【ROOKIES】ルーキーチャンピオンはS級の朝倉智仁が制す

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 3月8日、玉野競輪場で記念シリーズの最終日に、「若鷲賞」115回生ルーキーチャンピオンレースが行われた。大挙、4人が出場した北日本勢での連係はなかったものの、高橋晋也、朝倉智仁(写真)、伊藤颯馬が地区を越えてラインを組んだ。レースは地元の岡山コンビが主導権。4番手をキープした高橋が最終2コーナーからまくって前団を仕留めると、続いた朝倉が小原佑太をけん制してゴール前で高橋を交わした。
 「(高橋)晋也さんの番手を回らせてもらったおかげで優勝できました。晋也さんがすごく強くて、気を抜いたらヤバいと思いました。(最後は)小原さんは絶対に来ると思っていたし、来たのが見えたので車を持ち出しました」
 S級3人でのゴール勝負に勝った朝倉は、S級では機動力を駆使してコンスタントに勝ち星を挙げている。
 「S級でやっと落ち着いて走れるようになってきたので、このまま調子を上げていきたいです。4月の高知記念が初めての記念開催なので、自分の力を出し切りたいですね。GIで戦うには、まだまだ実力が足りないので、もっともっと脚をつけていきたい」
 およそ1カ月先の高知記念を見据える朝倉の次は、3月16日からの高松FIだ。


 

 デビュー場所の地元、松戸FIIの2日目に初勝利を挙げて、その後も決勝進出を続け順風満帆だった。が、昨年11月の玉野FIIの準決で誘導の早期追い抜きで1位入線も失格の憂き目。原田亮太(写真)は、長期の戦線離脱を余儀なくされた。
 「(誘導の早期追い抜きの失格を)やってしまったことは、しっかりと反省して、あとはとにかく練習してきた。師匠(中村浩士)や、岩本(俊介)さん、根田(空史)さんとか、中村道場の方々と一緒に練習していました。ここまでいろいろな方に支えられて復帰できたので感謝しかないです」
 師匠をはじめとした周囲への感謝を忘れることなく原田が、デビューと同じ松戸で4カ月ぶりに実戦の舞台に戻ってきた。
 「松戸でのバンク練習と、低酸素トレーニング、あとは街道練習の3本柱で練習していました。なので、ダッシュとか、持久力とかいろんな面で脚力は総合的に上がっていると思う。いろいろな展開に対応できるようになっているし、休む前よりも力は確実についている」
 3月5日からのFII地元シリーズは、逃げ切りの3連勝。4カ月間のトレーニングでの成長をアピールした。完全Vでの初優勝でリズムに乗った原田は、このまま連勝を伸ばしていきそうな勢いだ。


 

 シリーズの3日間を通して積極策に出た昨年7月のデビュー場所の岐阜FIIは645着と苦しんだ。それが影響してか初優勝を飾った9月の松戸FIIがまくりだったように、決まり手のおよそ半分がまくりで、その次に追い込みが多いのが三浦貴大(写真)の現状だ。
 「練習は親父(靖・53期)と一緒に街道でしている。いい刺激をもらっています。先行基本だけど、先行にはこだわらずに勝てる選手になっていきたい」
 通算2度目の優勝となった直近の別府FIIは初の完全V。初日予選を積極策で押し切ると、準決、決勝は追い込みと落ち着いた立ち回りで結果につなげた。
 「デビューした時より、ダッシュは良くなっていると思う。だけど、ここまでに優勝は1回しかしてないので、なにが足りないんだろう…っていう感じです。落ち着いて走れるようにはなってきているし、思ったレースはできているので、全体的に底上げして脚をつけていきたい」と、2月宇都宮FIIで4場所連続の準Vを振り返っていた三浦だけに、完全Vは自信になったことだろう。