『松山競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 最終日編

松山競輪開設70周年記念「金亀杯争覇戦」は3月15日が最終日。

最終12Rに決勝戦が行われた。

平原康多、松浦悠士の自在型対決が注目された決勝戦は平原が打鐘過ぎ2センターからのカマシ先行で押し切り。1月大宮以来となる通算22度目の記念優勝を飾った。

決勝戦 レース経過

 号砲で飛び出した守澤太志が平原康多を押さえて前を取り、根田空史-守澤が前受け。以下は、平原-諸橋愛、松浦悠士-稲川翔-志智俊夫、中川誠一郎、杉森輝大で周回を重ねる。
 青板の2コーナ手前から動いた松浦は、根田の横まで上昇し、赤板で誘導員を降ろしてハナに立つ。平原が4番手に続き、単騎の中川、杉森が6、7番手。根田は8番手まで下げて打鐘を迎える。なかなかペースを上げない松浦に対し、平原は2センターから反撃開始。最終ホームで松浦を叩いて先行勝負に出る。中川は関東コンビを追うも、3番手に飛び付いた松浦のけん制で失速。諸橋が徐々に平原との車間を空けはじめると、中川が再び松浦と併走になってバック線を通過する。快調に逃げる平原を先頭に4コーナーを回ると、車間を詰める勢いで追い込んできた諸橋を振り切ってV。地元の1月大宮に続く、今年2度目の記念優勝を飾った。諸橋が2着で関東ワンツー。3着には態勢のまま松浦が入った。

平原康多選手
平原康多選手

 競輪界を代表する自在型の対戦は勝負どころで腹をくくれた平原康多(写真)に軍配があがった。「今日(最終日)は先行かもしれない」。レース前、諸橋愛に話していたとおり打鐘過ぎから駆ける展開に。前回の2月奈良記念決勝では松谷秀幸に差されたが、今度は諸橋の追撃を振り切った。
 「バックでは諸橋さんの優勝だと思ったんですけどね。まさか逃げ切れてるとは思わなかった。松浦は待ってる感じだし、そこを根田(空史)にズコンと行かれると自分たちのチャンスはない。腹くくって、どこまで残れるかの力勝負だった」
 試行錯誤を繰り返しながらやってきたことがようやく実を結ぼうとしている。2月全日本選抜からは「(力を)伝えたときの自転車の進み方が合ってきた」。奈良記念、今大会で見せた圧巻のパフォーマンスには確かな裏付けがある。
 「去年、色々フレームとかを試行錯誤して、かなりレースで失敗してお客さんに迷惑をかけた時期もあった。去年、一昨年の失敗があって今がある。調子はずっと悪いわけじゃなかったので。今は自分の走りに納得できてる。動きたいところで動けてるので、ようやく自分がしたいような走りができてるかな」

 次節は今月26日から福井競輪場で開幕するウィナーズカップ。完成形に近づこうとしている平原のGレース連覇に期待だ。

 諸橋愛にとってはこの上ない好展開だったが、逆転はならず。レース後は「取りこぼした。残念」と悔しがることしきりだった。
 「タイム(平原が上がり11秒3)を見て納得しました。昨日(準決勝)より早めに踏んでるのに、踏んだ瞬間にアレッ?と思った。康多が踏み直してて、逆に追いつかない。こりゃいかんと一生懸命踏んだけど、追いつかなかった。ここは取りたかったけど残念。自分が弱かった」

 切って関東3番手に飛び付いた松浦悠士だったが、最終4コーナーまで中川誠一郎にへばり付かれてコースが空かず。3着流れ込みに終わってしまった。
 「(初手)中団が良かったけど、スタート失敗しました。もう駆けちゃおうと思ったら平原さんが来たので。早めに誠一郎さんをドカしときたかったし、ドカすべきでした。仕掛けてないので、それがダメですね。付いてくれた2人に申し訳ない」

 中川誠一郎は平原の仕掛けに口が空いてしまったのが痛かった。
 「まさか(平原が)行くとは思わなかった。根田のカマシに意識が行ってたし、松浦のペースかなと思ったら平原がピュッと行った。付いていくかどうかも迷ってしまって、その分浮いてしまった。でも外で粘れたほうでしょ。最近は自分をイマイチ信じ切れてなかったけど、久しぶりに(開催を)楽しめました」

 根田空史は後方のまま身動きが取れず。番手の守澤太志と8着、9着に敗れてしまった。
 「平原さんに単騎組がついてたので、引くのに時間がかかってしまった。平原さんは切って(自分たちを受けて)3番手かなと思ったら切らなくて…。タイミングを取ってる間に行かれて、付いてくことができなかった。最悪ですね」

 
 
次回のグレードレースは3月20日~22日まで久留米競輪場で「第10回 国際自転車トラック競技支援競輪」が開催されます。昨年までS級S班の村上義弘、武田豊樹をはじめ好メンバーが参戦。ガールズケイリンも2レース組み込まれた注目のシリーズです。3月10日時点の出場予定選手データを分析した「国際自転車トラック競技支援競輪」の主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。

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