【ROOKIES】齋木翔多が特別昇班に挑む




■Pickup Rookie

 齋木翔多(写真)が特別昇班を目指して23日からの松阪FIIミッドナイトに登場する。競輪学校在校時の競走訓練は未勝利に終わり、69人中67位と低迷したが、高校時代は自転車競技で活躍した好素材だ。競走訓練で結果を恐れず積極的な走りを心掛けた結果が、デビュー後の期待通りの快進撃に繋がった。地脚を生かした徹底先行の競走スタイルを貫いて驚異的なペースで勝ち星を量産。11月宇都宮FIIでの最初の特別昇班のチャンスはまくり不発に終わったが、年が変わって“ここから9連勝して特班を狙う”と臨んだ1月取手FIIを完全V、続く奈良FIIも同期のライバルを寄せ付けず完全優勝し、有言実行の特別昇班をこの場所で目指す。
 「脚力はチャレンジだから勝てている感じですね。末脚もそうだけど、もっと脚力を付けて、押さえ先行でも後ろを千切れるぐらいに踏めないと上では通用しないと思っています。最近の課題は末脚ですね。予選とかなら押し切れるけど、勝ち上がるにつれて末脚の甘さが出てきちゃう。そこは練習でどうにかするしかないけど、レースでも力まないように走ってうまく踏み直したい」
 結果に満足することなく、上での競走を見据えて地力強化に励んでおり、モチベーションは高い。松阪では、卒業記念レースチャンピオンで、在校2位の山本修平をはじめとする同期のライバル4人に、本格化してきた113期の前川大輔らが包囲網を敷くが、持ち味の積極策で今度こそ突破してみせるか。


 

 12月川崎FIIで特別昇班を果たした今野有樹(写真)が、1月小倉FIIミッドナイトで1・2班戦初戦を迎えた。前走から1カ月空いての実戦とあって、大仕事をやってのけるかもと自ずと期待は高まった。
 「どちらかと言えばまくりが得意なんですが、デビューしてからは、色んなことを試しながら走ってます。特班できたのは本当にたまたま。デビューしてからこんなに(レース)間隔が空いたのは初めてで、自分のやりたい練習がしっかりできました。ミッドナイトだから7車立ては変わらないけど、初戦なので、探りながら走る感じになりますね。もうS級で活躍している同期もいるので、自分もしっかり頑張って今年中にS級に上がりたいと思ってます」
 満を持しての一戦は161着。非凡な機動力を発揮して2勝を挙げたが、準決は先行テクニックにかけては右に出る者のいない前S級の坂木田雄介に手痛い洗礼を浴びた。白上翔が切った上を打鐘で押さえた坂木田に対し、すぐさま巻き返して行った今野だったが、ここからが坂木田の真骨頂。絶妙なタイミングで踏み上げて、踏み上げて今野を出させない。外併走を強いられた今野は3番手の白上、さらに番手の泉慶輔のブロックを受けて最終3コーナーで力尽きた。
 「誰も取らないだろうから前を取って、下げて早めに行こうと思ってました。ジャンで緩んでいたんで仕掛けたんですが、(坂木田に)合わされました。ヨコに当たられることも今までなかったんで厳しかったです。チャレンジとはやっぱり全然違います。勉強になりました」
 こう準決を振り返った今野。すぐに気持ちを切り替えて新たに始まった戦いの今後を見据えていた。次走は22日からの防府FIだ。


 

 ここにきて壁に当たっている感がある伊藤奎(写真)。高校時代から自転車競技で活躍し、競輪学校では21勝を挙げて18位で卒業した伊藤のデビュー当初の勢いは凄まじかった。10場所走った時点で4Vに、準Vが2回。30走で確定板を外したのは3回のみだった。ところが、11場所目の11月大垣FIIミッドナイト136着以降は、12月岐阜FII166着、武雄FIIミッドナイト226着、1月取手FII137着、高松FIIモーニング141着と失速。決勝を外している場所まである。
 「師匠(金成和幸)が凄く面倒見の良い方で、毎開催終わった後に電話して、反省会をしています。その後は、一緒に練習してもらって、駄目だった部分や、できなかったことを重点的にしごいてもらっている。最近は1着を意識し過ぎて、中途半端なレースが増えてきてますね」
 体調等の問題ではなく、組み立ての問題で袋小路に入ってしまったようだ。掛かり強烈な地脚が最大な武器だが、元々、先行に対する強いこだわりは持ってこなかった。“緩んだところを仕掛ける”をモットーに、流れや相手に応じて先行、まくりを適宜使い分ける競走スタイルだったが、最近はレースを見過ぎてしまう悪い癖が目に付くのは確か。
 「完全にまくりの選手だと思われていますね。先行するつもりでいつも戦っているけど、自信もないし、ここで仕掛けて持つのかなとか色々考え過ぎてしまっている。年も変わったし、先行にしてもまくりにしても全力でがむしゃらに踏むことから始めていこうと思っています」
 脚はチャレンジトップクラスなのは過去の走りで証明済みだ。きっかけ一つで一変するはず。早い段階で立て直して再び豪快な走りが見たい。


 

情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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