【ROOKIES】久米詩が通算3度目の優勝

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 昨年11月の松戸FI以来、久米詩(写真)が通算3度目の優勝を今年2場所目の取手FIIで飾った。しかしながら、シリーズは621着と決して満足のいくものではなかっただろう。
 「尊敬している加瀬加奈子さんを相手に、何もできなかったですね…」と、振り返った初日の予選1。中団で山本知佳にかぶって仕掛けられず、加瀬のマイペースを許した。
 2日目の予選2ではカマした加瀬に飛び付いて2番手を確保。が、加瀬との車間が空きすぎたのか、直線で迫るも加瀬に逃げ切られた。
 「自分でしっかり動いてと思ったんですけど、加瀬さんが強かったです。最後は詰められたんですが、踏み直しもすごかった。駆け方とかいろいろ勉強になりました」
 予選での反省を糧に決勝は、三度逃げた加瀬をピタリとマーク。まくりで強襲する長澤彩を退けた。レース内容では加瀬に軍配の上がる3日間だったが、柔軟な立ち回りで優勝をさらった久米も持ち味を発揮した。


 

 まくりでの勝ち星を含めて競走訓練では19勝をマークした張野幸聖(写真)が、昨年の11月ごろからようやく軌道に乗ってきた。在校でも13位とポテンシャル的にも疑う余地はないだけに、勝ち味を覚えてからはトントン拍子。昨年末の西武園ミッドナイトの一発勝負を挟んで、10連勝を取手FIIで成し遂げチャレンジを卒業した。
 「(取手の今回は)特別昇班を狙ってきました。ただ、このまま上のクラスに上がっても通用しないのはわかっているので、自分の行ける距離はしっかり仕掛けたいですね。(練習は)師匠の中西大さんや稲毛健太さんとよくやっています。師匠には先行にこだわれとかは言われていないですけど、出し切るレースをするように言われています」
 まくり連発で勝ち上がった決勝は、田上晃也、宮下一歩の同期との争いになった。最終2コーナーでまくり切った宮下に田上、張野が続く。田上との直線での踏み合いは、タイヤ差で張野が制した。自身は足りないと言うものの、A級1、2班のステージでも先行、まくりが通用することは間違いないだろう。


 

 昨年7月のデビューから初勝利までに5場所を要し、時間の掛かった宇佐見優介(写真)。13場所を終えてまだ優勝がないが、新年一発目の小倉FIIを611着。先行策でレースを支配した初日予選は6着に沈んだが、2日目、最終日は連勝で次回につなげた。
 「単純にまだ力不足ですね。あと勉強不足。それだけです。だんだん落ち着いて、視野が広く走れてると思うけど、同期と比べると力不足はある。同期と比べないようにしないといけないけど、マイペース過ぎても…。ゆっくり自分と向き合うのも大事だけど、僕はもう26歳なんで。師匠(飯野祐太)には小さいダイヤと言われます。ダッシュも地脚もないわけじゃない。これからそのダイヤをもっと大きくしていきたい」
 同期、同門の高橋晋也はすでにS級のステージで、師匠の飯野とタッグを組んで優勝に貢献している。それだけに比較もされるだろうが、宇佐見も原石を磨いてその輝きを少しずつ増している。


 

情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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