【ROOKIES特別編】寺崎浩平デビュー戦に密着


2020年1月16日12時5分。

「令和の怪物」と呼ばれる彼の挑戦は和歌山で幕をあげた。

打鍾開始後、事前の想定では集団の前につけている予定だったが、位置取りは先頭から4番手。普通のルーキーであれば多少の動揺もあるだろうが、彼は動じなかった。落ち着いて他の選手を見ながら、前方へ上がっていき、そのまま集団の先頭へ。
前に出た彼を止められる選手はいなかった―

レース後、記者に囲まれ質問を受けている際、初レースを終えたルーキーとは思えないほど落ち着いて受け答えをし、「ラインで決められて良かった。」と競輪選手としての自覚も十分だった。しかし、質問がスタンドに来ていた、あるファンの一団の話になると、「福井から、実家の自転車ショップの従業員さん達が応援に来てくれていたみたいです。知らなかったので、とてもビックリしました。」と嬉しそうにハニカミながら答えていた。養成所時代も、同期から慕われていた彼。その要因は、卓越した自転車の技術に加え、こういった人間臭い所も兼ね備えているためであろう。
初勝利を振り返り、彼は「今日の初勝利で、競輪選手人生が始まったという実感がわきました。明日以降も、持ち味であるトップスピードを活かした、自分の走りをみせたい。」と更なる高みを目指し、前を向いていた。
彼の名前は寺崎浩平。
競輪界に新しい風を吹き込む「令和の怪物」。


2020年1月16日 第5競走 チャレンジ予選
和歌山競輪場 1625m 先頭固定競走
天候:曇 気温:8.0℃ 風速:0.9m/秒 風向:東
走行タイム:2.18.1 上がりタイム:11.9 
決手:逃、HB
着順:1位



寺崎浩平選手 コメント
走った感触は―
「朝の試走では重いと感じていましたが、競走で乗ってみると軽く感じました。」

競走について―
「レース前は集団の前にいることを想定していましたが、位置取りが後ろでした。その中で落ち着いて他の選手を見ながら走れました。1カ月ぶりの競走でドキドキしましたが、落ち着いて走れたと思います。7車立ての競走は初めてでしたが、走りやすかったです。」

応援について―
「福井の実家が営む、自転車ショップの従業員さん達が応援に来てくれていたみたいです。知らなかったので、とてもビックリしました。」

初勝利の感想は―
「ラインで決めることができて良かったです。次も勝てるように、更に集中していきたいです。」

次の競走に向けてと、自分の競走に点数をつけるとしたら―
「自分が行きたいタイミングで出ること、無駄足を使わないことを意識したいです。1着だったので80点です。」

最後に―
「今日の初勝利で、競輪選手人生が始まったという実感がわきました。明日以降も、持ち味であるトップスピードを活かした、自分の走りをみせたいです。」