【ROOKIES】地元ルーキーチャンピオン戦に闘志

■Pickup Rookie

 10月に特別昇班した城戸俊潔(写真)。1・2班戦では準決の壁に苦しんできたが、ようやく軌道に乗ってきた。目下、3場所連続で決勝に進出し、1月名古屋FIIでは戦況を見極めての2コーナーまくりながら、前S級の野村典嗣らの追撃を振り切って嬉しい初優勝を遂げている。
 「レース内容が、初優勝の時(名古屋)も、今回の宇都宮もダメですね。初優勝はただ展開が向いただけでした。今の課題は、持久力です。カマシとかまくりが得意なんですけど、先行のタイミングで順番が来た時はしっかり先行したいと思っています」
 “S級点を取りたい”という目標に向けて着実に前進しているが、まだまだ確かな自信をつかんだというわけではなさそうだ。しかしながら、何よりもモチベーションが上がる出来事がこの先に待っている。来月8日に行なわれる115期のルーキーチャンピオンレースへの出場が決まった。
 「来月は地元でルーキーチャンピオンもあるので、そこに向けて頑張りたいです。(同県の晝田宗一郎との)並びはまだ決まってないですけど、東日本にS級の強い人がたくさんいるので、そこに勝てるように作戦を考えます」
 地元玉野だけは譲れない。すでにV実績まである高橋晋也、坂井洋らS級4人に、調子を上げてきた後藤悠とそろいにそろった東勢に対抗心を露わにする。個の力だけでなく、ラインの結束力も武器にして波乱演出を目論んでいる。


 

 古賀勝大(写真)は、身長163㎝とやや小柄な体格ながら、社会人野球出身のアスリートだ。自転車を始めて僅か10カ月で競輪学校に合格し、競輪学校では15勝を挙げて10位タイの成績を残している。デビュー後も順当に力を発揮しており、17場所走って決勝を外したのは僅かに1回しかない。
 「(ここまで)長い距離をモガくことを意識して、自分でレースを動かして着にも残れているんで悪くはないのかなと思う。脚質はダッシュ。普段の練習は稲毛健太さんとか南潤君と一緒にやらせてもらっています。GIで戦っている本当のダッシュマンと練習できているので、環境には恵まれていると思います。今の課題は4コーナーを回った後の末脚ですね」
 デビューからベスト10メンバーらしい存在感を発揮しながら、不思議なことに優勝には縁がなかった。“まだ優勝がないのは少し歯がゆいけど、決勝でも着にこだわらずに自分の競走をしていた結果なので”と話していたが、1月西武園FIIミッドナイトで待望の初Vを達成。降雪のために準決が中止になり、本命候補の松坂侑亮、浅見隼、天野純平らがそろって抽選負けで決勝に勝ち上がれなかったラッキーを生かした優勝ではあったが、弾みにはなりそう。
 「いつも前から突っ張るか、引いてのレースばかりだったので、後ろから押さえるレースもやろうと思っている。今年は自分のできないことを競走でもやっていきたい」
 7月には確実に上がる2班でのレースも見据えて勢いを加速させていく。


 

 将彦(111期)、拓摩(115期)との寺沼三兄弟の次男の寺沼伊織(写真)“ホーム戦は2回目。前回が1、2、3着だったので、今回はそれ以上の成績を残したい。調子は前回のホーム戦以上だし、結果を出せると思う”と自信を持って臨んだ1月京王閣FIIナイターでの優勝はならなかったが、決勝で対戦したのは、今注目の早期卒業選手の菊池岳仁では致し方なしか。デビュー初優勝はお預けとなったものの、12月伊東FIIナイターから5場所連続で優参中と軌道に乗ってきた。
 “練習とレースは全然違うので大変です。自信があるのはダッシュで、末の粘りが甘いので先行はあまり得意ではない”と以前は話していたが、ここまでの決まり手は先行、まくりが半々。若手の多い練習環境だが、姉弟子の中村由香里にしごかれて、着実に力を伸ばしている。持久系のトレーニングにも取り組み、3・92にギアを上げて末の粘りも増してきたことで、“先行メインに戦いたい”という理想の形にも近付いてきている。
 次走も地元戦で、17日からの立川FII。初対戦となるゴールデンキャッパー藤井侑吾、1月川崎FIIミッドナイトで対戦して勝っている鈴木涼介らが相手となるが、ライバルを倒して待望の初優勝を果たせるか。