み勝負と思った。良かったです、ホントに」
 川口公太朗は竹内と一緒に準決勝へ勝ち上がるために必死の援護を見せたが、ワンツーを決めることはできず。硬い表情でレースを振り返る。
 「(竹内は)すげえスピードだった。絶対残さなあかんと必死やったんで…。自分の経験不足もあるし、もっと車間を切ったりとかできることはあったと思う。雄作さんの番手が初めてで、ビビッてあまり切りきれんかったかな。もっと何かできたような気がします」


<7R>

坂本貴史選手
坂本貴史選手
 前受けの坂本貴史(写真)は酒井拳蔵の上昇に対して誘導員を残して下げると、その酒井は吉本卓仁を出させず主導権を握る。これで絶好の中団を確保した坂本が2コーナーまくりで前団を飲み込んだ。
 「すんなり中団を取れたのが大きいですね。今日(2日目)は先行しようと思っていたので吉本さんが叩いた上を行こうと思ったんですけど、酒井君が突っ張ったので。踏み出しの感じも初日に比べて良かったです。初日に浅井(康太)さんに体の使い方を聞いてそれもいい方に出ました」
 北日本勢の3番手を回った中村敏之輔が番手の小野大介を交わし2着で準決勝へ。
 「ジャン前に(小野俊之の内をすくったときに)追従したかと思い、ゴールしてから2コーナーのランプばかり見てました(笑)。審議にならず良かったです。小野(大介)さんがいっぱいだったんで抜けた感じですね。自分もいっぱいだったんですけど勝ち上がれて良かった。記念の準決は(今年6月の)地元記念以来ですね」


<8R>

古川尚耶選手
古川尚耶選手
 前受けした小林泰正は7番手まで車を下げると打鐘過ぎ3コーナーから一気のカマシを敢行する。最終ホームで出切ると4番手の村上直久は空いた車間を詰めることができず。番手絶好の古川尚耶(写真)がゴール前でわずかに小林をとらえた。
 「作戦はなくて、前受けしてそこからは小林君が1着を取れるところからの仕掛けでいいよと話していた。脚質が合っているので付けやすかった。2コーナーから余裕があって、3コーナーから小林君がタレてきたので、頑張れと思って4コーナーから抜きに行ったら、尋常じゃないぐらい踏み直された。交せているので調子はいいと思う」
 素早い巻き返しで別線を完封した小林泰正は2着に粘った。
 「ラインで決まって良かった。バックを取りたいと思っていたし、初日の挽回もできてホッとした。前受けから早めに引いて巻き返そうと。津村(洸次郎)さんと先行争いになると思っていたので、そこは予想外でしたね。踏み応えが欲しかったので、アップの時に重いギヤを踏んだのがいい方向に出た」


<9R>

松岡健介選手
松岡健介選手
 各ラインが動いて、稲毛健太が打鐘過ぎから先頭に立つと、再び隊列は初手と変わらぬ並びに。稲毛がそのままハイピッチで駆けると、8番手に置かれた原田研太朗の巻き返しは届かず。2センターから仕掛けた岩本俊介を見ながら踏み込んだ松岡健介(写真)が好展開を生かして稲毛とワンツーを決めた。
 「(ジャンの)2センターで稲毛のパターンに入りましたね。ホームで緩んだので、そこで誰か来たらヤバいなと思ったけど、そのあとは何の不安もなく。後ろも良く見えてたし、余裕を持って稲毛も走ってたので。岩本が来たのも見えたし、(坂上)樹大のコースも作ったつもり。3人で(勝ち上がりが)決まったし、稲毛が強かった」
 稲毛健太は原田、岩本と強力な同型を相手に逃げて、2着に逃げ粘った。
 「あそこの距離(残り1周半)なら出させてくれると思ったので。スタート取りに行ったら脚に来てた。でも後ろから押さえに行くことを考えたら、脚使ってでもスタートを取ったほうがと思った。あそこからなら5、6(着)にはと思ってホームから目イチで行きました。(状態は)普段どおりですけど、前に出たら持つんで。ラインで(勝ち上がれて)良かったです」


<10R>

島川将貴選手
島川将貴選手
 後ろ攻めの島川将貴(写真)が赤板ホーム過ぎに前受けの松井宏佑を押さえてそのまま主導権。打鐘過ぎから巻き返してきた松井との踏み合いを制して力強く押し切った。
 「逃げ切れたのはたまたまですね(笑)。アップの時は感じが悪くてハンドル周りをイジったんですけど結局戻して走りました。力を出し切れば何とかなる状態ですね。準決勝を突破して初めての記念決勝に乗りたいです」
 香川雄介が島川に続いて四国ワンツーを決めた。
 「とにかく島川君が強かったですね。あれを抜ければ自分の状態もいいと思うんですけど。とりあえずワンツーが決まったので良かったです」


<11R>

山田英明選手
山田英明選手
 後ろ攻めの稲垣裕之が赤板過ぎに切った上を林慶次郎が勢いよく叩いて打鐘前から主導権。番手で車間を空けた山田英明(写真)は2コーナー過ぎから番手まくりに出て、1着で準決勝進出を決めた。
 「林君がハイペースで踏んでいたので、これは持たないと思ったし、地元の大塚(健一郎)さんが後ろだったので、中途半端なことはできないと思った。それに1番人気だったし売り上げも考えて番手から出ました。大塚さんは気持ちが強い人だし、好きな人なので。自転車の感じは正直わからない。明日(3日目)の朝に乗ってみてセッティングを修正するかも」
 大塚健一郎は山田にピタリと続いて2着に入った。
 「やっと九州勢が機能しましたね。九州にはなかなかなかった形なので、それがうれしい。俺はただ後ろに付いていただけ。2着取るのに必死。前も後ろも猛者ばかりなので、中切れできないですからね」


<12R>

浅井康太選手
浅井康太選手
 前を取らされた皿屋豊は赤板ホーム過ぎに切った櫻井正孝に対して7番手に車を下げるが、6番手の宿口陽一にバンク上段まで上がられ仕掛けられない。それでも打鐘前から仕掛けた宿口の動きに乗ると、4コーナーから外に持ち出して最終ホームから主導権。続いた浅井康太(写真)がきっちりと抜け出した。
 「皿屋さんは地脚だし、あとはゴールまで持つように抜きに行くのを遅めにして。後ろに吉村(和之)さんがいたのも、木暮(安由)が宿口を入れたのも分かったのでうまく対応できた。ラインで決まったので買ってくれた人にもね。(2月全日本選抜準決勝での落車、失格を)今回、1回はお客さんの前で謝罪したかったので、それができて良かったです。(初日から修正して)踏み出しは軽いし、あとは伸び。腰もちょっとずつ良くなってます」
 前を取らされた皿屋豊だったが、落ち着いた仕掛け。ラスト1周をしっかり踏み切って、浅井とワンツーを決めた。
 「作戦と違った。あんなけん制になるとはビックリしました。切らせて引けばと思ったら、(別線にバンク上段に上がられ)スペースがないと思った。そしたら(宿口が)行ってくれたし、出られる感触もあった。落ち着いて下りを使って出られましたね。あとは残り1周なら踏み切ってしまえと。ホッとしました。(浅井は)余裕ありますよ、僕はまだまだ。でも(浅井と連係する)今回のひとつの目標は達成できました」