【ROOKIES】適性ナンバーワン佐々木悠葵が特別昇班

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 年が変わるのを待たずに、適性ナンバーワン佐々木悠葵(写真)が2班への特別昇班を決めた。自転車経験の浅さもあり、スタートはつまずいたが、9月前橋FIIで初優勝して軌道に乗った。特別昇班を決めた12月伊東FIIナイターは圧巻の強さ。高田修汰との2分戦となった決勝は、前受けの高田の誘いには乗らず、4番手で脚を溜めると、最終ホームから一気のスパート。佐々木にマークした寺沼伊織は一瞬で離れ、終わってみれば2着の高田に8車身差を付けていた。“自信があります”と話すダッシュ力は半端ではない。
 特別昇班を果たした愛弟子に師匠の矢口啓一郎(86期)がエールを送る。「1・2班でもまれるんじゃないですか。距離が踏めないんで、自分のトップスピードだけでやっている。ダッシュは申し分ないし、俺も離れちゃうくらい。だけど、まだ長い距離で戦うレースができてない。彼の中では自分より(在校が)劣っていた人が特進したりしているんで、色々な思いもあるかもしれない。だけど、自分から見たら順調だと思う。まだ、自転車をまたいで2年も経ってないんじゃないかと。練習のフォームがきれいだけど、競走はバタバタしている。それでもデビューの頃から比べると少しは落ち着いた。もっと1回、2回、3回と脚を使えれば(上のクラスでも)面白い。スピード域はS級1班のものがありますから。年内に特進ができたんで、いいんじゃないかと。過信しすぎず、自信を持ってやればいい」。ワールドカップケイリンで優勝した実績もある稀代のスプリンターで、関東を代表する機動型でもあった師匠も認める好素材だ。改めて9車立てのレースで始まる出世ロード。初戦が待ち遠しい。


 

 宮下一歩(写真)が待望の初優勝を逃げ切り3連発で果たした。舞台は12月1日~3日の京王閣FIIナイターだ。
 「寒くなってきたけど、長野はもっと寒いので問題ない」と臨んだシリーズはまず予選を楽勝。「上がりタイム11秒9。(この時期に)そんな良いタイムが出ているのなら悪くないかも」。好スタートを切ると、準決は圧勝にも「緩んだら行くという作戦だったので早めに仕掛けた。でも、(2コーナーの)上りで仕掛けたのは反省。付いて行きにくいと、よく後ろの選手に言われる」と、気を引き締めた。
 迎えた決勝の内容は文句なし。赤板1センターから先手を奪うと、11月立川FIIを完全優勝している浅見隼の巻き返しを合わせ切り、すでに4Vをマークしているライバルの板垣昴のまくりをも封じてみせた。
 「自分のレーススタイルでできている。同期は強いので前の方にはいないとと思った。力は出し切れたと思う」。先行に徹する走りに一段と自信を深めていた。今年のレースも12月23日からの松阪FIIモーニングで終了。持ち前の強靭な地脚を武器に、新年のさらなる飛躍を誓う。


 

 デビュー戦の地元平FIIで、目標にした現S級の高橋晋也が内に詰まる展開から慌てずまくりに転じてV奪取。以降は、10月宇都宮FII、同月向日町FII、11月平FIIナイターとコンスタントにVを飾っている。4回目の試験で競輪学校に合格し、在校成績は41位と目立つ存在ではなかったことを考えれば、選手生活の最初の半年間は順調だったと言って良さそう。
 「成績は安定しているけど、まだまだだと思っています。同期に負けないようにしたい。寒くなってきたけど自分はあまり影響を感じていない。小原佑太君を参考にして発走ギリギリまでアップをしているので、そのおかげですね」
 持ち前のダッシュには卓越したものがあり、トップスピードも高い。だが、レースは生き物。単純に脚力だけで勝てるものではない。学ぶことが多いと話す。
 「ラインを考えるとガツンと行くばかりでは駄目だけど、脚質的に一度スピードに乗せないと踏み直しがきかない感じなので…。レースの中でペース配分や緩急をコントロールするのが今の課題だと思っています」  取り組んでいる押さえ先行でも結果を出せるようになれば怖いものなしだ。