【ROOKIES】デビューから9連勝で寺崎浩平が特班

 「正直、負けられないと思っていたし、ここからがまた次のスタート」
 デビューの和歌山FII、奈良FIIと負け知らずの寺崎浩平(写真)が、2月6日の四日市FIIの決勝で次元の違うまくりで3場所連続の完全V。昨年12月25日に日本競輪選手養成所の早期卒業を果たしてから、わずか43日でチャレンジも卒業した。初日、準決を危なげなく逃げ切り、最終日の決勝は気温の低下と強風による悪条件のなかで、2着の宮崎大空に2車身差をつける完勝。制度導入以来、初めての早期卒業で注目を集めたが、その重圧に押しつぶされることもなく人気に応えた。
 「デビューした和歌山とかより力みがなくなってきた。(まくりは)力を出し切れば、届くっていう感触があった。(強風と寒さで)これ以上悪いコンディションはないと思うし、それで勝てたのは自信になった」と、決勝を振り返った。
 デビューして最初の目標でもあったA級2班への特班。もちろんA級1、2班戦で足踏みするつもりはない。
 「みなさんに注目していただけるのはありがたい。これからもその注目に応えられるように。今日は素直にうれしいけど、まだこれがスタート。(S級特進まで)あと9(勝)。ようやく折り返しだし、まだ負けるわけにはいかない」


 

 競走でのインパクトという点では、寺崎を上回っている感もある菊池岳仁(写真)は、2月7日からの宇都宮FIIシリーズでのA級2班の特班に大きな期待がかかる。岐阜FII、京王閣FIIとデビューからの6連勝は、すべて最終バックを先頭で通過している。6勝目となった京王閣FIIの決勝以外は、すべて逃げ切りでのもの。「脚質はまったく正反対」と、寺崎が言うように、それぞれの持ち味が違う。それだけに早期卒業の2人のレースには、また興味が注がれるものがある。2月7日からの宇都宮には、115期の三浦貴大、松尾勇吾もいるが、菊池の先行力が群を抜いている。本来の力を発揮できれば寺崎に続く特班が濃厚で、怖いのはアクシデントだけかもしれない。