【ROOKIES】奈良競輪場でデビューの南円佳は先行に迷いなし

■Pickup Rookie

 「先行が一番カッコイイ戦法」と、自転車競技歴ゼロからガールズの道に進んだ南円佳(写真)は、先行の魅力に取りつかれ、競輪学校でも積極策を身上とした。競走訓練では高木佑真と並び、同期トップの先行回数を誇っている。卒業後は地元の鹿児島で、デビューに向けて練習を積んでいる。
 「街道を中心とした練習なので、ひとりでやることも多いですね。あとは師匠の上吹越直樹さんに合宿にも誘っていただいています。まだ、自分の脚力が伴っていないところもあるんですけど、大きい走りで自分の脚を見せられるようにしたい。デビュー戦までに鍛えます」
 7月8日の奈良からデビュー。徹底先行タイプが不在といってもいいシリーズだけに、南の逃走劇を期待せずにはいられない。


 

■Pickup Race

 115期の男子では、地元の板垣昴、高橋晋也をはじめ、阿部架惟都、佐藤礼文、武田亮の東日本の5人が、ここからプロとしての第一歩を踏み出す。ガールズからは、三森彩桜(写真)村田奈穂の2人がデビューを予定している。待望のプロ初戦を地元で果たす三森は、追い込み、マークを主に成績を残し在校10位。追走技術には確かなものがあり、レースの流れにさえ乗り遅れなければ入着が期待できる。高木真備、鈴木奈央、林真奈美らの機動タイプを相手に、三森の立ち回りが地元ファンから脚光を浴びる。三森に次ぐ在校11位の村田も、学校では安定した成績を残しているように堅実なタイプ。自在性がどこまで生かせるか、まずは初日の予選に目を向けよう。


 

 ガールズでは、高木佑真、清水彩那の116期2人がデビューする今シリーズ。男子115期からは、小原佑太(写真)、鈴木涼介、福田滉、寺沼拓摩、齋木翔多の5人が初舞台を踏む。その中でも注目は、在校7位で卒業記念では決勝にコマを進めた小原だろう。アマチュア時代からポテンシャルを高く評価され、ナショナルチームから誘いを受けたほどだ。
 「自分のスタイルである先行を曲げたくなかった」と、卒業記念決勝では内容にこだわり先行策。チャンプの座こそ逃したが3着に粘った。菊谷信一、葉狩伸泰と大阪勢の実力者もいるが、強力な先行タイプは見当たらない。学校からの信念を貫けば、積極的な仕掛けを見せる小原に自ずと結果はついてこよう。
 競走センスある鈴木も侮れないが、競走訓練での先行回数が上位の寺沼、粘り強さを生かして先行にこだわっていた齋木も軽視はできない。