『玉野競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 3日目編

玉野競輪場を舞台に無観客で開催されている開設69周年記念「瀬戸の王子杯争奪戦」は、3月7日に3日目を迎えた。メインの準決勝3個レースは、郡司浩平、新山響平、清水裕友が勝ち名乗り。

地元の岩津裕介も清水をマークして優出を決めた。

シリーズもいよいよ大詰め。8日の最終日には、激戦を勝ち抜いた9選手による決勝戦が行われる。また、9レースでは「第115回生ルーキーチャンピオンレース(若鷲賞)」が一発勝負で争われる。

<10R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手

吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 赤板過ぎで先頭に立った吉田敏洋を、2コーナー手前で岩本俊介が押さえて主導権。前受けから下げた取鳥雄吾は打鐘手前から反撃に出るが、郡司浩平(写真)の強烈なブロックでスピードが鈍る。次に7番手でジッと脚を溜めた吉田が2コーナーまくりに出たが、岩本の番手から郡司が合わせるように踏み込んで、決勝一番乗りを決めた。
 「ジャンのところで出させるのか、引くのかどっちかなって思ったけど、踏んだのでそれならしっかり張ろうと思いました。ペースだったら岩本さんも残れたと思うけど、やっぱりジャンで結構、踏んでいたのでゴールまでは厳しそうでしたね。前回の静岡の決勝で引き付け過ぎて失敗していたので。ラインで決めたい気持ちはもちろんありましたけど、今日(準決勝)は勝ち切ることが最低条件だと思ったので、その上で判断しました」
 まくった吉田敏洋(写真)は、郡司に合わされるも2着に入った。
 「ジャンでペースが一気に上がったから、あそこで焦って踏んでいたらまくれてないですよ。絶対に緩むところが来ると思ったので、焦らずペースでと思って。初日、2日目と(番手戦で)マーク、マークだったけど、ここ3、4カ月は自力で戦えていたので、走ってみると大丈夫でした」
 吉田マークの東口善朋が3着でゴールした。
 「吉田さんが車間を空けたのか、空いてしまったのかが分からなくて、前がかなり遠く感じました。ちょっとコース取りを失敗しましたね。それでも決勝には乗れているので悪くはないですけど」

<11R>

新山響平選手
新山響平選手

佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
 8番手から動いた柿澤大貴は皿屋豊を押さえて3番手に入り、5番手に山田庸平、皿屋は7番手まで下げて打鐘を迎える。皿屋は2センターから反撃に出るが、前受けの新山響平(写真)が合わせて踏み上げ、佐藤慎太郎のブロックもあって力尽きる。皿屋が出切れないと見た浅井康太は最終ホームで3番手に降りて、バックから自力に転じてまくり出すも、佐藤のけん制で車は出ない。その後も新山は快調に逃げて、後続を振り切った。
 「いろいろと作戦を考えたけど、あれが一番落ち着いていける形でした。皿屋さんが自分の後ろからと思っていたし、前に出られるとキツいと思っていた。結構、踏んでいたつもりだったけど、(佐藤)慎太郎さんのお陰で残れた。お互いがお互いに仕事をして乗った決勝。持久系の練習を多めにしていたのでそれが出たのかな」
 新山を交せなかったが、皿屋と浅井を止める好プレーを連発した佐藤慎太郎(写真)が2着で北日本ワンツーが決まった。
 「あんなに早く皿屋君が仕掛けてくるとは思わなかった。浅井君が自分の後ろに入られるのが嫌だった。(新山)響平が強かった。頑張った。あのレースを見せていけば、グレードレースでもみんなが意識して、彼は走りやすくなると思う」
 3番手を確保した柿澤大貴は、最終ホームで浅井に前に入られたが、直線では佐藤の内のコースを踏んで3着に入った。
 「普通にやっても勝てる相手ではないので。新山君が行くと思ったので、その後ろで勝負しようと。新山君のダッシュがキツくて口が空いてしまい浅井さんに下りられてキツかったけど、諦めずに踏んで良かった。記念の決勝はもちろん初めてです」

<12R>

清水裕友選手
清水裕友選手

岩津裕介選手
岩津裕介選手
 赤板を過ぎても隊列に変化はなく、前受けの清水裕友(写真)打鐘の3コーナーから腹をくくって先行勝負に出る。6番手の蕗澤鴻太郎は4、5番手にいた近畿コンビをすくい、最終ホームでは田中誠もすくって3番手を確保。浮いた藤井は仕掛けられず後退し、快調に逃げた清水がそのまま堂々と押し切って決勝進出を決めた。
 「ジャンの3コーナーから、誰も来なかったし行きました。3着までには残れるだろうと。初日に逃げたぶん、初日より距離は短かったので。練習段階から考えていた乗り方を、今回試したら良い感じ。開発しました」
 地元の岩津裕介(写真)がしっかり清水に続き、中国ワンツーを果たした。
 「別線はみんな徹底先行だから、(誰も仕掛けてこないのは)逆にあるかもと思っていました。でも、逃げて一番強いのは(清水)裕友ですからね。カカり過ぎて誰も来れないだろうなと思っていました」
 最終ホームで木暮安由の後ろに切り替えた畑段嵐士は、2センターから内のコースを踏んで3着に突っ込んだ。
 「あのタイミングだと内しかなかったです。空くと思って入っていきましたけど、思った以上に空いてくれました」

<最終日9R ルーキーチャンピオンレース(若鷲賞)>

高橋晋也選手
高橋晋也選手
 人気の中心になりそうな高橋晋也(写真)は、前回の川崎FIでS級2V目を達成。115期の中ではトップの成績を残している。
 「S級で優勝した2回は、先輩方のお陰ですね。ジャンから先行して逃げ切れていたら、自分の力だと思うんですけど。毎レース、主導権を握れるように心掛けています。ナショナルチームで昨日(前検日前日)まで普通に練習していたので疲れはありますけど、自分は軽く疲れている方が調子は良いので大丈夫です」
 2月伊東FIで落車した小原佑太は、2場所休んで今回が復帰戦となる。
 「膝まわりの打撲がひどかったんですけど、もう完ぺきに治りました。(S級では)ヨコも激しいので、そこに対応できてないですね。まだ気持ち良く駆けられてないです。(ルーキーチャンピオンレースは)タテ脚では負けないと思うので、出どころを間違えないようにしっかり仕掛けたいです」
 城戸俊潔は、1月名古屋FIIで1、2班戦初優勝をゲットした。晝田宗一郎との地元コンビで強敵を破れるか。
 「(前回の向日町FIからは)2週間空いたので結構、練習はできました。向日町の時より、調子は良いと思います。(前を任せる晝田とは)昨日、一緒に練習したので、相手は強いですけど地元だし一生懸命頑張ります」