【ROOKIES】伊藤颯馬が2戦目で本領発揮

■Pickup Rookie

 デビューするやチャレンジ戦線を席巻している115回生。伊藤颯馬(写真)も2戦目の小倉ミッドナイトで谷和也、吉堂将規との同期対決をまくりで制して初優勝を飾った。
 「嬉しいです。作戦通り落ち着いて走れました。中団を取って、あとは後ろから谷選手が来るので、前に出させないように仕掛けました」
 前川大輔-荒井春樹の実力派東コンビを行かせて、3番手をキープ。前をよりも後ろの同期を気にしながらの仕掛けはまだ見ててハラハラさせる面はあったが、そのレース運びの甘さを補って余りあるダッシュ、スピード。大井崇の抵抗をねじ伏せて逃げ切った予選、ホーム手前からカマシ気味に仕掛けて後続を5車身千切った準決勝と合わせて、115回生屈指のスプリンターとの前評判通りの強さを見せ付けた。デビュー戦の武雄モーニングは、師匠の仲松勝太との約束を守って3日間、バックを取る競走に徹したが、緊張から力が入り過ぎて323着と末を欠く結果に終わっていたが、2戦目は伸び伸び走って結果を出した。明るいムードメーカーは8月10日からの広島モーニングに6連勝を目指して出走する。


 

 115期勢の攻勢は、成績上位者や前評判の高かった選手によるものだけではない。競輪学校時代は僅か2勝で48位と目立たなかった阿部架惟都(写真) も2戦目の京王閣ナイターで211着と初勝利、初優勝をゲット。準決勝では卒業記念レース覇者で115期ナンバーツーの山本修平のまくりを封じて堂々逃げ切り。見事に下克上を果たした。
 「山本さんが来る前に駆けてやろうと思っていました。学校時代にはかなり実力差があったのでまさか勝てるとは思わなかった。すごく自信になりましたね」
 と声を弾ませた。決勝は東北が4車そろっての番手回り。「番手は学校時代にも経験がある」と、デビュー戦のいわき平ナイターで優勝の板垣昴のまくりに乗ってチャンスをモノにした。高校時代にはアルペンスノーボード自転車競技の二刀流で活躍した異色のレーサーは、自信を持つ踏み出しのキレを生かした自力戦で存在感を発揮する。


 

■Pickup Race

 7月25日初日の西武園ミッドナイトを走るのは加藤舞、伊藤のぞみ(写真)の2人。ともにデビュー戦は課題を残しながら、見せ場を作っていて、2戦目の走りも注目される。伊藤はデビュー戦の豊橋FIを532着の準Vとアッと驚かせた。予選1は勝負所で積極的に動いて好位を狙って出るも及ばずだったが、予選2は落車を避けて決勝進出。その決勝は、先行した加藤恵の3番手から直線鋭く伸びてあわやデビュー戦優勝の走りを披露した。佐藤亜貴子のまくりを差してデビュー戦の青森で予選1をいきなり勝利した加藤ともども流れに乗って好位キープに成功なら面白い。
 ただし、今節は別府ガールズケイリンフェスティバルで決勝に乗った梅川風子、長澤彩に、吉村早耶香、野本怜菜とガールズ屈指の機動型がそろう。さらに、位置取りに長けた當銘直美、中村由香里、元砂七夕美も控える強力メンバー。デビュー戦とは違う緊迫感に、初のミッドナイト開催。新人2にとっては試練の一戦ともなりそう。
 また、同時に行われるチャレンジ戦には、115期からデビュー戦で卓越した先行力を披露した小原佑太、朝倉智仁に、照井拓成、浅見隼、宮下一歩の5名が初優勝をかけて出走する。