『高知競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 3日目編

高知競輪場開設70周年記念「よさこい賞争覇戦」は後半戦となる3日目に突入。準決勝3個レースをメインに熱戦が繰り広げられた。S班の佐藤慎太郎をはじめ、浅井康太、三谷竜生ら実力者が順当に勝ち上がった。5日の決勝戦でシリーズの頂点を決める。

 なお、今シリーズも新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、無観客での開催になっています。どうぞご了承ください。

<10R>

三谷竜生選手
三谷竜生選手

山中貴雄選手
山中貴雄選手
 後ろ攻めから上昇しようとした佐々木豪に合わせて中団の三谷竜生(写真)打鐘で踏み上げる。前受けの早坂秀悟がこれを突っ張るが、遅れていた佐藤和也を締めこんだ三谷がいったん先頭に立つ。再度、踏み上げて先行策を取った早坂の後位に三谷がはまる。最終ホームから反撃に出た佐々木に合わせるように三谷が2コーナーから番手まくりを敢行。そのまま力強く押し切った。
 「先に切ろうと思ったんですが、早坂さんがすごかったです。なんとか内に降りて前まで行けたんですが、タマタマですね。あれで後ろが付いてきていたら浮いて終わっちゃうんで。切るところをしっかり切れれば良かったです。この展開は予想できなかった。まぁ何とかという感じでした。調子自体は問題ないです」
 完璧マークの近藤龍徳が2着に続いて中近ワンツー決着。有言実行の決勝進出に満足げ。
 「めっちゃキツい。三谷さんとは相性がいいみたいです。前検日から決勝に乗るって宣言していたし、今回はどうしても決勝に乗りたかった。ホッとしました。三谷さんがしっかり組み立ててくれました。付いて行けているので、状態はいいほうです。記念の決勝は2回目です」
 佐々木のまくりに乗った山中貴雄(写真)が地元の執念で3着に入り、大会連覇に望みをつないだ。
 「前が力のある選手ですからね。それに救われました。ずっと余裕はありました。近藤龍の後ろにスッと入れれば良かったんですけど、つっかかってました。踏めている感じはありますね。とりあえず良かったです。本当にホッとしました」

<11R>

浅井康太選手
浅井康太選手

>岡光良選手
岡光良選手
 中団から先に動いて切った渡邉雄太を山田諒が打鐘の4コーナーで叩いてハイピッチで逃げる。前受けから後方まで下げた取鳥雄吾はすかさず反撃開始。これに中村昌弘は離れてしまう。2コーナーで山田をあっさり抜き去った取鳥にスイッチした浅井康太(写真)が2センターからの追い込み勝負で人気に応えた。
 「オッズが売れていた責任感もあったので、早めに切り替えさせてもらった。もうワンテンポ、ツーテンポ早く踏むこともできたんですが、渡邉君も来ていなかったので、取鳥君がタレるところと、渡邉君が来るだろうっていうタイミングで踏みました。脚を使っていないぶん、伸びましたね。取鳥君の後ろが離れるのも頭の中にはありました」
 中部ラインの後位を選択した岡光良(写真)が懸命に浅井を追いかけて2着をキープした。
 「付いて行くのに必死でした。何とか2着で良かったです。浅井君もいいタイミングでかぶる前に切り替えてくれた。そこからは誰も来ないことを祈ったけど、南関勢がゴール前で来て抜かれたかと思いました。懸命にハンドルを投げました。決勝に乗れたし、脚はいいと思います」
 かぶって内のコースをしぶとく踏んでいた渡邉雄太が直線勝負で3着に入った。
 「山田君が思ったほど踏んで来なくて、落ち着いていましたね。中団を取って、あとは取鳥君次第でっていう感じでした。無我夢中だったので、あまり覚えていないですね。顔見せで少し重いと思ったけど、3着だったのでそこまで気にする必要はないのかな。初日はまくって、2日目に逃げて、今日(3日目)はしのげているので状態は悪くないと思います」

<12R>

佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手

小川真太郎選手
小川真太郎選手
 打鐘の3コーナーで切った中本匠栄を小川真太郎が押さえる。前受けから7番手まで下げた吉澤純平打鐘の4コーナーからスパート。1コーナーで小川を叩いて、ライン3車できっちり出切る。これで絶好となった佐藤慎太郎(写真)が鋭く追い込んで連勝を飾った。
 「吉澤が頑張ってくれた。出脚が良かったし、仕掛けるポイントも抜群でした。1着が少ないんで、1着を取れたのはうれしいですね。日に日に脚の感じは良くなっている。初日はやっぱり疲れがあったのかな。高知はGIを勝っている思い出のバンクだし、記念も勝ってますからね。決勝も少しでも上位にいけるように頑張ります」
 4番手で態勢を立て直した小川真太郎(写真)が車間を詰める勢いで4コーナーから踏み込んで2着に。
 「早すぎても厳しいし、仕掛けはあれで良かったんだと思います。(佐藤)慎太郎さんも余裕がありそうでしたからね。1着までいけなかったのとラインを連れ込めなかったのは残念です。脚は悪くないです。決勝も自分のできることをしっかりやります」
 先行勝負に出た吉澤純平が3着に粘り込んだ。
 「駆けやすいメンバーだったので、先行するつもりでした。いいタイミングで仕掛けられたんですが、バックが重くて、最後はバタバタでした。ちゃんと自力を出して、何とか3着に残れて良かったです。今回は2日目が番手戦だったし、いろんなことをやれてます」

<最終日6R S級ブロックセブン>

 小倉竜二(写真)が格上位の存在だ。昨年の終盤戦から落車が続いているが、前回の3月松戸FIは初日からオール2着の準優勝。大きなダメージはない。
 「松戸は取鳥(雄吾)君が強かったですね。練習ではそこまで悪い感じはないし、落車の影響はなくなってきていると思う。高知の相性はあんまり良くないので、悪い流れを変えたいですね」
 坂本健太郎は3月福井ウィナーズカップの3日目に失格したが、気持ちを切り替えてこの一戦に臨む。
 「前回は失格してしまったけど、モチベーションは上がってます。練習の感じはマシになっている。暖かくなってきたこともあると思います。(藤井栄二の)先行一車ですね。ゆっくりとしたペースになりそう。まくりを打てればいいですね」
 藤井栄二は調子、成績とも右肩上がり。先行一車の組み合わせでも油断はない。
 「前回の久留米は本当にラインの方に助けられました。最近はレースの組み立てだったり、勝ち上がれる先行を意識するようになって成績は上がってます。流れはいいですね。久留米から中12日、久しぶりに間隔が空いたので、練習も休養もしっかりできました。高知も悪いイメージはないです。先行基本にしっかり力を出し切ります」