【ROOKIES】課題をもって風を切る張野幸聖

■Pickup Rookie

 昨年末の西武園ミッドナイトの単発レースを含めて10連勝。張野幸聖(写真)が、3場所連続の完全Vで1月にチャレンジを卒業した。特班最初の和歌山FIを175着。初日予選はまくりで白星を挙げたが、課題の残るシリーズでもあった。
 「(前回は)初日は勝てたけど、準決でなにもできずに終わってかなり悔しかった。それで最終日は強気に突っ張って駆けたけど、同期の晝田(宗一郎)君にまくられてしまった。脚がないってことですよね」と、振り返った。チャレンジではまくりを多用していただけに、A級1、2班にステージ上げてからの立ち回りが注目される。
 「もともと脚質は地脚で、初速が苦手なんです。だからスピードをもらってのまくりが得意。チャレンジではまくりや、追い込みばっかりだったし、それで勝てていた。でも、上では通用しない。これからは先行して脚をつかっていきたい。なにもせずに終わるのだけは嫌なので、思い切って仕掛けたい」
 その言葉通り続く大宮の初日予選では、長走路でも敢然と風を切ってラインでワンツー。2日目の準決はまくりも早めの仕掛けが目を引いた。
 「今回は先行することと、しっかり力を出し切ることを目標にしていた」
 決勝は追い込み届かず惜しくも準V。A級1、2班での初優勝はお預けになったが、これからは先行の決まり手が増えてくるに違いない。


 

 吉堂将規(写真)が、チャレンジでは抜群の安定感を誇っている。昨年7月のデビューから直近の大垣FIIの14場所を終えて、優出を逃したのは僅差の2着争いで4着に沈んだ11月の立川FIIだけだ。あとの13場所ではしっかりと決勝にコマを進めている。12月には川崎FII、西武園FIIを6連勝で連続の完全V。続く岐阜FIIでも初日、準決を逃げ切って、特班にあと1勝と迫ったが決勝は準Vに終わった。次の佐世保FIIの決勝では同期の武田亮とからんで、落車のアクシデントに見舞われた。怪我の影響が心配されたが、気持ちをリセットして仕切り直した直近の大垣FIIを3連勝で通算3度目の優勝につなげた。特班失敗と落車で気持ちが折れてもおかしくなかった吉堂の完全Vは価値がある。次回は2月14日からの奈良FII。初のホームバンクに燃えないわけがない。連勝を伸ばし、再び特班に王手をかけたい。


 

■Pickup Race

 高木佑真(写真)、出口倫子の116期の2人が、2月7日にスタートする平FIIのナイターシリーズに登場する。デビュー15場所目の地元、佐世保FIIで初めて決勝の舞台を踏んだ出口は、続く京王閣FIIでも優出。デビューから半年が過ぎ力をつけてきた印象だが、いまだ未勝利。それだけにV争いという点において、視線が注がれるのは高木だろう。
 高木は前回の松阪FIIを122着。3日間すべてで最終ホーム、バックを取って主導権を握った。ケレン味のない仕掛けでオール連対。決勝は早めに先頭に立ってレースを支配した。橋本佳耶を合わせ切り、初優勝のところまであと一歩だった。今シリーズは尾崎睦、大久保花梨とガールズケイリンでもトップクラスの機動型が相手で、先行はもとよりレースの流れに沿った立ち回りが求められそうだ。松阪に続く好走に期待したい。