【ROOKIES】脇本勇希が無敗での特別昇班を目指す

■Pickup Race

 115期勢がデビューして1カ月が経過した。2場所をともに完全優勝しているのはナンバーワンの坂井洋と脇本勇希(写真)の2人。まずは先陣を切って脇本が6日からの京王閣で最短での2班特別昇班を目指す。脇本の兄は言わずと知れたナショナルチームのエースで、競輪界のトップに君臨する雄太(94期)。デビュー前から注目を集めてきたが、脇本自身も国体ケイリン2位、ジュニア世界選手権のチームスプリントで入賞という実績を引っ提げて競輪学校に入校し、在校時にはHPD教場に選抜された逸材だ。在校成績は35位に止まったものの、デビューするやオール逃げ切りで勝ち星を6つ並べた。京王閣では、デビュー戦を完全優勝している磯島成介、在校6位の佐々木悠葵の同期勢らが特別昇班を阻止すべく待ち構える。しかし、在校4位の外田心斗も破っている脇本だけに不安は少ない。兄が見ている以上、チャレンジ戦では負けられない。


 

■Pickup Rookie

 在校10位タイの村上竜馬(写真)が順当に実力を発揮している。デビュー戦の7月奈良FIIの決勝は、先まくりの佐藤礼文を追うも逆転ならず、112着で目標にしていた完全優勝はならなかったが、2戦目の同月大垣FIIは完全V。決勝は山口聖矢、松坂侑亮と、ゴール前は横一線となる壮絶な同期対決を制した。中団先まくりから自ら再三ブロックにいって激しく抵抗する山口を1/8車輪退けた村上の上がりタイムは11秒3。まだまだ緊張感が抜けない中で「冷静に考えて自分のタイミングで仕掛けられている」。学校時代にまくりで6勝、2着4回をマークした高いトップスピードが今は一番の武器。今後もタイミングを見計らってのカマシ、まくりで白星の山を築いていく。


 

 在校成績は21人中21位。“先行主体に戦ったけど、着に残れないことが多かった”とゼロ勝、2着4回に終わった。しかし、学生時代には陸上競技走り高跳びで全国大会に出場し、適性で入校を果たした身体能力の高さは大化けの可能性を秘める。その片鱗をうかがわせたのが2戦目となった福井FIIの最終日一般戦だった。776着に終わったデビュー戦の7月佐世保FIIナイターに続き、5着、7着と予選は苦戦したが、最終日は違った。レースは飯塚朋子が最終ホーム入り口から飛び出したが、佐々木はこの仕掛けを追ってホームからスパート。一度休んで2コーナーから再加速すると、バックで飯塚を捕らえて先頭に。最後は佐々木恵理のまくりに屈したが、2着でデビュー2戦目にして連にからんだ。
 20歳とまだ若く伸びしろはたっぷり。116期勢の中でも自力で戦う意欲が高い一人。172㎝の雄大な体格から繰り出すタテ攻撃には注目していきたい。