【ROOKIES】地元記念で存在感を見せた高橋晋也

■Pickup Rookie

 中止打ち切りになった西武園も含めて、異例の11連勝、3場所連続の完全Vで昨年の10月に特進を遂げた。115期としてはS級一番乗りを果たした出世頭の高橋晋也(写真)が、S級6場所目で初の記念に臨んだ。グランプリを制した佐藤慎太郎グランドスラムに王手をかけている山崎芳仁らともに、地元記念を盛り上げて2338着で4日間すべて最終ホームとバックを奪取するケレン味のなさでファンを魅了した。
 「すごいいい舞台で戦わせてもらって、本当にいい経験になりました。初日、2日目は踏み方が良くなかったけど、3日目、最終日と山崎(芳仁)さんとかに踏み方や駆け方、流す位置などを教えてもらった。いい成長ができたと思う」
 5車で結束した北日本ラインの先頭を務めた決勝は、前受けからの先行で別線に反撃の隙を与えない2周先行。番手の山崎とその後ろの佐藤のゴール勝負を演出した。4着までがラインで上位を独占。地元のファンにはタイトルホルダーたちにも引けを取らない鮮烈な印象を残したことだろう。


 

 脇本勇希(写真)は昨年12月、9選手がすべて115期だったレインボーカップチャレンジファイナルの一発勝負を制してA級2班に特班した。A級1、2班にステージを移してからは、松山FIを241着、大垣FIを712着、さらに今期一発目の高松FIIを335着。勝ち星もあり、高松では決勝に進出している脇本だが、いまひとつリズムに乗れていない感もあった。しかしながら、直近の静岡FIIでいきなり3連勝を飾った。打鐘過ぎに仕掛けた決勝は、最終ホーム手前で主導権を奪って押し切りV。兄の雄太(94期)をイメージさせる華麗な逃走劇を完結させた。
 「初優勝が完全優勝でうれしいです。前を取って引いて、(仕掛けて)行けるとこから思い切っていこうと思っていた。雨や風は気になったけど、バンクは悪くなかったのでいい感じで行けました。初日は失敗して先行できなかったけど、準決、決勝はしっかり力を出し切れた。先行で優勝できたので、これからも先行で頑張っていきます」
 自信をつけた脇本の次回は、2月3日からの奈良FI。地元地区での連続Vを期待してもいいだろう。


 

 昨年11月、防府FIIの最終日にゴール直前でバランスを崩して落車に見舞われた。
 「結構、擦過傷があって歩けなかった。そしたら体も弱っていたのか、インフルエンザにもなって…」
 “弱り目に祟り目”。それでも佐々木綾(写真)はめげることなく前を向いた。
 「(落車で)怪我をして、いまのままじゃダメだって思いました。同期が活躍もしているし、自分もなんとかしなきゃって。それまでは街道をメインにやってたんですけど、やっぱり強い人はバンクでやっているイメージがあった。それで姉デシの藤巻(絵里佳)さんにも相談した」
 落車での怪我を機にリセットを試みた佐々木は、バンクメインの練習に新たな活路を見出した。
 「男子選手と一緒に練習させてもらって、どれだけ付いていけるかっていうのもあるし。それで自信になることも。そのあと午後にひとりでまた練習することが多いですね」
 昨年7月デビューから11場所を終えて、まだ1勝にとどまっている。
 「(直近の京王閣の)前に自分のレースを全部見た。そしたら位置は良さげなんですよね。そこからダッシュで離れたりしている。タイミングもですけど、ダッシュ力をもっと上げたい。(長期欠場で)走らなすぎて、走りたい。自分的には楽しみです」
 復帰シリーズの京王閣FIIは737着。成績は振るわず不本意だったかもしれないが、随所で目を見張るシーンがあった。進化の証、それを結果として残すのは次回だろう。