【ROOKIES】2度目のチャレンジで齋木翔多が特班

■Pickup Rookie

 昨年11月の宇都宮FIIでは8連勝で特班にリーチをかけながら、まくり届かずの3着で特班を逃していた齋木翔多(写真)が、1月25日の松阪FIIで3場所連続の完全Vを飾った。
 「2回目の挑戦だったので、(特班に失敗して)負けたらどう帰ろうかって思ってました」と、振り返った。
 初日予選、準決をケレン味のない仕掛けで押し切った齋木だったが、決勝は同期の勝谷勝治に主導権を奪われると、さらに同期の山本修平に3番手に入られ、後方からの立て直しを余儀なくされた。
 「勝谷さんが地元っていうこともあって、思い切り仕掛けてきた。それで自分のタイミングを失って、山本さんのまくり待ちみたいになってしまった。小さいレースでした」
 まくり合戦の末に最後は前川大輔を半車輪とらえて特班にこぎつけた。
 「ギリギリでしたね。小さいレースだったけど、勝つことができたっていう点は良かった。(2班に)上がってからは、持ち味の先行力を生かして上を目指します」
 逃げ切り3連勝はならずも、結果を出した齋木が1、2班戦に気持ちをリセットする。


 

 自転車経験の浅い佐々木悠葵(写真)は、初優勝までは6場所を要し、3場所連続完全Vの特班でチャレンジを卒業したのは昨年の12月だった。しかしながら、ポテンシャルの高さは競輪学校時代から周囲の誰もが認めるところ。それだけに実戦での経験を積めば、このくらいの活躍は当然だったのかもしれない。A級1、2班の初場所、川崎FIIを181着で2勝をマークすると、その後は3場所連続で優勝をもぎ取った。
 直近の伊東FIは131着。準決は後方に置かれ、高比良豪に合わされる苦しい流れのなかで薄氷を踏む優出。それでも決勝は8番手で焦ることなく、自分のスピードと爆発力を信じてまくりに構えた。結果的には最終2コーナー手前から踏み出して、スピードの違いであっさりとカタをつけた。組み立て面での甘さを補って余りある脚力を有しているの間違いない。


 

 昨年7月、デビュー場所の青森FIIの2日目に落車に見舞われた。出口倫子(写真)は、そのまま波に乗れず15場所を消化した今も勝利を味わえていない。
 「青森ではスタートでコケちゃって…。それでまだ恐怖感みたなものがある。だからスタートも無理できなくて、どうしても消極的になってしまうんです。それで自力の人が自分の前にいればいいですけど、そうじゃないと後方になってしまうんです」
 落車の影響が尾を引いている出口だが、直近は1月、地元の佐世保FIIで初めて決勝に進んだ。
 「お客さんのいないミッドナイトでしたけどね、やっぱりうれしかったです。地元で応援してくれる人たちもいるんで。少しは自信になりました」
 初優出の決め手となった準決は、尾崎睦のまくりに流れ込んで2着。
 「最近はスピード練習をしているので、スピードには慣れてきました。デビューしたころよりも体重も増やして、前は重く感じたギアが重く感じなくなった。前期は全然、点数が取れなかったんで、今期は頑張らないと」
 地元の優出をキッカケに、出口がリズムをつかんでくると面白い。