【ROOKIES】坂井洋がS級優勝一番乗り

■Pickup Rookie

 ナンバーワン坂井洋(写真)が11月平塚FIで早くもS級初優勝を飾った。S級特別昇級こそ高橋晋也に先んじられたが、2場所目での一足先の優勝。素直に喜びを爆発させた。
 「緩んだところで行こうと思っていたけど、(打鐘)4コーナーでペースが上がったので、行けるところで行こうと構えました。(中団を取った河村雅章に先まくりされたが)ここを乗り越えなければチャンスはないと思って思い切って行きました。(勝てたけど)内容はダメでしたね。(次は)内容を修正して臨みたい。先輩に信頼して前を任せてもらえるような選手になれるように頑張っていきます」
 カマすタイミングは何度かあったが、勝負所で7番手のまま動かずの最終2コーナーまくり。先まくりの河村がブロックされて外にふくれた3コーナーを難なく乗り越えての圧勝だったが、マークしていた小林大介は付け切れなかった。上がりタイムも11秒0と秀逸で、力は見せつけたものの、組み立ての甘さを感じさせたのも確か。しかし、そこは本人も自覚十分だ。次走は12月8日からの向日町FI。吉澤純平、神山拓弥と同地区のトップクラスと一緒の開催で、次世代のスター候補らしい豪快な走りを披露したい。


 

 “大空”と書いて“つばさ”と読む競輪選手らしい名前を持つ宮崎大空(写真)。デビューから一気に飛翔とはいかなかったが、着実に存在感を発揮し始めている。デビュー3戦目で初勝利を挙げると、以降は毎場所コンスタントに連対を重ね、直近の11月立川FIIも2④1着。9月豊橋FIIミッドナイト、10月小松島FIIモーニングでは決勝進出を果たしている。
 「普段は、松川高大さんや、松岡貴久さん、曽我圭佑さん達と練習させてもらっています。(中川)誠一郎さんとも一緒に乗る機会があったりして、すごい良い環境で練習させてもらっています。誠一郎さんには立漕ぎの踏み方のアドバイスをもらえました」
 高校時代にはスクラッチ競技で活躍した地脚タイプ。今のところ決まり手は先行とまくりが半々だが、先行意欲は高い。
 「もっと先行したいんですけど、気持ちの弱さが出てしまって仕掛け切れない場面が多い。地脚なので長い距離を踏む事には自信があるんですけどそこに持っていくまでが課題です」
 チャレンジでレースを覚え、先行力を磨いてはばたく日を待ちたい。


 

■Pickup Race

 児玉碧衣が競輪祭イベント後の急病で欠場。久米詩の追加参戦で、116期勢の動向から俄然、目が離せないシリーズとなった。デビュー当初は苦戦の方が目立った116期勢だが、レースに慣れるに従って存在感を発揮。決勝進出も当たり前の光景となったし、5人が優勝を果たしている。10月大垣FIIを制するなどすでに主役クラスの活躍を見せる久米と並び、V候補に名乗りを上げるのが鈴木樹里(写真)だ。在校2位で、卒業記念チャンピオン。切れ味鋭いタテ脚を持ちながら、デビュー後はそれを生かせないもどかしい走りが続いた。しかし、約1カ月競走が空いて練習十分で臨んだ11月和歌山FIIを連勝で勝ち上がると、続く同月取手FIIでは初優勝を3連勝で達成。“ガンガン踏んで進んでいく感覚があった”と予選2、決勝では中団位置に押し上げてからのまくりで吉村早耶香、東口純らを圧倒した。もう一人の116期生の清水彩那も同じ取手FIIの予選2をカマシ先行で敵の反撃も合わせ切る強い内容で勝利。“バイク練習をしてきた成果が出たかな”と自信を深めていた。
 しかし、本領を発揮してきた116期3人に、ガールズグランプリトライアル帰りの強豪が立ちふさがる。僅か3万円差でグランプリ出場を逃した小林莉子は地元のここから再出発。荒牧聖未、坂口楓華もガールズ屈指の機動型だ。さらに充実一途の成田可菜絵もいて、V争いは激しいものとなろう。