『第61回朝日新聞社杯競輪祭(GI)レポート』 2日目編

北九州メディアドーム小倉競輪場を舞台に開催されている「第61回朝日新聞社競輪祭(GI)」は11月20日に2日目が行われた。「ガールズグランプリトライアル2019」のグループAトパーズは石井貴子
小林優香が連勝。
グループBアメジストは児玉碧衣が連勝、9レースでは吉岡詩織が会心の逃げ切り勝ちを収めた。
男子は一次予選1、2が行われ、好展開を生かした渡部哲男が初日に続き連勝のゴール。
21日の3日目は予選2走での合計ポイント上位選手による「ガールズグランプリトライアル2019」の
トパーズ、アメジストの決勝がそれぞれ争われる。
優勝者には年末のガールズグランプリの出場権が与えられる大注目の一戦だ。
男子は残りの一次予選2で激しい勝ち上がり戦が繰り広げられる。

 3日目の21日はどりあんずお笑いライブをはじめ、

木戸彩音のライブ、長田真友子のライブなど場内イベントは満載。ぜひ本場でお楽しみください。

競輪祭を盛り上げる北九州選手会とスペースエンジェル
競輪祭を盛り上げる北九州選手会とスペースエンジェル

 

健太康太ライブステージ
健太康太ライブステージ

<1R>

吉田拓矢選手
吉田拓矢選手
 先に切った稲垣裕之を叩いた吉田拓矢(写真)は松井宏佑の打鐘ガマシを受けて絶好の3番手を確保。2コーナーまくりで続いた北日本コンビとラインで上位独占を決めた。
 「本当は松井さんの後ろが良かったけど、一番後ろになったので。でも稲垣さんが切ってくれたので、流れはいい形になりました。柔軟に走れたと思う。踏み込まないと離れる感じで、ニュートラルに入りづらかった。行けるかなって感じで踏んだけど、行けたのでいいと思う。感触はいいですね。力まずに踏めてるので。(3日目は一次予選2)ダイヤモンド(レース)を目指して頑張ります」
 ゴール前詰め寄った佐藤慎太郎だったが逆転はならず。
 「ガチで抜きに行ったけど、抜けなかった。強いと思う、吉田が。いいタイムだったと思いますよ。自分で言うのも何だけど、俺が抜けてないから(笑)。(2コーナーでは)様子を見ちゃいがちなとこだけど、すかさず仕掛けてるからね。吉田は自信持ってますね」

<2R>

柴崎淳選手
柴崎淳選手
 岩本俊介の上昇に合わせて先に切った柴崎淳(写真)は岩本を受け、単騎の野田源一を入れてもしっかりと中団4番手を確保。車間を詰めた勢いで最終2コーナーから仕掛けると、岡村潤のけん制を力強く乗り越えた。
 「プレッシャーはありましたし、自分が成長している証として、プレッシャーを力に変えて走りました。前もかかってましたけど、シンプルにタテ勝負をしようと。(新車は)少し重いけど、まだドームなのでそこまでじゃない。うまく踏み回せている感じですね。状態の上積みはないけど、そういった意味では前回(四日市記念)よりもいい」
 柴崎に懸命に続いた村田雅一が2着をキープした。
 「ホームの感じじゃ無理かなって思うくらいのかかりでしたからね。あれを行っちゃうんだからすごい。緊張しましたよ。前は点数トップで自分は(補欠から)繰り上がり。一番上と下の連係だったんで。でも、もう後輪だけ見て歯を食いしばって付いていきました」

<3R>

小松崎大地選手
小松崎大地選手
 山田英明を押さえて出た三谷竜生を小松崎大地(写真)が打鐘で叩いて逃げる。近藤隆司がすかさず反撃に出るが、小松崎がしっかり合わせ切る。軽快に風を切った小松崎がそのまま後続の追撃を振り切った。
 「ラインの力を信じて踏みました。僕だけ3車ですし、逃げるつもりでした。感触は悪くなかったです。格上の選手ばかりなので少し自信になります。ラインの力が大きかったです。やってきたことが少しずつ形になってきていると思います」
 4番手確保からまくり上げた三谷竜生は2着まで。
 「もうちょっと伸びたかったですね。ちょっとスカスカしましたけど感じは悪くはないですね。脚に刺激は入ったんで、良くなるとは思います」

<4R>

小川真太郎選手
小川真太郎選手
 赤板過ぎに誘導を切った山岸佳太を南潤が打鐘で叩いて主導権。最終ホーム手前から巻き返した堀内俊介が2コーナーで南をあっさりまくってしまうが、神奈川コンビを追った小川真太郎(写真)が最終バックからその外をまくり切って快勝。
 「落ち着いていけましたね。あそこで(堀内が)行かなかったら、自分で行こうと思ったが、行ってくれたのでよしよしと思っていた。踏み出しも付いていても楽だった。このバンクをイメージした練習をしてきてイメージ通りに走れましたね。オールスターから使っている自転車の感じも良い」
 堀内に乗った桐山敬太郎は内、外と仕事をしながら3着に入線。
 「小川が強すぎた。止められなかったですね。内を見たら浅井(康太)が見えて締め込みながらでした。2人で確定板に乗れたらかっこ良かったんですけどね。周りは見えているので悪くないと思います」

<5R>

山中秀将選手
山中秀将選手
 中本匠栄が打鐘から先頭に立つが吉澤純平に締め込まれた中川誠一郎は連係が外れ、中本後位には山田久徳がはまる。別線にはまられた中本がペースを落とすと、2センターから山中秀将(写真)が一気のカマシ。バックから千葉コンビを追いかけた山田だったが追いつかず、カマした山中が押し切った。
 「前がゴチャついてて、ペースが上がってなかったんで、その分思い切って仕掛けられましたね。寬仁親王牌も初日1着で上がれたし、良くなってるのに昨日(初日)うまくレースできてないのがもどかしかった。2日目は後ろが(田中)晴基さんだったし、タイミングが来たとは言え、しっかり仕掛けられました」
 番手絶好の田中晴基だったが、逆転はならなかった。
 「山中が強くて抜けなかった。いいところで行ってくれましたね。後ろは追いついて来なかったけど、一気にガーッと来るかと思ってたら山中もタレてなかった。これ(ワンツー)は大きいですね」

<6R>

渡部哲男選手
渡部哲男選手
 和田真久留が稲毛健太を押さえて赤板過ぎに先頭に立つが、中団まで追い上げた太田竜馬が打鐘前から踏み込みレースを支配。後方から巻き返しを狙った稲毛は中団で和田に絡みながらも2コーナーから再び踏み込んで迫るが、渡部哲男(写真)が外を張りながらゴール寸前で太田を交わした。
 「(太田が)強かったですね。得意のカマシだったし、最後まで垂れることなく踏めてましたね。自分は流れがいいですね。正直、ここに来る前の調子があまり良くなくて、不安しかなかったけど、大丈夫そうですね。最近、中四国の若い子は自分の仕掛けじゃなくてラインの競走ができるから強いしありがたい」
 1走目の反省を踏まえて駆けた太田竜馬が2着に粘り別線を一蹴。
 「(予選1は)先行して変なペースで踏んでしまったからカカリ切らない感じがしたので今日は変えました。ドームだし脚を使ってでも一気に踏んでスピードを上げてしまった方がいいなと。きつかったですけど、最後まで全開で踏めましたね」

<7R>

井上昌己選手
井上昌己選手
 後ろ攻めから動いて切った簗田一輝を藤木裕が打鐘前に押さえる。これで7番手となった清水裕友は3コーナーから一気の反撃。懸命に抵抗する藤木を最終2コーナーでねじ伏せる。続いた井上昌己(写真)がゴール寸前で逆転した。
 「競輪が変わってきてますね。(清水は)緩んでないから行かないと思っていたら、そこで行った。すごいですね。ペースも落ちなかったです。ゴール前でなんとか抜けた感じです」
 ロングまくりで2着に粘った清水裕友は確かな手ごたえをつかんだ。
 「あれで行けてるんで申し分ないですね。前半のスピードは抜群でした。自分のトップくらいは出ていたと思います。最後も踏み直せたんですが、(井上)昌己さんに差されたのはしょうがないです。脚は今年一番いいです。手ごたえはありますけど、こればかりは展開もありますからね」

<8R>

成田和也選手
成田和也選手
 赤板過ぎに山本伸一が切った上を平原康多がさらに切る。そこを志佐明がカマし、平原は思惑通りに3番手を確保。平原は巻き返してきた佐々木豪を再三のけん制で止め、橋本強が内を掬ってきた最終2コーナーから仕掛けて最終バック手前では志佐を捕らえる。踏み直しを図る平原だったが、成田和也(写真)が差し切った。
 「緊張しました。G1なので平原が本命といっても相手も強い。付いていって(抜いたのは)自信になります。レベルの高い選手と走れている。これを続けていきたい。交わせるとは思っていなかったし、必死に付いていこうと思っていた」
 道中では脚を使いながらも、まくり切った平原康多ながら、3着になり次走に向けて修正点を探る。
 「踏み出した感じは良くて、しゃくられてからも腰砕けの状態からいった。フレームに問題はないけど、キレイに回せていない。納得のいかない部分があるので少し修正します」

<9R>

吉岡詩織選手
吉岡詩織選手
 最終ホームから仕掛けた吉岡詩織(写真)の思い切りの良さが好結果を生んだ。人気の梅川風子は6番手まくり不発に。逃げた吉岡がまんまと逃げ切った。
 「相手にされてなかったと思うし、後ろでけん制してもらって良かった。行ってみるもんですね、新人らしく。後半持たなかったし、誰か来るだろうと思って一生懸命モガいたんで。決勝戦は先輩たちの胸を借りるつもりで頑張ります」
 周回中から梅川の後ろにいた尾崎睦はバックから内に切り込むと、最後は吉岡、林真奈美の中を割って2着に。
 「しのぎましたね。梅川さんに全部託した感じ。駆ける選手が多くて、大丈夫かなと思いながら付いていったけど、内が空いたんでラッキーでした。決勝に乗らないと(グランプリ)争いできないと思ってたので。もうちょっと自分で動けたら良かったけど、2着まで入れて良かった」

<10R>

児玉碧衣選手
児玉碧衣選手
 隊列に変化のないまま鐘を合図に誘導員が退避したが、ここから一気にレースのペースが上がる。3番手の加藤恵が3コーナーから仕掛けていくが、2番手の奥井迪が内から盛り返して2コーナーで先頭に。そこを仕掛けた細田愛未のさらに外を児玉碧衣(写真)がバックからまくり、連勝で決勝進出を決めた。
 「ホームで仕掛けたけど前(細田)も踏んでて車が出なかった。でも、あそこで外々踏んで出切れたとしても後半がきつくなると思って1回待ちました。昨日(初日)よりも踏んだ感触は良かったですね。自力がそろっているのでなかなか思ったタイミングで仕掛けるのが難しいですね」
 児玉には行かれてしまった奥井迪だが、児玉を追いかけた高橋梨香や細田のまくりを合わせて2着に粘った。
 「もう今日(2日目)は碧衣ちゃんと真っ向勝負をしようと決めていました。それでダメでも悔いはないと思って。でも良かった。2着でも決勝に乗れるかわからなかったので。私の気迫が一番だったと思います」

<11R>

石井貴子選手
石井貴子選手
 6番手からジワジワと上昇した長澤彩を追っていた田中まいが打鐘前から踏み込んで先頭に立つ。長澤がその後位に入るが、空いていた内をすくった小坂知子が前に出てそのまま駆ける。2番手に入った田中が2コーナーからまくるが、その上を長澤もすかさずまくる。これに続いた石井貴子(写真)が直線で鋭く追い込んだ。
 「外枠からだったので、取れた位置からになると思っていたので、緊張しました。初日、2日と中団で押さえられるような感じになったんですけど、落ち着いて走れたと思います。状態は問題ないです」
 3番手からまくった長澤彩は直線で末を欠いて3着に敗れたが、2日間、しっかり見せ場を作って決勝に進出した。
 「後手を踏まないように気をつけてました。しっかりと周りは見えていたと思います。末は甘かったですね。脚の感じはもうひとつ上げていきたいです」

<12R>

小林優香選手
小林優香選手
 小林優香(写真)が連勝で危なげなく決勝に進出。最終ホーム、5番手からまくると、合わせて3番手から仕掛ける高木真備を豪快に飲み込んだ。
 「前が併走していて、自分の行くべきタイミングで行けた。脚の状態は問題ない。ここを獲るために練習をして優勝を目指してきたので優勝だけを考えて走る」
 1番車の鈴木美教は車番を生かして初手から小林の後ろに付けると、小林の仕掛けに続いて2着でポイントを加算。決勝戦へ駒を進めた。
 「車番が良かったので、一番強い人の後ろを狙っていた。昨日(初日)は自分の持ってる力を発揮できた。今日(2日目)は強い人の後ろで千切れずに2着に入れたので脚の状態はいい」