『和歌山競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 前検日編

和歌山競輪を舞台に、開設70周年記念「和歌山グランプリ」が1月10日に開幕する。グランプリ王者の佐藤慎太郎や、村上博幸、松浦悠士の新S班3名をはじめ、原田研太朗や菅田壱道ら豪華メンバーが集結。
そろった強豪を東口善朋、稲毛健太、南潤ら地元勢が一丸となって迎え撃つ。4日間にわたる白熱のレースから目が離せない。


 本場ではたくさんのイベントやファンサービスが予定されています。10日の初日は、開門時に駿河屋の「金の本ノ字饅頭」をプレゼント。小林彩乃選手と豊岡英子選手のガールズ選手トークショー(7レース発売中)や、井上茂徳氏・内林久徳氏・井上薫氏・三橋政弘氏による場内スペシャル予想会(4・10レース発売中)も行われます。全レースの1着インタビューもバンク内で実施されますので、ぜひ和歌山競輪場でお楽しみください。

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 オープニングレースで1番車を務める野田源一は、12月玉野FIでVを達成。近況はFI戦で堅実に決勝進出を果たしている。
 「なぜか分からないけど、まさかの1レース1番車ですよ(笑)。朝早いので、しっかり体を動かして頑張ります。6場所前に自転車を変えてから、そこまで変わった感じはしないですけど、成績は安定してきたかなと思います」
 近況、FI戦の準決勝は突破している渡邉晴智だが、なかなか1着が取れていない。
 「迷走中ですね…。体は悪くないんですけど、原因が分からないです。(前回の12月伊東記念からは)正月以外は、普通に仲間うちと練習してきました」


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 12月伊東記念の一次予選は番手戦で1着の杉森輝大だが、今回は自力で白星スタートを目指す。
 「調子は少しずつ良くなっていると思います。風邪とかも引いてないし、体調も問題ないです。(中15日は)普通に練習と調整をしてきたので、良いコンディションで来ていると思います」
 今期からS級の今岡徹二は、1月松阪FIの予選で2着に逃げ粘る好走を見せた。
 「松阪で2着に残れたのは大きかったですね。(S級は)巻き返しが早いイメージはあったんで、出てからのスピードだったりをもう少し上手く走りたいですね。戦えるように練習はしているので、ダメだったらまた練習するっていう気持ちで頑張りたいです」


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南潤選手
南潤選手
 ヤンググランプリは8着に敗れた南潤(写真)だが、徐々に復調ムード。今年初戦の地元記念で結果を残せるか。
 「去年の競走の感じと比べると、最近の練習の感じはそこまで悪くないと思います。初日も(同県の)中野(彰人)さんが付いてくれるし、決勝に和歌山の選手が多く乗れるように走っていきたいです」
 その中野彰人は、12月奈良FIの最終日に約3カ月ぶりの白星をゲット。前回の佐世保FIでも白星スタートを決めた。
 「徐々に良くなってきているかなって感じですけど波が激しいので、悪くても(競走得点が)105点くらいは欲しいですね。(地元記念に向けては)いつも通り練習してきました。初日はちょっと目標が良過ぎますけど頑張ります」


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松川高大選手
松川高大選手
 松川高大(写真)は、10月久留米と11月富山でFI戦を連覇。その後も成績は安定しているが、本人の手ごたえは今ひとつのようだ。
 「優勝もしましたけど、去年の前半に比べたら…って感じはありますね。走り過ぎて疲れているっていうのもありそうですけど。でも冬場は好きだし、和歌山は優勝もしているので相性は良いと思います」
 12月伊東記念は体調不良で途中欠場となった大坪功一だが、新年初戦の前橋FIでは決勝にコマを進めた。
 「前橋(の決勝進出)は、流れが良かったって感じでしたね。今のレース形態で33バンクで突っ込むのは結構、難しいですから。最近は33バンクが多かったんですけど、やっぱり自分の持ち味は直線が長い400バンクの方が出るし、今回は楽しみです」


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堀内俊介選手
堀内俊介選手
 今年初戦の前橋FIの準決勝を1着で突破した堀内俊介(写真)は、決勝でも最終ホームから仕掛けて2着に入った。
 「前橋は、結果的には良かったですけど、感触は良いってほどではなかったです。最近は中5日くらいでレースが詰まっていて、思うように練習ができてないですね。もう少しガッツリ練習したいですけど、今月はここで終わりなのでしっかり走ります」
 1月小松島でS級デビューを迎えた曽我圭佑は、今シリーズが記念初参戦だ。
 「(小松島は)予選から黒沢(征治)さんと当たってやられましたけど、力勝負はできました。でも、風が強すぎて感覚はよく分からなかったです。(S級は)A級みたいに流れが変に止まらないから、そこはやりやすいのかなって思います」


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 12月別府記念で優出した大槻寛徳は、続く川崎FIでV。さらに、同月奈良FIでも準Vと好調を維持している。
 「展開さえ向けば1着が取れているので、悪くないですね。今回の追加は、前回(伊東FI)が終わって2日くらい休んでたら電話が来たので、3日くらい練習して来ました。疲れもありません」
 地元の藤田勝也は、前回の小松島FIで無念の落車。状態面はどうか。
 「小松島は追加だったんですけど、転んでしまって…。ケガは擦過傷だけで、中4日はケアをしてきました。(地元記念で)気持ちはその気だったんで、走ろうと思ってきました。与えられた位置でしっかり頑張ります」


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椎木尾拓哉選手
椎木尾拓哉選手
 椎木尾拓哉(写真)寛仁親王牌で落車し、今回が復帰戦。地元記念で好発進を決めたい。
 「右足首を骨折してしまって、ボルトが2本入っています。1カ月半から2カ月くらい自転車に乗れず、練習は1カ月半くらいやってきました。本当はここの前に1本走りたかったんですけど、そこは間に合わなかったです。地元記念で復帰できて良かったですし、今の状態でできることをやります」
 その椎木尾が前を任せるのは、11月別府FIで完全優勝を飾っている中井太祐だ。前回の小倉FIでも決勝にコマを進めた。
 「前回からは誘導とかもあったんですけど、普通に練習はできました。感覚は走ってみないとって感じですね」


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簗田一輝選手
簗田一輝選手
 10月四日市FIで優勝した簗田一輝(写真)は、12月別府記念で優出に成功。しかし、直近の同月伊東記念は惜しくも準決勝で敗れた。
 「今の調子ではやってる方かなって思います。着より内容が良くないですね。(初日の相手の)中釜(章成)君はダッシュが良いって聞いているんで、その辺も考えて走ります」
 中釜章成は今シリーズがS級デビュー戦だ。
 「(S級は)普通に力を出せれば問題ないかなって思っています。和歌山は4回走ったことがあって、好きなバンクです。風が強いのも得意ですね」


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 林慶次郎は10月取手FIでS級初Vをゲット。その後も持ち前の先行策で、随所に別線を完封している。
 「勝てるときに勝てるやつが強いって周りには言われますけど、(取手の決勝は落車があったから)力勝負して勝ちたいですね。人のレースを見ていると、はたして僕はS級で通用しているのかって思いますけど、先手は取れているし、最近は周りが僕の先行を意識してくれるようになってきた感じがします。(初日も)ラインで決まるように走ります」
 12月伊東記念で決勝進出を果たした吉村和之だが、前回の佐世保FIでは準決勝で敗退した。
 「年末にレースを走り過ぎて、前回は疲れが出てしまいましたね。(中6日は)普段と変わらずいつの通り練習してきました。(初日に前を任せる)永井(清史)さんが勝てる競走をしてくれれば、僕にもチャンスがあると思います」


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 12月大宮FIでS級3V目を飾った森田優弥は、続くヤンググランプリで準V。9月福井FIの落車からは完全に復調し、積極的なレースで白星を重ねている。
 「(ヤンググランプリは)滅多にないお客さんの人数の前で、良い経験ができました。今年はGIで活躍したいですね。(初日に連係する神山雄一郎とは)西武園記念の初日に連係したことがあるので、2回目です。その時はワンツーでした」
 今期、S級に返り咲いた池野健太は、前回の小松島FIを863着で終えた。
 「(A級とS級では)やっぱり流れが全然違いましたね。全体のペースも速いなって感じましたけど、感覚は思い出せました。大晦日の練習中に転んで、フレームを潰してしまって、前回から今までとは違うフレームなんですけど、ちょっと感覚が違い過ぎますね…。(初日の)相手は強いですけど、前々に攻めて何でもありで頑張ります」


<11R>

東口善朋選手
東口善朋選手
 一昨年の大会覇者である地元の東口善朋(写真)は、近況優出こそないが随所に白星を挙げている。
 「去年の9月くらいから地元記念を意識してやってきたので、気持ちも体も上昇していると思います。(今年は)一戦一戦しっかり走って、去年より成績が良くなるように頑張ります」
 野原雅也は前回の奈良FIの決勝で、稲垣裕之のVに貢献。しかし、自身はゴール手前で失速して4着に敗れた。
 「仕掛けとかレース内容は悪くないと思うんですけど、脚力の低下を感じますね。最後が結構、タレているので…。前回が終わってからは、次の日から練習してきました」


<12R>

 13年ぶりの大舞台でグランプリ王者に輝いた佐藤慎太郎(写真)は、1年間着ることになる白のユニホームに袖を通して、気持ちを引き締め直した。
 「去年は良い形で締めくくれたので、今年もまたやろうって気持ちが湧いています。もう1回あの舞台に戻りたいですね。今年の目標は、強いて言うならGIで優勝したい。GIで勝ちたいですね。追い込み選手は自分の力だけでは勝てないですから、ラインの選手に対する信頼だったり、感謝の気持ちを忘れないように走りたいです」
 松浦悠士はS班として、初めて記念シリーズを迎える。
 「グランプリは悔しいしかなかったですね。去年はグランプリ以外は良かったと思います。(S班になっても)やることは変わらないし、自分がどう考えてやっていくかだけですね。今年一発目だし自力で動いておきたいので、ラインの先頭で頑張ります」
 地元勢で唯一、初日特選を走る稲毛健太は、グランプリシリーズで921着のV。地元記念に弾みを付けた。
 「(グランプリシリーズの準決勝は)立川バンクであそこから行って2着に残れたので、自信になりますね。決勝では(別線が)モガき合いになるのかなって思っていたら、ならなかったんで、ちょっとヤバいって思いましたけど優勝できて良かったです。(今回の初日特選は)細切れ戦なので、順番が来たらしっかり仕掛けます」