【ROOKIES】まだ全てにおいて足りない!!




■Pickup Rookie

 ナショナルチームBに所属する高橋晋也とともに115期をリードするナンバーワン。特別昇級2場所目の11月平塚FIでは優勝も果たしている坂井洋(写真)がブロックセブンではあったが、1月立川で記念競輪に初めて姿を現した。
 「特進できて良かったけど、上で戦うにはまだまだ力不足ですね。自分の持っている力すら出させてもらえないのが現状です。手も足も出ない。経験もそうですが、もっと勉強をしてかないと。そのために出るタイミングとか1走、1走を大切にしたい。自力でやっている以上は、ねじ伏せるような力がないと。1月、2月も記念(のあっせん)が入っていないので、ここで雰囲気を味わいたい」
 注目の一戦は打鐘からの押さえ先行。冷静に流してからのスパートで坂本修一、伊藤信のまくりは合わせ切ったが、3番手で脚を溜めた齋藤登志信の強襲に屈しての2着は、悔しさの残る結果だったようだ。
 「(大学の)先輩が後ろだったので動かなければと思って。7車立てだし、勝つならまくりだったかな。得意の形に持ち込めませんでした。2着では…。また頑張るしかないですね」
 目指す地点が高いだけに、練習での力を発揮できない現状が歯がゆくてならない。
 「上の方と比べると、ダッシュもトップスピードも持久力も全てにおいて足りない。ライン戦で先頭で走ると持ち味が出せない。だけど、カマシだけでなく、押さえ先行とか苦手の競走でも勝ち上がっていきたい」
 スピードが上がったところからのカマシ、まくりならS級上位クラスとも互角に渡り合えるのは分っている。だが、その勝ちパターンに持ち込むにも足りないものがある。今年はそれを埋めていく一年となりそう。


 

 12月伊東FIIナイターで特別昇班を果たしたばかりの佐々木悠葵(写真)が1月松戸FIIナイターで早くも1・2班戦連続Vを達成した。前走の12月地元の前橋FI決勝を目の覚めるようなまくりで制した佐々木は、松戸でも連日別線に大差を付ける豪快なまくりを連発。115期適性ナンバーワンの実力はやはり半端ではなかった。
 「行ける所から積極的に仕掛けようって思って走っています。前回(前橋)は力を出し切った結果、優勝できたって感じですね。まだ勝ちを狙うっていうよりも9車のレースに慣れる事が第一だと思っているので。予選は前を好きなように走らせすぎて掛かってしまってキツかったし、準決も大事にいきすぎてあおりで飛んだかと思いました」
 課題を口にしながら臨んだ決勝だったが、ホーム手前4コーナーからの仕掛けで“番手が強いから”と話していた前S級の磯田旭の追撃をも許さない完勝劇。組み立てはまだ単調だが、そのダッシュ、スピードはA級レベルを超えている。Vol47で、佐々木が特別昇班を決めた際に師匠である矢口啓一郎のコメントを紹介した。“まだ長い距離を踏んで勝負できていない”との師匠の指摘した課題を残したまま、“1・2班でもまれるんじゃないですか”との予測を覆す早さでS級まで駆け上がってしまうかも知れない。


 

 10月に特別昇班を果たした城戸俊潔(写真)が1・2班戦では準決の壁に苦しんでいる。7車立ての12月奈良FIIミッドナイトでは初めて準決2着で決勝進出を果たしたが、今年初戦の1月別府FIIではまたしても準決4着。ここまでの準決の成績は6着、4着、5着、4着、7着、2着、4着。なんとももどかしい状況だ。
 「(決勝に乗った)奈良の準決も中団を取れたけど、出切れなかったし内容的には駄目でした。チャレンジと1・2班戦の流れの違いに戸惑いがありますね。とにかく準決をクリアできないと話にならない。まずは流れに乗れるように対応していかないと。カマシ、まくりが得意で、今のところは得意な戦法を続けていきたい。どこまで通用するかわかってから、押さえて駆けたりはやっていくつもり」
 とはいえ、11月川崎FI、直近の別府の準決は“後ろの事も考えて”押さえ先行で戦った。結果として着外に沈み、「自分のペースで踏めたけど、そこからが駄目。力不足でした。もっと練習で脚力を付けないとということですね」と現状を思い知らされた。だが、脚があるのは予選、敗者戦では6勝をマークし、確定板を全く外していない成績が示している。“今期はS級点を取りたい”と目標はハッキリしている。まだまだ粗削りだが、自分の力を無駄なくレースで出し切れるようになれば、実現できるだろう。