【ROOKIES】好素材の藤井侑吾が特別昇班

■Pickup Rookie

 能力評価ではオールAを獲得し、ナンバーワンの坂井洋とともにゴールデンキャップを獲得。しかも、自転車歴が浅いにも関わらず、先行主体の自力勝負を貫いて在校成績5位と競輪学校時代から逸材ぶりを見せ付けていたゴールデンルーキー藤井侑吾(写真)が、3月川崎FIIナイターで無事に3連勝を達成。3場所連続完全優勝を決めて、3月25日付でようやくA級2班へ特別昇班した。
 「ここまできたなら特班を決めたいし、狙っていきます。松尾君が連日良いタイムでまくっているし、自分が前に出切ったとしても、それは警戒したい」と気合を入れて臨んだ決勝は、同期の浅見隼(東京)、松尾勇吾(熊本)との3分戦に。前受けから引いて6番手となるが、打鐘2センターで反撃に出ると、ホーム過ぎに浅見を叩いて主導権を奪取。そのままハイスピードで飛ばして、後方からまくり返す松尾以下に4車身の差を付けて圧勝した。
 「デビューしてすぐに鎖骨骨折をやっているので、ここまでくるのに長く感じました。同期はどんどん特班していっているので取り残されている感じでした」
 “怪我をする前よりタイムは出ているし、今は小さい競走をしないように力を付けている段階。焦りはない”と以前話していたが、やはり悔しさは隠せなかった。すでにS級で優勝している選手もいるハイレベルな115期。怪我で出世争いに出遅れた分は、ここから取り戻す。


 

 前回、坂井洋の優勝を取り上げた3月佐世保FIでは、1・2班戦も同じくルーキーの小畑勝広(写真)が優勝を飾った。昨年12月31日に2班へ特別昇班した小畑にとって、1月宇都宮FIに続き2度目の優勝。しかも3日間逃げ切り勝ちと、地脚強靭な持ち味を存分に発揮する内容で、前回の2月立川FIで161着と準決敗退に終わったうっ憤を晴らした。
 「(佐世保は)軽く感じたし、調子は良かったですね。短い直線に助けられましたが、2周駆けて押し切れたのは自信になります」
 立川を走ったときには、「まだまだレースに対して不安があって、組み立ても下手ですね。自分は体重が軽いので風が最大の敵。ウエイトトレーニングなど取り組んで体を大きくしようと考えているけど、体質的に筋肉が付きにくいのかも」と課題を話していたが、昨年11月に行なわれた関東地区プロのエリミネイションで優勝していて、素質の高さは折り紙付き。
 「最後まで諦めない競走で頑張る」
 この優勝で大型先行は勢いをさらに加速させていく。


 

 3月武雄FIIミッドナイトで土田栄二(写真)が弟の武志に先んじて初優勝を達成。面目を施した。予感は正直なかった。逃げ切った予選から“脚に違和感があって重い。踏み上がらない感じ”と本人が首をひねる状態だった。準決は赤板から先制。打鐘でライバルの天野純平が落車するアクシデントがあって流しているところを、天野目標からまくりに転じた中里福太郎にあっさり行かれてしまった。それでも2着に踏み止まって決勝に勝ち上がった土田に運が巡ってきた。いつも通りの115期対決。土田は、関東連係で山本修平の番手回りを選択した。レースは、池川瑠威が先行し、それを打鐘から巻き返した高田修汰が最終2コーナーで叩き切る。さらに、高田の動きを追って仕掛けた山本が3コーナーで高田をねじ伏せて先頭に。山本にしっかり続いた土田はゴール寸前で逆転。
 「初優勝なので素直に嬉しいです。最終日も練習で乗ったときは重かったし、最後はもう脚が一杯でした。(山本)修平さんはホームで(高田の巻き返しに合わせて)行くかなと思ったんですが、そこは冷静に待ってバックから仕掛けてくれましたね。(山本とは11月平FIIナイターに続き2度目の連係で)平ではうまくいかなかったんですけど、今回優勝させてもらって。このご恩は一生忘れないです」
 しみじみ初優勝の味をかみしめる。しかし、喜んでいられるのも今だけ。4月2日初日の玉野FIIナイターからまた新たな戦いが始まる。
 「(怪我から)復帰戦(1月静岡FII)で申し訳ないレースをしてしまって。もっと前々で勝負するレースを覚えていきたいと思っています。あとは番手戦で優勝できたので、次は自力で優勝できるように頑張ります」
 “今は大分いい走りが出来るようになってきた”と好感触をつかみ始めたところでの優勝。ダッシュを生かしてガンガン先行していくスタイルでさらに前進していく。