【ROOKIES】張野幸聖に強敵がそろう

■Pickup Race

 同日程の岐阜FIIでは吉堂将規が特別昇班を目指すが、この開催には、張野幸聖(写真)が特別昇班にリーチを懸けて出場する。“もっと先行して戦法の幅を広げていきたい”と抱負を話す張野だが、やはり自信を持つのは、持ち前の地脚を生かした加速力抜群のまくり。12月高松FIIモーニング、和歌山FIIを連続完全優勝して臨んだ西武園FIIミッドナイトフィナーレのチャレンジ企画レースも、3番手から先まくりの宮崎大空、最後方で仕掛けが遅れた磯島成介らを最終2コーナー5番手まくりでぶっ千切って勝っている。ここは、結果を恐れず自分のレースに徹することに迷いがない田上晃也、先に特別昇班した小畑勝広に代わって追加出走する115期きって徹底先行の宮下一歩とライバルも強力。加えて前記の西武園ミッドナイトフィナーレの3日制を優勝した前川大輔もいる。田上とは初対戦で、前川には対戦成績で大きくリードしているが、宮下とは一度の対戦で先行をまくれずに終わっている。いずれにせよ、勝負所で一度はしっかり動いて、相手のペースを許さないことが特別昇班への鍵となる。
 また、この取手開催はガールズ戦も実施され、116期の出世争いをリードしている吉岡詩織、久米詩がそろって出場する。総合力の高さはガールズ屈指の長澤彩、先行基本の走りで上昇一途の太田美穂、一戦一戦集中力高く走って結果も出している加瀬加奈子を相手に、持ち前の積極策がどこまで通用するかは見ものだ。


 

■Pickup Rookie

 今やS級にまで上がった朝倉智仁と8連勝同士でぶつかった9月平塚FIIナイター決勝。この争いを制して一足先に2班へと特別昇班を遂げたのが後藤悠(写真)だ。しかし、その後は明暗を分けた。1・2班戦初戦となった10月川崎FIナイターでも優参を果たした後藤だったが、決勝で落車して右鎖骨を骨折。2カ月休んで12月和歌山FIから復帰を果たすも627着で“思った以上にデキが悪かった”と唇をかむ結果に終わった。だが、その後は2場所走って直近の同月松戸FIIナイターでは未勝利ながら決勝に進出。マークした選手が“話に聞いてたより強かった”と評せば、“まだ脚は戻り切っていないけど、調子は上向き”と本人も手応えをつかんで一年を終えた。
 「元々自転車競技をやっていたのでそこまで緊張もせずに戦えています。持ち味はダッシュなので、カマシやまくりが得意ですが、押さえて逃げる所も見せていきたい。兄弟子の藤根(岩手・113期)さんと同じGIの舞台に立ちたいので、早くS級に上がることが目標です」  仕切り直しの20年。タイトルホルダーで、目下FI線を連続優勝中の佐藤友和(88期)が師匠で周りのレベルは高い。今年中に上のステージで戦うチケットを手に入れてみせる。


 

 デビュー僅か4場所目の8月高松FIIモーニングで特別昇班を果たした伊藤颯馬(写真)が伸び伸びと走っている。115回生屈指のスプリンターは、1・2班戦初戦から決勝の常連に定着し、10月平塚FII、11月小松島FIIモーニングを連続V。その後は落車もあって優勝こそないが、準V2回で確定板を外したのは僅かに2回しかない。
 「落車の影響は全くなかったし、ここまでうまくいってるかなって感じです。カマシ、まくりが得意だけど、予選なんかではしっかり先行して力を付けたいと思っていて、先行して力を出し切っても残れるようになってきました。長い距離を踏む練習もしていて、踏み直しもできています」  まさに順風満帆。前期はチャレンジからスタートして90点オーバーの競走得点をマークした。沖縄から生まれたニュースター候補。3・92に上げたギヤも“重く感じない”とダッシュ、スピードに持久力も強化されてきた。新年はまずS級点獲得が目標となろう。